
映画「ザ・ホワイトタイガー」を観ました。
町山智浩の新書「それでも映画は格差を描く」の中で
映画13作品について触れられています。
その中のひとつに
この作品がありました。
まだ、観ていなかったので
観ることにしました。
作品紹介
インドの貧困層に生まれた青年が理不尽な現実に翻弄されながらも成り上がっていく姿を、ユーモアを交えながらシニカルに描いた社会派ドラマ。
Netflixで2021年1月22日から配信。
映画.comより抜粋
バルラム・ハルワイはインドのラックスマンガーにある小さな村で育ち、幼いころに父親を亡くした。ほかの人々と同じく彼の家族も貧困家庭だった。
バルラム・ハルワイの住む町には意地の悪い地主の一家がいた。長男のマングースは極悪人の顔をし、人々からも恐れられていた。
一方でアショクはアメリカで教育を受けたせいもあって垢ぬけていて考えもオープンだった。そんなアショクにバルラム・ハルワイは憧れを抱き、アショクが運転手を募集していることを知ると、さっそく運転を覚えて、自分を売り込むことに。
運よくアショクに気に入られたバルラム・ハルワイは見事、専属運転手の仕事を得ると、なんとか貧困から這い上がろうと、アショクに忠実に仕えようとするが、人の良さが災いし、やがてとんでもない事件に巻き込まれていく。
「映画男のただ文句が言いたくて」 より抜粋
貧困層に生まれた青年が
いかにして成り上がったかが
最後までわからずに
ずっと引き込まれます。
裕福な一家の運転手の仕事を得て
父親や長男から
叩かれても
必死に仕える彼が
特に懐いていたアメリカ帰りの
次男とその妻は彼の存在を認めてくれました。
ただ
その信頼も
中盤に起こるある出来事で
無惨に砕け散ります。
次男やその妻の信頼が
偽物だとわかると
彼の次男に対する気持ちに
変化が起こります。
主人である次男の車を使い
小遣い稼ぎをしたり
次男を騙して
私腹を肥やし始めました。
ラスト、
決定的な行動を取り
彼は大金を
手にすることになります。
そのお金で
タクシー会社を経営することができるようになります。
格差社会が生んだ悲劇では
ありますが、
正直、
その行為を受け入れられるかどうかが
この作品の
評価の決め手になると思われます。
作品を
観終わった後は、
あれはどうかなと
ずっと思っていました。
人として
やってはいけないだろうと。
少したって
冷静になれば
格差社会が続く限り
加害者にも
あるいは
被害者にも
誰の身にも
十分起こりうることであると
思えてきました。
踊らない、
歌わないインド映画、
侮れません。
前作の