京都モダン建築祭 | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

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普段は一般公開されない、京都市内にある近代建築の内部がまとめて特別公開されると知ったのは、イベント開催の1日前でした。イベントの開催期間は11月11日から13日までのたった3日間。週末は混み合うと思って、平日の11日に行ってみました。

 

 

京都モダン建築祭で公開される建物は全部で36ヶ所。エリアも北は今出川通、西は堀川通、南は五条通、東は白河通と、それほど広くないので、「これなら走って回れるやん!」とランナーの悪い習性が出てしまいました。

 

9:30 過ぎ、阪急京都河原町駅で降りて、予めWEBで買っておいたパスポートを発券してもらうために、御池通にある京都市役所までひとっ走り。

 

京都市役所庁舎も特別公開されていましたが、こういう時の常で遠いところから回ってみようということで、まずは寺町通を北上して、今出川通を西へ進み、堀川通を過ぎた先にあるのが

 

京都市考古資料館(地図1)

元は大正3年に「西陣織物館」として建てられたものですが、近年になって考古資料館として活用されています。

 

今回特別公開されるのは2階にある「旧貴賓室」です。ガラス窓や壁紙、シャンデリアなど当時を偲ばせるものが残っています。暖炉もありますが、煙突がないので(!)ガス管を通しているのが、ちょっと残念。

 

烏丸通まで戻り、太田喜二郎家住宅見アトリエ(地図2)

これも大正時代の建物ですが、現在も住われているので、特別ツアーしか内部を見ることができないため、外観だけさっと見学。

(ここ以外にも、特別ツアーでしかみられない建物が数ヶ所ありますが、どのツアーもすでに予約終了していました)

 

すぐ近くにある、同志社大学の今出川キャンパス(地図3)

こちらも、学生ガイドによる限定ツアーのみなので、校門から覗いてみるだけにしました。写真は彰栄館(重文)です。

 

そのまま烏丸通を下って、一条通にある、京都府庁旧本館。明治時代に建てられた重文です。

 

公開されているのは、旧議場。

 

細かいところも、いろいろ凝った内装になっていますね。

 

そして、旧知事室。

 

窓から見える中庭や

 

階段も歴史を感じさせます。

 

さらに下って

明治時代初期に創立した名門平安女学院大学(地図4)の中にある、普段は一般非公開の建物をいくつか。まずは明治館。その名前の通り明治時代に建てられた煉瓦造りで、震災で損壊したものの近年改修されたそうです。

 

外観もですが、内装もシンプルながら歴史を感じます。

 

内装にもレンガが残っているのがすごい。

 

もう一つの室町館は、国際観光学部として使われていて、平日でもあり授業中だったので、1階のホールのみの公開でした。

 

女学院の礼拝堂でもある聖アグネス教会(地図6)も特別公開されていました。

 

こじんまりした建物ですが、京都市内では最古のゴシック様式の教会だそうです。

 

ステンドグラスも綺麗ですね。

 

さらに南に下りて、大丸ヴィラ(地図7)

昭和7年に当時の大丸の社長宅として建てられました。ぱっと見でわかるように、有名なヴォーリズ建築の流れをくむ建物ですね。こちらも内部は事前申し込みのツアーのみだったので、外観だけです。

 

さらに南へ、御池通の近くにある、京都国際マンガミュージアム(地図8)。元は昭和初期に建てられた龍池小学校の校舎を再利用したものです。

 

ここも校長室が特別公開だったのですが、ミュージアムの入館料が別に必要でした。ミュージアムは以前に入ったことがあるので、今回はパスしました。

 

御池通近くにある、 Ace Hotel Kyoto(地図10)。大正時代に建てられた旧京都中央電話局の建物を改装したものですが、一部は「新風館」として京都の若者の新名所になっていますね。ホテル自体は宿泊者しか内部はみられないとのこと。

 

三条通も明治時代の建物が残っています。こちらはみずほ銀行京都中央支店(旧第一銀行京都支店)。

 

今は中京郵便局になっている、旧京都郵便電信局(地図10)の建物。

 

六角通まで下りてくると、蔦の葉が美しい革島医院(地図11)の建物があります。今は病院としては使われていませんが、京都の洋風建築の先駆的な建物。フランス瓦や円筒形塔屋が特徴です。

 

ここも特別公開対象だったのですが、あまりにも見学者が多かったため整理券方式に変更したため、この日の受付は終了してしまったそうです。残念。

 

気を取り直して西へ進むと、八竹庵(旧川崎家住宅)(地図14)

 

大正時代の日本家屋ですが、有料だったため、玄関からちらっと見るだけにしました。

 

六角通にある、旧寺江家住宅

 

こちらも昭和初期の建物。土間におくどがあるのがいかにもという感じ。

 

室町通にある、京都芸術センター(地図17)こちらも元はと言えば明倫小学校の建物です。

 

二宮金次郎像が残っていました。

 

校舎だった中も歴史があります。

 

その近くにあるのが、膳處漢(ぜぜかん)ぽっちり、という中華レストラン。(写真)元は富永商店という呉服屋さんだった建物を改装したもの。ここも外観だけ。

 

高辻通まで下りてくると、元成徳中学校(地図18)があります。

 

昭和初期に建てられて平成に閉校になり、今は文化施設として使われているようですが、階段や廊下に当時の面影が。

 

気がついたら時刻は13時過ぎ。お腹も空いて来たので偶然見つけた京うどんの店「こむぎ」へ。

 

鴨焼き葱うどんを注文。出汁が上品で美味しかった!

 

お腹も落ち着いたところで、五条通りまで下りて来ました。

 

任天堂旧本社社屋(地図19)。以前にフォトロゲイベントで来たことがあるので、建物はすぐにわかりました。今は丸福楼というホテルに生まれ変わっていますが、外装は昭和初期当時のままです。ここも内部は特別ツアーのみでした。

 

そのまま鴨川に沿って北へ進みます。

 

大傳梅梅(だいでんめいめい 地図20)という中華レストラン。元は北村傳兵衛という実業家の邸宅です。

 

四条通りまで上がると、大橋の袂には有名な東華菜館(地図21)があります。これも大正時代に建てられたヴォーリズ建築です。

 

平日でも人通りの多い四条通から先斗町に入ります。

 

北の端にあるのが、先斗町歌舞練場(地図22)です。こちらも中を見学できるのは、事前予約の特別ツアーのみでした。

 

その少し北にあるのが、カトリック河原町教会(地図)。一階にある大聖堂。反り上がった屋根が特徴的です。

 

ステンドグラスも綺麗ですね。

 

地下にある小聖堂。

 

建物の周りは工事中だったので、フェンスの隙間から外観をパチリ。教会でありながら、神社の雰囲気が感じられます。

 

14:30過ぎ、ようやく京都市役所本庁舎(地図24)まで戻って来ました。昭和初期の建物が今も耐震工事を重ねながら使われています。

 

正面のエントランスを入ると

 

鮮やかなステンドグラスが目に入ります。

 

市会議場に入ることもできました。

 

壁や天井、照明などに様々な様式が取り入れられていて、建設当時のこだわりが感じられますね。

 

来賓などの歓送迎行事に使われたという「正庁の間」。

 

屋上に上がると庭園が広がり、見晴らしが良いですね。

 

エレベーターの扉は漆塗り。

 

エレベーターホールには市章である御所車をモチーフにして、京都の四季の風物詩が表現されています。

 

市役所を出て、すぐ北にあるフォーチュンガーデン京都。島津製作所の旧本社だった建物ですが、今はレストランやイベントスペースで使われているとか。しかし、人気なのか玄関前には50人以上の入場待ちの人が並んでいたので、中には入らずじまい。

 

二条通りにある、京都御幸町教会(地図26)に行ってみました。

 

これも大正時代のヴォーリズ建物ですが、こじんまりとした落ち着いた雰囲気の協会でした。

 

その近くにある、京都ハリストス正教会(地図27)。

 

こちらも内部は特別ツアーのみだったので、出口からちょっと覗くだけにしました。

 

市役所のすぐ西にあるのが、加納洋装店。こちらもこの日は非公開だったので外観だけ。

 

ショーウィンドウにも歴史が感じられますね。

 

時刻はすでに15:30を回っていました。翌日もトレランイベントを控えていたので、この日はここで終了。

 

京セラ美術館や府立図書館のある、東山エリアの10ヶ所は回り切れませんでしたが、半日で26ヶ所も見ることができたので良しとしましょう。気がついたら25kmも走っていました。どおりで疲れたはずです💦。