お金に関する人間関係は、関係性の頻度、相互性、強さ、親密さなどからストロングタイ(強い結びつき)とウィークタイ(弱い結びつき)に分類することができます。
不況を乗り切って経済が成長したり、新しいお金を生み出すためのイノベーションを起こすためには、家族や親友、あるいは同じ職場の同僚のような強いストロングタイよりも、ちょっとした知り合いであったり、「知人の知人」のような弱いウィークタイのほうが重要なのです。
ウィークタイ理論においては、自分とは異なる文化や業界に属している人たちと、いかに薄く広くつながっていられるかということが、実はその人のポテンシャルになるといわれています。
多くの仕事が、ウィークタイの結びつきから生まれるものです。
社会的に強いコミュニティや同じようなゾーンにいると、そこの中で脳が満足してしまいがちです。これが「安定」と呼ばれているものです。
ところが、ちょっと離れた人であったり、まったく違う分野の人と仕事をすることで脳は「ワクワク感」を演出し、その結果として、新しいお金を生み出したりイノベーションを起こすことができるようになるのです。
■「知人の知人」のような弱い関係がイノベーションを起こす
脳科学者
茂木 健一郎