7年かけて製作したアニメ愛を描く人間ドラマだけど新作アニメに客をとられる「ハケンアニメ!」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


直木賞作家辻村深月のアニメ業界の人々を描く小説を「水曜日が消えた」の吉野耕平監督が映画化した作品です。

地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督斎藤瞳はデビュー作で憧れの天才監督王子千晴と業界の覇権をかけて争うことになり…

原作を読みました。
原作ではリデルライトのプロデューサー有科が監督の王子に振り回される最初のエピソード、新人女性監督瞳が王子を影響を受けたライバル師しながらも王子に助言されたりしながはサウンドバックを製作するエピソード、両作品に関わるアニメーター並澤がサウンドバックの町起こしに駆り出されるエピソードの順で配置され、王子はその各エピソードにかかわる軸のような役割になっています。
あと文庫版にはフィギュア原型師のシングルマザーのエピソードもあり、どのエピソードも女性が主人公です。
劇場のロビーは人で溢れていましたが、そのお客さんのお目当ては「五等分の花嫁」というアニメでした。アニメ好きはアニメ業界を描く実写作品より、やっぱりアニメを選ぶのです。
シネコンの小さいシアターで、それすらも空席だらけで残念。
先週買った原作も初版だったので、原作からしてあんまりヒットしていないのか?
やっぱり長い原作をはしょりすぎて感動的な展開が薄味になっているし、映画オリジナルの視聴率戦争的な味つけも生きてなかった気がします。
あと土曜夕方5時での対決になっていて、関連商品のエピソードも入っていますが、夕方で子どもがターゲットの作品でロボットものと魔女っ子もの対決なのに、どちらも子ども向けの玩具の商品が絡まないのはおかしいです。ロボットものと魔女っ子ものなら普通はオモチャのことを考えた子ども受けるデザインやアイデアオモチャメーカーから要望されるはずなのにそういう要素がなく、実際には深夜アニメっぽい作品になっているのに違和感を持ちました。
王子と瞳は原作のイメージにぴったりですが、尾野真千子と柄本佑は好演しているけど、原作とイメージが違います。アニメ-ター並澤はまあまあハマっていました。
なんか吉岡里帆主演作品っていつもお客さんいないイメージ。なぜなのか?あんなに魅力的なのに。