●親しくしている友人で、アーティスト集団「チームラボ」の代表を務めている猪子寿之という人物がいます。
彼は、「年に何回かパソコンをなくす」ということを、ツイッター(現X)で公言していました。
単なるおっちょこちょいといえなくもないですが、そんなボーッとしている時間こそが、彼にとって脳のなかの種への水まきの時間になっているのではないかと思うのです。
やはり脳を休ませるのも曜日に関係なく、四六時中行うべきなのです。
たとえば、1時間ほど集中して働いたとすれば、その後の1時間集中するために、10分の振り返りタイムを設けてみる。
あるいは、仕事の合間に、トイレに行く時間を使ってボーッとしてみる。
そういった、ちょっとした隙間時間に「ボーッと何もせずに余裕を持つ」ということが、脳を休ませる上での重要なファクターになってくるのです。
ひらめきに必要なのは集中とリラックス
ひらめきに必要なのは、「集中とリラックス」のバランスです。
たとえば、何時間も何時間も考えぬいた末に疲れ果て、お風呂に浸かった瞬間「ひらめいた!」という経験をした人もいるかもしれません。
これがまさに「ただただ、ボーッと過ごす」ということの効果です。
私たちの脳には「何もしない」、あるいは「先延ばし」の時間が必要なのです。すなわち、時々脳を自由にして、日々の出来事を処理する時間をつくってあげることが大事だということです。
「ただただ、ボーッとした時間を過ごす」
こんなことを聞くと、「やる気がない」「時間がもったいない」などと考えてしまうビジネスパーソンが多いようです。
ところが、最新の脳科学では「ぼんやりと過ごす」ことの重要性が浮かび上がってきています。