キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

 

 

東北芸術工科大学の研究生、坂内映介が自身の震災体験を基に脚本を執筆し、同大学の卒業生、川崎たろうと共同で監督を務めた2025年製作のヒューマンドラマです。アマプラで観ました。

 

幼い頃、東日本震災で祖父を助けに行った父を亡くした奏多は、転校先の高校で担任教師の息子・陸と出会う。奏太は父への思いを陸に打ち明けるが…

 

震災で父を亡くしてから別れが怖くて人と親密になることを避けていた主人公が、転校先の高校の担任教師の息子と友だちになり、その教師が家庭では友人に暴力をふるっていたことを告白され、そのことがきっかけに悲しい出来事が起きてしまうというめちゃくちゃ重い展開のドラマでした。

主人公は漁師の父の仕事を継ぐように期待されていて、友人は教師の息子として恥じぬ生き方を強制されてきて、どちらも父の想いを背負わされてきた少年が交わってどういう生き方を選択するかというお話でもあります。

脚本家の実体験をもとに描かれているそうですが、この策を作ることで人生を先へ進めることが出来たのか気になります。

 

 

「ひとくず」「西成ゴローの四億円」の上西雄大監督が、知的障害者の娘と精神疾患を抱える母の心の姿を描いた2024年製作の人間ドラマです。劇場で観そこなっていたのでアマプラで観ました。


軽度の知的障害を持つ22歳の来栖玲は子どもと間違われることが多く、障害者として扱われることに葛藤を抱えていた。一方、玲の母・梨加は夫に先立たれながらも娘をしっかり育てようと努めたが、限界を感じ自らも精神疾患を抱えるようになる。母娘ともに心を開くことのできる相手がいなくなり、すれ違いながら荒んだ生活を送る。やがて新たな出会いから、母娘の日常に少しずつ光が差し始め…

 

豪華キャストの「西成ゴロ―」2部作が痛々しい仕上がりでがっかりさせられた上西監督が「ひとくず」路線に戻って、虐げられる子とそれを救う他人の大人の物語でした。

今回の上西監督の役は精神科医で借金まみれのシングルマザーと知的障害の22歳の娘の前に現れます。

母に仕事をしろと言われデリヘルの事務所に行ってしまった娘はAVに出演させられることになるけど、華村あすか演じるデリヘル嬢に救われ…とまあ展開はベタすぎるけど、「西成ゴロ―」よりはずっといいです。

華村あすかのデリヘル嬢もいい感じで女優華村あすかとしてしっかり存在感を見せています。

ただお話が予定調和から出ることなく想像通りの展開でしかないのが残念。とはいえ上西監督はヒューマンドラマの方が向いていると思いました。

 

 

 

山本政志監督のプロデュースによる「シネマインパクト」第3弾として2013年に製作されたいまおかしんじ監督作品です。アマプラで観ました。

 

酔うとヤリマンになる女性医師にセックスがやりたくてたまらなくなる男性が相談に来て…

 

登場人物がどんどんスライドしていろんな性の悩みを抱えた人たちの暴走する人間模様が描かれていました。ヤリマンの医師とか患者はその医師を愛しながらもそのヤリマンさにつけ入りたくなかったり、無修正AVを集めまくる男とその男にまがいものを売りつけながら教師の性暴力に耐える少女の悩みにこたえようとするヤクザものとか、欲望を抑えられないロリコン教師とか、Ⅿのガタリはどんどんリレー形式で展開し、最終的に最初の男性に繋がると輪が完成してなかなかユニークな形式のドラマでした。人々のおかしな生態はまさしくいまおかしんじワールドで短い作品ながらいまおか監督にしか出せない味が堪能できる作品でした。