1973年製作の「女番長」シリーズ第5作です。監督は鈴木則文から「くノ一忍法」の中島貞夫監督にチェンジ。杉本美樹主演版3作目となります。
京都の特別教護施設を脱走して捕まった青木るり子は再び学院に戻された。教官の小池が、一人の脱走は連帯責任として全員に懲罰を課したために、清美、勝子たちが、マキ、ユキたちるり子一派に、露骨なイヤガラセをする。ただ一人、三奈だけが、財界の大物、遠山実をパトロンにしているため、学院長・秦野が特別に目をかけていて彼女らの対決を静観。そんなある日、法務省の役人が視察に来た時、生徒たちが暴力をおこし怒った秦野は生徒全員に厳罰を下す。その夜、るり子、杏子、三奈、マキ、ユキの五人が脱走し…
コメディリリーフが誰もいなくなり、シリーズに出演し続けているのはついに杉本美樹だけになりました。前半は特別教護施設を舞台にした女囚モノな感じで、中盤からは渡瀬恒彦が登場します。鈴木則文監督のこれまでの3作とはテイストも内容もまったく別物でシリーズとは思えない変貌ぶりです。音楽を担当しているのがシリーズたびたび登場している荒木一郎なのがびっくり。
中盤は青春映画風で後半は派手なアクションがありますが、スケバン的な描写はもはやほとんどない仕上がり。シリーズの1本としては物足りないですが、これだけ観れば青春アクションとして楽しめそうではあります。