『ありふれた教室』は徹底的に地味、でもあり得ないほどの完成度だ
『ありふれた教室』は最後まで目が離せない
映画あらすじ
ある中学校で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと進み、校内の秩序が崩壊していく様を、新任教師の目を通して描いたサスペンススリラー。
仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を得ていく。
ある時、校内で盗難事件が相次ぎ、カーラの教え子が犯人として疑われる。
校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自に犯人捜しを開始。
ひそかに職員室の様子を撮影した映像に、ある人物が盗みを働く瞬間が収められていた。
しかし、盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応は、やがて保護者の批判や生徒の反発、同僚教師との対立といった事態を招いてしまう。
後戻りのできないカーラは、次第に孤立無援の窮地に追い込まれていく。
(映画.comから引用)
物語の始まりのエピソードは、教室や職員室で起きた小銭の窃盗事件。誰が犯人なのか。生徒を疑う教師。守ろうとする教師。でも教師たちには事件化する意図はない。内輪で済ませるつもりだった。それが予想もつかない方向へ展開する。
自分は何を間違えたのか。どうすべきだったのか。今から修復はできないのか。あなたはカーラと一緒に思い惑う。悩む。でも事態は変わらない。いやもっと悪くなる。
最後まで目を離せない。音楽の使い方、言葉の一つ一つ、教室と職員室を行き来するカメラワーク、子供たちのちょっとしたしぐさ、映画を構成する全ての要素が、あり得ないほどの完成度に達している。ぎっしりと凝縮された99分だ。
「私的映画論」
森達也 より引用
最後まで目を離せない。
あり得ないほどの完成度に達している。
こんなことを書かれたら気になってしょうがない。