ポール・シュレイダー監督が「魂のゆくえ」の前に撮った作品はぶっとんでた「ドッグ・イート・ドッグ」 | キネマ画報

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「魂のゆくえ」が面白かったのでポール・シュレイダー監督の観てなかった最近の作品(2016年公開作品)を観てみました。

刑務所帰りのトロイは刑務所で仲間だった薬物中毒のマット・ドッグと巨漢のディーゼルと再会。どん底から一発逆転を狙う三人は地元ギャングのボスから借金の返済をしない男の赤ん坊を誘拐するという仕事を請け負うが…

原作は「レザボア・ドッグス」に出演もしていたエドワード・バンカーの小説です。
ニコラス・ケイジが主演ですが麻薬中毒役のウィリアム・デフォーのやりたい放題ぶりが冒頭から振りきれてます。
監督自身もトロイに仕事を持ちかけるエル・グレコ役で出演しています。
にしてもニコラス・ケイジ、ウィリアム・デフォーというオスカーノミネート常連な俳優がこんな極悪な男たちの映画に出てひどいことばかりしているのにびっくり。
この極悪人たちの無計画な犯罪を描いた後に聖職者の苦悩を描く「魂のゆくえ」という真面目な作品に行くポール・シュレイダー監督の演出の幅の広さに唸らされました。
でもどちらにもポール・シュレイダーなりの空気があって彼の世界観の強さに今頃気づかされました。