「豊中市民第九演奏会」に参加 | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

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12月といえば「第九」の季節。全国で何十というベートーヴェンの「交響曲 第九番」の演奏会が開催されます。

 

私もコロナ前は、大阪城ホールで行われる「1万人の第九」コンサートに、毎年のように合唱団として参加していました。今年は4年ぶりに1万人の規模で行われたのですが、私は訳あって参加を見送りました。

 

その代わり、地元にある大阪音楽大学の声楽の先生たちがソリストとなり、豊中市民を中心とした合唱団、そしてオーケストラは市内に本拠のある日本センチュリー交響楽団という、「オール豊中」のメンバーで行われる「第九」の演奏会に参加しました。

 

2017年に始まったこの演奏会も今年で3回目。2年毎の開催ですが、こちらもコロナ禍のために4年ぶりの開催になりました。

 

合唱団の公募に集まったのは約150人。前回は参加する前にオーディションがありましたが、今回は免除されました。

 

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9月から始まった練習は、ほぼ毎週行われました。私と同じように前回も参加した顔見知りのメンバーもちらほら見受けられ、「久しぶり!」と声を掛け合います。

 

合唱指導は3人の先生が持ち回りで担当されました。その中でも、わざわざ岩手から度々出張指導していただいた佐々木正利先生は、欧州の名門オケのコンサートにもたくさん出演された有名な方です。

 

特に本場仕込みのドイツ語の発音指導はとても厳しく、再三ダメ出しをもらいました。

 

例えば、有名な歌詞

Und der Cherub steht vor Gott!

の箇所は、普通なら

ウント デル ケールプ シュティート フォル ゴット

と発音してしまいますが、

ウォント ディル キールプ シュティート フォル ゴォット

が正しいそうです。

 

ちなみに楽譜は、オリジナルに忠実なBärenreiter(ベーレンライター)版を使いました。

 

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11月からは、オケ指揮者による合唱指導が始まりました。

 

今回の指揮は川瀬賢太郎さん。若干38歳の若手指揮者ですが、今年4月には名古屋フィルの音楽監督に就任した実力派です。

 

彼の指導は(自分より年上の奏者が多い各地のオケを指揮しているだけあって)決して物おじすることなく、自分がどう楽曲を解釈しているかから始まって、時にユーモアを交えて、感情表現を中心に、しつこく丁寧な曲作りが行われました。

 

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12月23日土曜日の午後、ソリストの皆さんも参加して、オケ合わせがありました。オケの練習がかなり押して、コーラスの入る第四楽章が始まったのは、予定より1時間以上もずれてしまいましたが。

 

今回合唱団が雛壇で座るのは椅子ではなく、細長いベンチシートでした。下手から、ソプラノ・テノール・バリトン・アルトと並ぶ配置です。入場退場の段取りも合わせて行いました。

(写真はリハーサルの様子。センターのHPからお借りしました)

 

川瀬マエストロの指揮はかなりダイナミックで、元気はつらつ、とても分かりやすい。(コーラスを含めた)各パートの出だしを指先できっちり指示をしてくれます。エネルギッシュでキレッキレな指揮も、若いから最後まで持つんでしょうね。

 

オケ合わせの後は、合唱団だけでダメ出しをされた部分を復習して、翌日の本番に備えました。

 

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12月24日日曜日の朝11:30、会場となる豊中市立文化芸術センターの控室に集合。発声練習をして、12:40過ぎからゲネプロ(最終リハ)が始まりました。ほとんど返すこともなくサクッと終了。

 

1時間ほどの昼食休憩を挟み、14:50に上手下手に分かれて、ステージ袖にスタンバイ。

 

15:00 定刻に開演しました。「第九」のコンサートでは、第二楽章が終わってからソリストと合唱団が入場することが多いですが、今回は演奏前からの入場です。

(写真は当日のパンフレット表紙)

 

チケットの売り上げがあまり良くないと聞いていましたが、ステージから見ると、客席の入りは1階席が8割ほど、2階席が半分ほど埋まっていて、極端に空席が目立つという感じはなく一安心。クリスマスイブにも関わらず聴きに来てくれた、ラン友さんたちの姿も確認できました。

 

演奏が始まりました。センチュリー響の音を間近で聴くのは久しぶりです。「1万人の第九」で聴き慣れた芸文センターのオケよりは上手い感じがしました。

 

第一楽章、第二楽章と進み、私の好きな第三楽章が始まりました。昔は退屈であまり好きでなかった第三楽章が、最近は心地よく聴けるようになったのは、年を重ねたせいでしょうか?

 

そして、第四楽章がスタートし、バリトンソロが始まるタイミングで合唱団が立ち上がります。バリトンのソリストは小玉晃先生。過去に「1万人の第九」の練習でも指導してもらったことがある、馴染みのある方です。

 

声量があり、ドイツ語の発音もきれいで聞き応えがあります。(リハの後で、合唱指導の佐々木先生が「彼のドイツ語の発音は完璧なので、ぜひ真似してください」とベタ褒めでした)

 

そして合唱団の演奏はといえばー

 

リハでダメ出しをされた箇所もなんとかこなして良かったと思います。ピッチが下がり気味だったソプラノもあまり下がることもなく、声量がイマイチだったアルトも頑張っていました。ところどころ走っていたテノールもオケとあまりずれなくて、バリトンもガナることなくこなしていたと思います。

 

(客席からは見えませんが)川瀬マエストロは、合唱団に表現を思い出させるかのように顔と手振りで指示をしてくれたので、(ああ、ここはそうだった)と思いながら歌うことができました。

 

(演奏中の写真は、大人の事情で公開されていません)

 

そして、ジャジャジャジャジャン!とフィナーレ。たくさんの拍手をもらいました。カーテンコールが行われ、合唱指導の先生方もステージへ。

 

一息ついたところで、クリスマスイブということで、来場者と一緒に「きよしこの夜」を歌います。ステージからは見えなかったのですが、壁や天井にいろいろ映し出されていたようですね。

(写真は舞台がはけた後に、客席にいたヨメが撮ったもの)

 

16:30頃に終了し、合唱団はそのまま控室に集合して解散式を行いました。ソリストの小玉先生も駆けつけてくれて、「歌詞を大切にした演奏でした」という言葉をいただきました。合唱指導の先生方からも、「みんな本番に強いね!(笑)4年前の演奏よりレベルが上がった」とお褒めの言葉をもらえました。

 

また2年後に同じように行われるかは分かりませんが、もし開催されるようなら参加してみようと思います。

 

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おまけ

終演後の指揮者とソリストの集合写真

(文芸センターのHPより)

真ん中に川瀬マエストロを挟んで、右端がバリトンソロの小玉晃さん。左端がソプラノソロの石橋栄実(えみ)さん。小柄な体から可愛らしくも芯のある声が出るので、私のお気に入りのソリストのひとりです。