
撮影当時「ロトスコープ」がピンと来ていなかったと明かした青木は、撮影時に黄色いTシャツにパンツとラフな格好で、猫耳をつけていたあんずちゃん役の森山未來の姿を見て、ふざけた格好で芝居をしているのかと思ったそう。しかし実は、アニメに落とし込む上で、大切な格好だったと説明を受けたそうで、「全然知らなくて。あいつ、相変わらずふざけているなと思っていて」とニヤリ。続けて「汗だくになって一生懸命やっていたことを後で知りました」と明かす場面も。
●軽いノリでやりたいと言った。
構想8年。実際に動き始めたのはフランスのスタジオから声がかかった時からだった。久野監督は「軽いノリでやりたいと言ったものが、こんなことになって。うれしいやら、緊張するやらで(笑)」と話し、最初の3年は山下監督とやりたいことを自由に楽しく話していたとも明かしていた。
●「すごく贅沢な時間をもらった気分」。
●通常なら5稿くらいでもう決めようよってなるけどね。これがなかなか決まらない。みんなしつこい。気がついたら8年も経ってた。普通は途中で諦めます
●軽いノリで始めたと言う久野遥子監督、その割には8年をかけ脚本だけでも粘りに粘って17稿、あえて手間のかかるロトスコープを採用(実際の俳優に演技をさせたものをもとにアニメに落とし込む)。この作業だけみても尋常じゃない手間暇をかけているのがわかる。言っちゃ悪いが原作だって1部のマニアには人気があるが決して万人受けしている作家ではないいましろたかしだ(私は大大大ファンですが)。これはもうある意味令和の事件だし、驚くべき奇跡であると原作者であるいましろたかしは感じておられると思うのだが。もちろん嬉しい方の驚きだ。映画化は実際大変だったと思う。だがそれだけではないものを作品作りから制作者たちが受け取ったであろうことがインタビューのコメントのはしばしから伝わってくる。化け猫あんずに化かされるているのかもしれないが。でも。それが。1ファンとしてはなにより嬉しい。
