
2013年の作品です。
以下「韓流☆ダイアリー」ブログより

上の写真から 主役のソ・イングク(左から3人目)と
チョン・ウンジ(左から4人目)
まだ見ていない人へ! 傑作ドラマ『応答せよ1997』を大推薦!
3部作がそれぞれに人気を集めた「応答せよ」シリーズ。
その第1作が『応答せよ1997』でした。
物語は全16話ですが、とにかく面白い。笑えるし、泣けるし、
初恋のドキドキ感もあります。物語の展開が見事で、
『冬のソナタ』以来の傑作と言っても過言ではありません。
■登場人物に多様性がある
『応答せよ1997』は、釜山(プサン)の高校に通う6人の同級生たちの
1997年当時を中心的に描いています。その一方で、この高校の同窓会が
2012年にソウルで開かれます。そして、1997年と2012年という2つの
時代が同時進行のような形で展開されていきます。高校生たちは15年後に
どう変わったのか、ということが興味深く対比されていくのです。
特に、初恋の行方が気になります。意味深なのは、2012年の同窓会の中で
『今日、1組のカップルが結婚を発表する』みたいなことが説明されるのです。
いろんなカップルがいるわけで、果たして誰が結婚に至るのか。
そんな興味もあります。
韓国ドラマは、荒唐無稽なストーリーが面白さの秘訣ではありますが、
『応答せよ1997』はどこにでも起こりうる身近な出来事が描かれていて、
荒唐無稽なところはありません。でも、登場人物に多様性があって、
出てくるキャラクターに引き込まれます。
物語の舞台は釜山です。
日本から見ると、釜山がどんな都市かわからない方も多いと思います。
釜山は韓国第二の大都会ですが、首都のソウルに対してコンプレックスが
あるわけです。ソウルから転校生が来たときのクラスの雰囲気で
それがよくわかります。それから、釜山は訛りが強烈。
たとえ韓国語がわからなくてもイントネーションで笑えることでしょう。

■親子の情愛にホロリ
ドラマの究極のテーマは“初恋”です。初恋をめぐる男女の繊細な心の
動きが細かく描かれています。
初恋というと『冬のソナタ』もそうでしたが、見ている人たちを
心地よくドキドキさせてくれます。そこがいいのです。
さらに、1997年という時代がポイントです。
韓国にとって1997年という年は大変でした。
まず経済危機が起こって国中に失業者があふれました。
それでも金大中(キム・デジュン)大統領が当選して、経済が復興して
いきます。さらに音楽界もアイドル路線が人気を集めていた時期です。
そういう意味で言うと、韓国社会が大きく動こうとしている時期を
ダイナミックに描いたのが『応答せよ1997』です。
ストーリーを見てみましょう。
物語がとても重層的です。高校生の男女の初恋が中心とはいえ、
そこにからんでくる人たちがいいのです。
特に、チョン・ウンジが演じる女子高生シウォンの両親がひんぱんに
出てきますが、この夫婦が強烈です。ずっと、言い争ってばかり。
見ている人がハラハラするほどです。日本からすれば『あまりにも騒がしい』
と感じるかもしれませんし、『日本も韓国も変わらない。どこでも同じ』と
面白く見られるかもしれません。
主人公のシウォンはアイドルの追っかけなのですが、それを父親がすごく
嫌っていて、シウォンの部屋に貼ってあるポスターを破いたり、
シウォンがソウルまで追っかけをしたことを怒って娘の髪を
切ったりするのです。
ドラマの中では父と娘がいがみあっていますが、結局は親子の情愛が
うまく描かれていてホロリとさせられます。
■苦肉の策の新人コンビ
さらに、感激したのは兄弟愛です。シウォンに恋している男性主人公が
ユンジェ(ソ・イングク)なのですが、彼にはテウン(ソン・ジョンホ)
という兄がいて、このテウンもシウォンのことが好きなのです。
それで兄弟の関係がちょっと難しくなるわけですが、後半に向けて兄弟が
お互いを思い合う場面が本当にすばらしい。
こういった人間の情愛が重層的に描かれているのが『応答せよ1997』です。
韓国ドラマというのは家族関係を大切にする場面が多いのですが、
この作品もそういう意味では正統派のドラマです。
これだけの傑作がケーブルテレビで放送されたことに驚きます。
シン・ウォンホ監督は、キャスティングで本当に苦労したそうです。
地上波ではなくケーブルテレビということで、希望していた俳優に
ことごとく断られたからです。
本当に困ってしまって、ソ・イングクとチョン・ウンジという新人の
主役コンビを起用しました。
この2人が大当たり。特にチョン・ウンジは、釜山の高校にこういう
女子高生がいっぱいいるんだろうなあ、と思わせるくらい演技が
自然でした。
ソ・イングクにしても、無口でぶっきらぼうな釜山の典型的な男を
ありのままに演じていました。

■普遍的な面白さがある
2人の主人公の演技が本当にいいのです。2人はもともと歌手ですから
演技はそんなに経験がない。チョン・ウンジはドラマ出演が初めてだし、
ソ・イングクは『ラブレイン』でちょっとおどけた役を演じただけ。
でも、2人は『応答せよ1997』で大ブレークしました。
なお、韓国の1997年のことが詳しく出てきますので、日本で見ていたら、
わかりづらい部分があるでしょう。
でも、純粋にストーリーを楽しめば問題はありません。
たとえ、わからないことが出てきても、そのまま流していって、
6人の高校生たちの元気な学園生活を楽しんでください。
実際に、高校生を演じている6人の演技がすごくよくて、その6人の
やりとりを見ているだけでもワクワクします。それと、韓国の高校生も
日本とちっとも変わらない、ということがよくわかります。
そういうところでも韓国と日本は似ているのです。韓国で社会現象を
巻き起こすほどの人気を集めたドラマというのは、日本でも受けます。
普遍的な面白さは韓国も日本も同じなのです。
(ワウコリア)文=康 熙奉(カン ヒボン)(ロコレ提供)
「応答せよ1997」の世界観をよく伝えてくれています。
こういった人間の情愛が重層的に描かれているのが『応答せよ1997』です。
韓国ドラマというのは家族関係を大切にする場面が多いのですが、
この作品もそういう意味では正統派のドラマです。
この作品もそういう意味では正統派のドラマです。
の部分は特に納得です。
自分の学生時代のことを
やたらと思い出させてくれる
ドラマです。