
映画「いますぐ抱きしめたい」(1988)を観ました。
公開日: 1991年3月29日 (日本)
監督: ウォン・カーウァイ
ネット記事より
弟分に振り回されて従兄妹との恋愛もままならない「兄貴はつらいよ」とも呼ぶべき作品です。
病気の治療のために一時的に身を寄せた従兄妹マギーと出かけようと準備しているところに殴られたその身体でアンディのもとに転がり込んできたり、何かといざこざを起こす困った弟分のおかげで殴られてひどい状態にもなります。
恋を取るか弟分を取るかといえば迷わず弟分のもとに駆けつけるアンディ兄貴です。
はじめは寝ているそばで電話で起こされるシーンから始まります。
おばさんから従兄妹が病院に通うために泊めてくれと頼まれます。
従兄妹は女性のマギーでした。
アンディが寝ているので変わりに弟分のジャッキーからの電話を取ったりします。
アンディがジャッキーに呼ばれていくと借金の回収でお金を出し渋る男と話す弟分ジャッキーがいました。
いきなりビール瓶を割って男を脅してジャッキーの変わりに借金の回収を無事に済ませます。
その後でつきあっている彼女のメイベルを訪ねるアンディ。
メイベルは彼の子供をおろしたと告げてきます。
6年間つきあってもあなたがわからないと言われてけんかしてわかれます。
帰ってきて荒れるアンディ。
物に当たります。
心配してマギーが失恋したのかと尋ねると図星だったのが面白くなく今度そんなことを言ったら追い出すと切れるアンディ。
次の日、マギーが作った朝食を食べながら映画にでも行こうと外に誘い出すアンディ。
そこにギャンブルで揉めてボコボコにされた弟分ジャッキーが飛び込んできます。
ジャッキーの傷を手当して、弟分のかたきを取るために出かけるアンディ。
勢いよく相手をけちらします。
血だらけで帰宅するアンディ。
心配するマギー。
次の朝、置き手紙を残して帰るマギー。
ジャッキーの弟分サイの結婚式を屋上で家族や仲間と行う。
サイの妻の両親はこんな場所で披露宴が行われることが面白くない。
トニーに借りた借金を返さないとジャッキーを殺すと伝言を聞くアンディ。
ジャッキーに確認するして取りあえず元金だけトニーに返すアンディ。
トニーが納得しないので店の社長を脅して社長から借りて返金する。
メイベルに会うアンディ。
メイベル結婚したらしくお腹には子供がいる。
店のミュージックボックスで音楽をかける。
曲に乗ってバスでマギーの元に行くアンディ。
ようやく会えたらマギーには医者の彼氏がいた。
それでも電話ボックスでマギーとくちづけ。
一夜を過ごす。
翌朝、マギーの仕事を手伝うアンディ。
ジャッキーがトニーにつかまっていると連絡がある。
ジャッキーを救いにトニーの元に駆けつける。
ボスを目の前にするが仲直りできずに暴れてジャッキーと逃げるアンディ。
隠れていたがジャッキーと飯を食いに出たところ、トニーたちに捕まり二人共痛めつけられる。
ジャッキーは姿をくらまし、アンディはマギーの元に帰る。
再びアンディの元にジャッキーの弟分サイから連絡がある。
ジャッキーが警察につかまった男の口封じのための殺しの仕事を請け負ったと聞かされる。
再びマギーと別れてジャッキーの元に駆けつける。
ジャッキーの実家近くで待ち伏せするアンディ。
ようやくジャッキーを見つける。
なんとか説得して殺しを止めさせる。
かと思ったがすきを見て逃げるジャッキー。
警察がその男を移動させる途中にジャッキーが飛び出す。
男にピストルを向けて何発か弾を撃つジャッキー。
だが自分も警察に撃たれてしまう。
そこに駆けつけるアンディ。
ジャッキーがしくじった男をかわりに撃ち殺す。
だが自分も警察に撃たれて倒れ込む。
一瞬マギーと抱き合う自分の姿が頭をよぎる。
以上なんとも切ない幕切れで映画は終わります。
出来の悪い子供を持つと親は苦労するといいますが、
出来の悪い弟分を持つと親分は苦労する話でした。
まさに恋愛もままならない状態です。
監督はままならない任侠と恋の世界を描きたかったのかもしれません。
時にスローモーションを使った叙情的な映像はのちのウォン・カーウァイ監督の持ち味が早くも登場します。