こんばんは^^

  

 落語の付け馬は廓話なので、吉原の説明を枕に振るです。

 システムがわからないと、話が分からないですから。 

  

 初期の吉原は、泊まった翌朝にお勘定をしていたですが、問題を起こす客が多いです。
 それで、登楼の際にお金を払う、前金制になったですね。

 これを夕勘定というです。
 でも、遊びすぎると、夕勘定分では足りなくなるです。
 そこで、朝にも清算するです。これを朝勘定といったです。
 ここで、所持金が足りないと、とりたての為に、妓夫が馬として付くですね。
   
 落語の付け馬は、夕勘定を払わずに登楼するところから、始まるのです。

 そして、付け馬を騙して、逃げてしまいますです。

 つまり、タダで、結構な遊びを楽しんだことになるです。

   

 昔の観客は、笑いの中で、上手い事やったなと、感心する部分もあったかもしれないです。

   

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 午前3時過ぎ。

 店が騒がしいな、いやだなと思っていると、

「店を任されてるっていう酔っ払いと、俺くらい(20歳)のが、代金を払えって言ってきてるんだけど。警察呼ぶ?」

「うん?何の代金?」

「飲み代らしいけど」

 コンビニから、『今、お金を要求されています』

 なんて連絡が入ったら、510事件発生?

 パトカーが何台も来ちゃうです。

 

「出てみる」

 店の前にタクシーが止まっているですね。

 ほむ。飲み屋からタクシーで来たのか。

 

「いいから、払ってやれ!」

 酔っ払いというか、昼間のおかしな男が、もう一人のバイト君を怒鳴りつけているです。

      

「いらっしゃいませ。何か」

 傍らに立つ、若者に訊いたです。

「この店の経営者なんですよね?」

 当惑したように言うです。

 はあ。誰が?一瞬戸惑ったです。

「あたしですけど。なにか」

 家族経営なのだから、そうであるです。

「?。じゃ、」

 若者が言いかけたとき、  

   

「おい。来いって言っただろ」

 中年男が動いたです。くる!危ない!と思ったとき、

「あっ」

「ちょっと」

 若者とバイト君があわてて止めたです。

 両腕と肩を押さえられ、

「てめえ、てめえ、てめえ」

 言いながら、を蹴ろうとするです。

 足が短く、届かなんだけれど。

  

「(警察を)呼びます?」

「とりあえず、外にお連れして」

 まず、危険を遠ざけねばなのです。

 男三人で、中年男を外に連れ出して貰ったです。 

  

 ふむ。バイト君たちが、上手く追っ払ってくれたらいいな。

 まだ、被害はないのです。

 警察が来ても、何もならないです。

 あちらが厄介ごとを抱えているようだし、店の前で警官を交えて、揉められても困るです。

 

 ほむ。中年男が月100万円よこせと言ったのは、雇われ経営者=雇われ社長になる積りだったのだろうか。

 俺が経営を引き受けてやる。

 その代わりに、売上が伸びた分をよこせと。

   

 馬鹿です。100万円の利益を出すためには、月に3千3百万円は、売り上げを上乗せしないといけないのです。

 売上=利益ではないから。

 5千万円伸ばしても、無理じゃないかな。

    

 イオンなんて、小売り部門の利益は売上の0.2%です。

 1億円売って、20万円の利益なのです。

 少し売り上げが落ちれば赤字なのです。

 

 2021年2月期の『イオンリテールを中心とするGMS(総合スーパー)事業は156億円の営業赤字(前期は72億円の黒字)』

 金融と不動産で儲けている会社なのです。

  

 個人商店では、店主家族の労働割合が高いから、利益が出るのです。

 夫婦で働いて、家族年収400万円。

 まあ、食っていけるかな?なのです。

  

 中年男に説明しても意味はないです。

 俺ならできるって、自信に満ち溢れているのですから、止まりませんです。

 躁病は、そういう病気ですから。

    

 そんなことを考えていると、バイト君一人と若者が店内に戻ってきたです。

 もう一人のバイト君は、中年男が入ってこないよう、見張り番か?  

 

 ここで、若者と少し話をするですが、これが落語の落ちへとつながるのです。

   

春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つをとめ