今の時代、人は漫画やドラマに共感できない | 好きなことだけで生きられる

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今の時代、人は漫画やドラマに共感できない

小学生の頃から“メモ魔”でした(笑)。今はアプリで気になった記事を管理したり、この感情のときはこうだったと気持ちの整理をするメモ書きをしたりと、記録することで定着させます。するとシナプスが働いて、セリフが浮かんでくるんです。

西園寺さんは最初、「高層マンションに住んでいるバリキャリの元に、年下エンジニアが転がり込んでくる」という設定でした。取材を重ねる過程で、それを西園寺さんと同世代の方に話したら反応がイマイチで(苦笑)。

特にドラマウォッチャーの方たちから「“火ドラ”特有のイケメンが転がり込んでくる話かなって思っていたけど、そうじゃなかった。レベルが高い」という意見をいただけて。私自身がドラマ好きだからこそ、「でしょ?」って

西園寺さんや楠見俊直はこれまで私が描いたことのないキャラクター。今までの主人公だったら、「好きだから助けたい」とエモーショナルな理由で行動していたことを、今回はやめようと思って。コンセンサスを得たあとに感情がくる面倒臭い人たちなんです。話がなかなか進まないし、「いいじゃん、好きならいきなよ!」と、描きながら何度思ったことか(笑)。でもそれに耐えて頑張ったが故に、面白いキャラクターになったなと自負しております。

ポスター撮影の際、現場にお邪魔させていただいたのですが、ルカ(倉田瑛茉)を含め3人とも漫画から飛び出してきたみたいにソックリで驚きました。それはドラマからも伝わってきていて、3人の距離感が素敵です。ルカにどう接していいかわからない不器用な西園寺さんの姿は、この枠を観る独身の女性にも受け入れてもらえる、まさに漫画の狙い通りです。

若菜さんからは、最終回が掲載された雑誌発売の翌日に感想をいただきまして。私が「これは降りてきた」と思ったセリフを指し、「この言葉をお守りに3か月間頑張ろうと思います」と言っていただきました。良いセリフが書けたときは、読者に届くなというのがわかるんです。久しぶりにそういった感覚に出会うことができました。

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