第96回アカデミー賞では同年度最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞を果たしたクリストファー・ノーラン監督の新作です。
第2次世界大戦中、物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画の原爆開発プロジェクト委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するが…
事前にオッペンハイマーのドキュメンタリーとか観て予備知識も入れていたので難解ではありませんでした。左翼傾向があって、スパイ疑惑をかけられていたことを知っていたらそんなにとまどう作品ではない気がします。
フローレンス・ピュ-との不倫場面より描くべきは広島長崎だろうと思いました。あんな幼児体型の女優のヌードを入れる感性がまず大嫌い。
不倫しちゃうような人間性を描きたいのもわからなくわないけど不快。
確かに見ごたえはあるけど、いくつかの時代がランダムに描かれ、予備知識なしでは完全に理解出来ない内容でした。とはいえ描こうとしていることは理解出来るので難解というわけでもありません。
オッペンハイマー自身の内面を描く作品でイメージシーンが多く、広島、長崎の原爆も軽いイメージシーンにとどまっています。そこがアメリカの観客ウケを考えての忖度に見えてなんかぬるいなと思いました。
オッペンハイマーの後悔は被爆者たちの惨状をなんらかの形で見たからだろうし、それ抜きで彼の心変わりを描くのは手抜きに思えました。
ただただ会話している場面が多いのも大画面で長時間観るのがしんどいです。ロバート・ダウニーJr.の助演もあの授賞式の差別的な態度の後に観ると大したことなく思えます。
爆破実験シーン以外、スクリーンで観て良かったと思える場面もなく、見ごたえはあるけど、全然好きじゃない映画でした。
やっぱりクリストファー・ノーラン監督作品は自分の趣味に合わないなと痛感。