「みのお森の学校」も残りあと4ヶ月となった3月の講座は、人工林の整備を学びます。
3月19日 日曜日
集合場所はいつもの箕面駅前ではなくて、箕面市東部の粟生外院(「あおげいん」と読みます←絶対読めませんね)にある真新しい自治会館「聚楽館」でした。
箕面駅からバスで行くこともできますが、駅からの距離は約3.5kmしかなかったので、走って行くことにしました(ランナーあるある 笑)。この日は暖かかったので、半袖短パンでも汗まみれで現地に到着。周りにびっくりされました。
🍀 🍀 🍀 🍀 🍀 🍀 🍀 🍀 🍀
10:15に始まった講義は、「山林整備の基礎知識」というテーマで、「箕面の森きこり隊」の成瀬さんが講師を務めます。
講義の内容をざっとまとめるとー
・日本の森林面積は国土の約66%で、そのうち人工林の割合は41%。人工林の半分以上がスギやヒノキで、植樹されてから50年以上経つのに整備されない放置林が拡大している。
・箕面市は50%が森林で、その内の8割が民有林であり、所有者は約370人となっている。
・放置林が拡大した理由は、燃料革命や化学肥料の拡大、木材価格の下落などが挙げられる。
・1ha(100mX100m)に2,500本の植樹からはじまり、成長するにつれて、1/4の600本ほどまで間引きする必要があるが、手入れされないために細い木が密集した樹林になっている。
といった現状を踏まえて、森林整備作業の手順や注意事項を聞いた後、午後からは整備許可をもらっている私有地に入り、ヒノキの間伐に挑戦です。
場所はこの辺りです。
現地で昼食を摂った後、A・B2班に分かれて、それぞれ「きこり隊」の隊員(全員がボランティアです)3人ほどのサポートを受けながら作業開始しました。
全員がヘルメットを被り、ノコギリや剪定ハサミを身につけてから、軽く準備体操。
最初にどの木を伐倒するか決めますが、あらかじめ「木こり隊」のメンバーが現地に行って、切るべき木に目印を付けてくれていました。
このエリアも植樹はしたものの、その後の手入れがなされてなくて、10年前後の細いヒノキが林立しています。
最初に、どの方向に倒すか決めます。木の傾きや重心の方向、枝の付き方、周りの木の状況などを見て、他の木にかからない安全な方向を決めます。
作業をする人以外は、木を倒す方向の反対側で3m以上離れて避難。
木を倒す方向をコントロールするために、ロープをかけて滑車を取り付けて、引く方向を決めます。
一気に木を切断するのではなくて
①まず「受け口」を作ります。
木の直径の1/3〜1/4の深さに下切りし、30°〜40°の角度に斜め切り。
②次に「追い口」を作ります。
受け口の高さの下から2/3あたりで水準器を使って水平に切り込みます。この時、木の直径の1/10程度の「ツル」を残します。これが蝶番の役割を果たします。
③作業を開始する時には、大声や笛などで周りに知らせます。
④追い口を切り込んだ後に、ロープを引いて倒します。
倒木は枝払いをした後、扱いやすい長さに「玉切り」し、斜面に直角に並べておきます。
この作業を繰り返し、この日は1時間半ほどの間に、4本の木を伐採しました。
作業の間に繰り返し言われたのが、声出しなどによる安全確認。大きな事故になりかねない作業なので、細心の注意が必要です。
最後に1人ずつ感想を述べ合って、作業の総括をしました。
森林の所有者が高齢などで整備ができなくて、きこり隊のようにボランティア団体に整備を委託するのが多くなっているそうです。久しぶりの整備作業の翌日は、筋肉痛でした。