柳はみどり、花はくれなゐ

柳はみどり、花はくれなゐ

見るほどにみなそのままの姿かな 柳は緑 花は紅 一休禅師
 
元は、宋代の詩人蘇東坡(そとうば・卒塔婆ではない)の緑花紅真面目。真面目は、しんめんもくと読む。まじめではない。
 
春の景色の美しさの表現であり、自然のままが一番という、禅の考えでもある。

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 こんばんは^^

 

 躁うつ病(双極性障害)は、ヒポクラテスの時代(紀元前5世紀頃)から知られている病気です。

 世界的には生涯有病率が3~4%というから、そう珍しくもないのです(発症率0.7%とする日本の調査は、信じられていない)

 お客の中に混じっていても、不思議はないのです。

   

 中年男性が、ボールペンとルーズリーフを手に手に取ると、そのまま店を出ていきましたです。

 おい!万引きなら、盗んだ品を隠さんかい。

 

 パートさんが追いかけて、男がクルマに乗り込もうとしたところで、引き止めましたです。

「お客様。清算がまだ済んでいないんですけど」

「めんどくさい」

 はあ?何を言っとるんじゃ?

   

「お会計していただかないと、困ります」

「こんなもんの為に、何で待たされなきゃいけないんだ」

 レジに並んで待つのが嫌だから、お金を払わずに店を出たと?

 先客が一人いたそうですが、1分も待たないはずです。

    

「一度店に戻って、お会計してください」

「うるさい!こっちは、忙しいんだ!」

 そのままクルマにの入り込んでしまったので、警察にナンバーを通報したというのですけれど。

 

 無理に取り押さえたりはしないです。

 ましてや、クルマにしがみついたりはしませんです。

 身の安全が第一なのです。

   

 夕方になって、息子さんという方が来られたです。

 身元引受人として、警察に呼ばれたというです。

 万引きした親の為に、仕事をおっぽり出し、頭を下げに行くなんて、たいへんですね。

 

 息子さんによれば、父親は躁うつ病だというです。

 躁状態になると、尊大になり、身勝手で自己中心的な行動をとるというです。

 行列に割り込んで、口論の末、暴力事件になったり(どっちが先に手を出したかは、言わなかったけれど)

  

 飲食店で、料理が出てくるのが遅い!と、他のお客の迷惑になる程、怒鳴り散らす。

 店が謝罪したり、静かにするようお願いしても止まず。

 退店にも応じないとして、警察に通報されたりと、問題を起こしていると云うのですね。

 愚痴半分に話したように、思えない事もなかったですけれど。

    

 買い物をしても、なぜ俺様がレジに並ばなければならんのだ。

 と、思う一方、でも、品物は必要だ。

 となって、会計せずに、そのまま店を出たことになるのか?

 やっかいだなぁ。

     

 さて、躁の症状は多様で、程度も様々です。

 一つの症状だけでは躁とは判断せず、三つか四つ以上の組み合わせがあって、診断が下るからです。

 

 ブランド物を買い漁ったり、ギャンブルにお金をつぎ込んだりする、浪費だけでは躁病とはならないのです。

 ほかに、自分は偉いと思い込む(自尊心の肥大)とか、眠らずにはしゃぎまくる(睡眠欲求の減少)、おしゃべりが止まらなくなる(多弁)といった事があって、躁病とされるです。

     

 躁うつ病の男がわりと近くに住んでいて、あちこちで色々とやらかした話は、噂として広まり、くれなゐも聞いていたです。  

 うちでも、ちょっとした騒ぎを起こされたことがあるですが、大した被害はなかったです。

  

(うちで起きた話は、姉の『コンビニ育ちの春』にあるです。
 こちらからどうぞ👇)

  

  

 

 

  

 うちの場合は、面白がった面もあるのですが、迷惑をかけられた人は、『病気だから仕方がない』では、済ませられない事が多いようです。

 

 例えば、近所のお婆さんが亡くなったと聞いて、しめた!と思ったのか、駆け付けたというのです。

 そして、お悔やみひとつ言うでもなく、香典が集まるだろうから、金を貸せと、迫ったと云うのです。

 これはまあ、噂のタネになりますよね。

   

 取り込み中だからと、追い返そうとするですが、帰らないです。

 訳の分からない理屈を、ダラダラとしゃべり続けるのです。

 しまいには怒りだして、遺族に暴言を吐いたというです。

 

 通夜の手伝いに来ていたご近所の方が、間に入ろうとすると

「うぜえ。じゃあ、お前が金を貸せよ」

 なんでそうなる?

   

 紳士的な態度と定評だった北杜夫は、躁になると奥さんに、

「喜美子のバカ!喜美子が先に寝やがるからオレ様は蚊に食われたじゃないか!」

 理屈になっていないです。

 眠らずに一晩中騒ぎ続ける躁病者に、付き合ってはいられないですし。

 

 話を戻すと、遺族の方は、かなり立腹されたと思うです。

 しかし、仏様の前で言い争う訳にもいかないのです。

 暴力沙汰に発展しかねないですし。

 家族を呼んで、なんとか引き取ってもらったそうです。

 強引に、引きずり出してもらったとも、云えますけれど。 

   

 お婆さんが死んだと聞いて、即座にお金を借りに行こう。

 香典が集まるんだから、金がないので貸せないとは、言わさないぞ。

 なんて、常人にはない発想です。

 たとえ、思いついても、行動には移さないです。

  

 株の売買で負け続けた北杜夫は、付き合いのある出版社からの借金を、奥さんに止められ、
「喜美子は作家の妻として失格だ!家から出てってくれ!」

 奥さんに言い放ちます。

 躁病をタネに原稿を書いたのだから、正しいかもですが。

  

 そして、今まで書いたことのない出版社から前借をし、株取引を続けようとします。

 ここまでは、思いつきそうです。

  

 株屋との電話を封じられた北杜夫は、家に宅配便が来ると、チャンスとばかりに、運転手から携帯電話を借りて、株取引を再開したと云うのです。

 商売道具を取り上げられた運転手の迷惑は、いかばかりか。

 

 誇大妄想を抱いて、神様になった人がいると聞いたのが最初で、、少しばかり、興味を抱いたです。

 さらに、実物が店で騒ぎを起こしたことから、エピソードを集めてみる気になったです。

 

 つづく

  

梅の花 くれなゐにほふ 夕暮れに 柳なびきて 春雨ぞふる