『殺人の追憶』は、2003年に公開された韓国のサスペンス映画。 軍事政権下で比較的治安のよかった1980年代後半に発生し、10人の犠牲者を出した華城連続殺人事件を巡る刑事たちを描いている。
ウィキペディアより
映画は、2004年の3月27日日本公開初日に渋谷の映画館で観てその豊かなでスリリングな表現にとても驚かされました。
犯人が捕まらないことがわかっていて、ここまで興味深く見せてくれたことにさすがだなと思わされました。
「こんな映画を作る監督はただ者ではない」ポン・ジュノの名前を心に深く刻み込んだ瞬間でした。
今回、映画のDVDについていたもう1枚のDVDには、監督をはじめ、出演者はもちろんスタッフの方々のインタビューを集めたものが収められていました。
さすがに、15年以上も前の作品だけあって、ポン・ジュノ監督が若かったです。
アカデミー作品賞他を取った最近の姿を見慣れていたので。
映画は130分あまりですが、特典DVDは全部で208分、どうりで見ていてなかなか終わらないなと思いました。
ある意味、もうひとつの「殺人の追憶」ロングバージョン(役者、スタッフ編)でありました。
ポン・ジュノ監督はスタッフに慕われ尊敬されているのがよくわかりました。
犯人ではないかと疑われる1人目の役者からは演技のプランを聞きながら決めて行ったそうです。
そもそも、田舎の刑事役をソン・ガンホが引き受けてくれなければこの映画がどうなっていたかわからないと語っていました。
役者への演技指導も口で伝えるのがもどかしいと監督自ら演じて見せてあげたりしていました。
ソン・ガンホがカラオケで歌うシーンも監督自ら楽しそうに演じていました。
役者からしてみれば下手な演技をみせられて申し訳ないがと謙遜しながら演じるそうです。
スタッフみんなが一丸となってこの映画に情熱を捧げて作っていたのが自然と伝わってきました。
あるメイクアップのチーフスタッフは、監督がこの映画がヒットしなかったらスタッフみんなが報われないねと言っていたが、ヒットしなくてもきっと同じようにやったでしょうと言っていました。
この現場にかかわれて充実感を感じておられたのがよくわかります。
映画以上にその裏話は、映画を観ただけではわからないので興味深く聞けました。
ロケ地も、バラバラでワンカット撮ったら、すぐに移動したりして、むしろ移動時間の方が撮影時間よりも長かったそうです。
当然監督より年上の撮影監督は、年上のスタッフに囲まれている現場でのポン・ジュノ監督をまだ若いけどみんなをまとめる力があると評価していました。
監督や役者さんたちはもちろんですが、
陰になり支えてくれたスタッフの方々の力があっての映画なのだと一人ひとりの話が伝えてくれました。
舞台挨拶で監督が真心を込めて映画を撮ったので悔いはありませんと話していました。
きっと、スタッフ一人ひとりの気持ちも一緒だったのではないかと思います。
世に様々なチームがありますが、持てる力を発揮できるか否かはチームのリーダーに寄るところが少なくないと思います。
チームを引っ張りまとめるリーダーがどうあるべきかこそが、スタッフのモチベーションを上げその力を引き出してあげるかに関わってくると思います。
改めてリーダーの大切さを教えてもらいました。