●澤田:読みますね。ソデが取れるまで読んだりします。たとえば宮部みゆきさんの『龍は眠る』や『魔術はささやく』はソデが取れています。たぶん、そこまで繰り返し読むようになったのは新井素子さんの『グリーン・レクイエム』が最初だと思います。中2の頃にすごくはまって、ずっと鞄に入れていたので、ボロボロになりました。何年か後に続編が刊行されていると知って手に入れた時は、スキップするようにして家に帰りました。
●作家の読書道 第262回: 澤田瞳子さん
2010年に奈良時代が舞台の『孤鷹(こよう)の天』で小説家デビュー、以来さまざまな時代、さまざまな切り口の時代・歴史小説を発表、明治から大正を舞台にした『星落ちて、なお』で2021年に直木賞を受賞した澤田瞳子さん。実は幼い頃から大変な読書家で、授業中にも本を読んで叱られていたのだとか。膨大な読書遍歴の一部と、歴史ものに興味を持ったきっかけや、プロデビューの経緯などおうかがいしました。
●自分にとって本当に好きなものは何度も何度も繰り返し味わえるものなんだ。