なくなったのが、
未練や
後悔なら
どんなによかったこと
でしょう。
その日
なくなっていたのは。
駅から歩いて数分。
いつものように自転車を停めてある場所を見ると。
ありません。
近くを探してみました。
おかしいな。
確かにここに停めたはずなのに。
もう一度、辺りを探してみましたが、見つかりません。
そんなにバカな。
頭の中で、朝の記憶をたどってみてもここに停めたのは確かです。
いくら探しても見当たらないので、仕方なく、
自宅まで20分近くかけて、
歩きました。
なくなってから、
大切な価値に気づくと
いいますが、
このときほど
自転車のありがたみを感じたことは
ありませんでした。
吹き出るひたいの汗を
タオルで拭きながら
家路へと急ぐのであります。
何かバチが当たるようなこと
しなかったかな
いろんな事が
頭の中を
駆けめぐりました。
この頃、
感謝することが
足りなかったかも
しれない。
そうです。
その日は、
寝る前に
ことさら
こうして無事に
涼しい部屋で
休めることを
感謝しました。
ああ、
明日の朝も
駅まで歩きか。
おっといけない、
あやうく、不平不満が出るところでした。
こんな時こそ、
感謝、感謝。
感謝、感激、
雨、あられ
です。