キネマ画報

キネマ画報

名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


第76回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲として制作され、第51回日本レコード大賞で優秀作品賞を受賞した「いきものがかり」の楽曲「YELL」に着想を得て、「カノン」「レディ加賀」の雑賀俊朗監督が描く音楽ヒューマンドラマです。

小さな音楽出版社に勤める記者の北村翔は、雑誌「音楽ジャーナル」の特集企画「伝説の音楽教師」で、全国合唱コンクールに数々の優勝をもたらす原田貴理子を取り上げることに。しかし貴理子は突然教職を退き、消息を絶っていた。実は北村にとって貴理子はかつての恩師。当時の合唱仲間とともに記憶をたどり、北村は貴理子が姿を消した理由に迫るが…


なんというかベタドラマをベタなキャストで作ったなという感じで、編集長のキョンキョンがデスクで酒を飲みながら仕事しているところからリアリティがまるでないし、鈴木京香さんの関西弁の似合わなさは異常だし、キャスト地味だしでコケても仕方ないかという感じの作品でした。


24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」を、「溺れるナイフ」などの山戸結希監督が映画化したラブストーリーです。

青森県に暮らす遠藤和と将一はぶつかりながらも、かけがえのない日々を過ごしていた。そんなある日、和は医師からステージ4の大腸がんを宣告される。将一は和を一生大切にすることを誓う。将一との子どもに会うことを願う和は自身の命をつなぐ抗がん剤治療を止めるという、あまりにも重い選択をともなうもので…


初日のレイトショーで観ましたが客席がほぼ全部埋まっていてびっくりでした。

山戸結希監督がメジャー作品を手がけてから、寡作になっていて心配でしたがこの作品を観たら、ちゃんと大人な作品に仕上げていて、いい監督になったなと実感出来ました。

大腸がんで若くして亡くなる女性が余命わずかなことを知りながら結婚、出産するお話を夫と家族の見守る姿から描くようになっていたので、適度な距離感でヒロイン寄り添い、ベタなお涙頂戴になることなく描いていました。

川口春奈がかなりげっそりして、渾身の演技を見せ、終盤はすっぴんでした。

高杉真宙さんの献身的な夫の一本気な感じもいいし、妹1の松本穂香さん、妹2の中島瑠菜さん、静かに強く見守る母親、小林聡美さんも絶妙でした。

あと山戸監督作品の常連上埜すみれさんもしっかり出演していて安心しました。

でも一番のインパクトはがん患者仲間ヒカリ役の森田望智さん、あのキャラはなかなか普通の俳優ではあそこまでやりきれないと思います。

撮影も美しいし、編集もありきたりじゃなくてベタな展開を新鮮に見せてくれているし、トンガリ過ぎずベタにならずの滅茶苦茶いいところで成立していました。

印象的だったの2度登場する八甲田ロープウェーのシーンで、高杉さんと川口さんが行ったときにあるものを手にもっていて、何だろうと思っていたら、終盤にそれがちゃんと登場してすっきり。

そんな感じで非の打ち所のない滅茶苦茶泣ける良い作品でした。


「未知との遭遇」「E.T.」のスティーブン・スピルバーグが原案・監督を務めたSFサスペンス大作です。

サイバーセキュリティの専門家ダニエル・ケルナーは、謎の組織ワーデックスから機密情報を盗み出す。一方、カンザスシティのローカル局で気象予報士を務めるマーガレット・フェアチャイルドは、突如として自身の身に起きた異変に戸惑う。接点のないはずの2人は、謎めいたヒューゴ・ウェイクフィールドに導かれ、これまで数十年にわたり隠蔽されてきた、世界を揺るがす衝撃的な真実を知り…


145分もあってびっくりでした。

テレビのお天気お姉さんがある日、理解不能な言語で話し、それを観たある組織が彼女を追いかける。またその組織がひた隠しにしてきた情報を世界に開示しようとする計画が進行していて、その情報を持ち出した男とお天気お姉さんが邂逅し、忘れていたある記憶が甦る…みたいなサスペンスフルな内容でした。

ネタバレというかすでにわかっているようにスピルバーグが「未知との遭遇」「E.T.」で描いてきた宇宙人との接近遭遇を描く最新のもので、ディテールはスピルバーグの過去の作品を思い起こさせる断片が詰まっていて、集大成と言っても過言ではない作品でした。

大ヒットはしないかもしれませんがスピルバーグ作品を追い続けてきた世代として、ちょうどいい作品でした。