2020年カレンダー 大阪府の風景 | れぽれろのブログ

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年初恒例のカレンダーの記事。
今年も自作カレンダーを作成しましたので、記事化しておきたいと思います。
過去は西洋美術をテーマにしたカレンダーや、お寺のある風景の自作カレンダーを作成しました。
今年は大阪府の風景のカレンダー、過去1~2年にの間に自分が訪れた大阪府内の様々な場所の写真から、12枚をチョイスしてオリジナルカレンダーを作成してみました。

完成形はこんな感じ。


使用するテンプレートは、昨年までと同じく、Microsoft Officeのページで公開されている無料のカレンダー作成フォーマットを使用しました。
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/season/calendar/default.aspx

サイズも昨年と同じ、A4サイズの縦型カレンダーを使用。
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13375

公開されているパワーポイントをダウンロードし、自分の撮影した写真の画像をドラッグ&ドロップするだけで簡単に作成できます。パワポですので文字なども簡単に追記可能。
昨年の西国三十三所のお寺カレンダーは、印刷はせず、PNGに変換してパソコンのデスクトップで使用するだけでしたが、今年はコンビニプリントで印刷してみました。完成したパワポをPDF変換し、USBメモリにコピーしてコンビニ(ファミリーマート)へ。

プリンターでA4光沢紙を選択し、12枚を印刷。120円/枚×12枚=1,440円
これを100均で買ったA4サイズのフォトフレームにセットして飾り付けたのが上の写真です。印刷代1,440円+フレーム代110円=1,550円でオリジナルのカレンダーが作成できます。
(なお、このパワポのテンプレートは、日付の文字間隔がちゃんと統一されていませんので、綺麗に作成するなら少し編集が必要です。)


今回のテーマは大阪府の風景。
一般に大阪のランドマークといえば、太陽の塔の他、大阪城、通天閣、グリコの看板、づぼらや、かに道楽などが思い浮かぶかもしれませんが、それだけに非ず。
大阪府にもいろんな風景がありますので、作成した各月のカレンダーの写真を以下に貼り付け、各風景についてコメントしてみたいと思います。
チョイスした写真は過去1~2年に自分が訪れた場所で撮影したものです。
(各月にチョイスした写真と、実際に撮影した月には、ずれがあります。)



・1月 口縄坂 (大阪市天王寺区)



大阪市は全般に平坦な地形ですが、上町台地の上下間に限っては、急な坂道や階段になっている部分があります。天王寺区の谷町筋と松屋町筋の間にある天王寺七坂はその代表的な急な坂道で、1月は天王寺七坂のうち最も有名な口縄坂の写真をチョイスしました。この写真は坂の上側から見下ろしたところ。
大阪の作家、織田作之助の小説「木の都」にも登場する坂道で、くちなわ=蛇の形に見えるので、この名が付いたのだと言われています。



・2月 浜寺公園駅駅舎 (堺市西区)

 

続いては堺市の写真をチョイス。

2月は南海電鉄浜寺公園駅の旧駅舎の写真を使用しました。
浜寺公園駅駅舎は、大阪市中央公会堂や東京駅駅舎で有名な建築家辰野金吾の作品で、1907年(明治40年)に建設された、非常に古い建物です。赤と白の駅舎は趣きがあっていい感じ。現在は駅舎としては使用されず、カフェとして再利用されています。
浜寺公園はかつては海水浴場として賑わった公園で、谷崎潤一郎の「卍」のラストシーンの舞台にもなりましたが、戦後は海が埋め立てられて工場化し、海水浴場としての機能はなくなってしまいました。



・3月 天王寺公園 (大阪市天王寺区)



3月は再び天王寺区の写真。
写真手前の噴水のある池が天王寺公園内の茶臼山付近にある池で、
右奥に見えるのが通天閣です。
通天閣は新世界の中に立っているため、通常はその付近のキッチュな街並み(づぼらやの看板など)とセットで撮影されることが多いですが、こうやって遠くから眺める通天閣は、また違った趣があります。
ちなみに自分は昨年初めて通天閣に上ってみましたが、入場料以外に様々な形でお金を取ろうとする、ぼったくりスペース満載の塔ですので、シャレのわかる人は(笑)一度入場してみても面白いかもしれません。



・4月 桜之宮公園 (大阪市都島区)



4月はやはり桜の写真がいいかなと思い、都島区は大川のほとりにある桜之宮公園の写真をチョイスしました。
お祭りの日に撮影した写真ですので、たくさんの人が写り込んでいますが、後姿なのでご勘弁のほどを。(とくに着物の方々がいい雰囲気で、絵になります。)
桜之宮公園付近は、桜宮神社や、対岸の造幣局も含め、桜を鑑賞できるスポットがたくさん。春になると賑わう、大阪市内の素敵な公園です。



・5月 長居公園 (大阪市東住吉区)



5月は長居公園の写真をチョイス。
長居公園は博物館や植物園、スポーツ施設などが集まる広い公園で、個人的にはバラ園がお気に入り。
この写真は公園敷地内にある大阪市立自然史博物館の北側にある池の様子を撮影したものです。ピクニックの方々の後姿が写り込んでいますが、たいへんいい感じの絵になっていますので採用してしまいました。
長居公園は1944年の開園。敷地内にある大阪市立自然史博物館は1950年の開館で、元々は天王寺公園内にありましたが後に現在の位置に移設、初代館長は作家の筒井康隆さんのお父さん、古くからの歴史を感じさせる趣き深い博物館です。



・6月 池田城跡公園 (池田市)



大阪府の北西部にある池田市は、五月山動物園、小林一三記念館、逸翁美術館、カップヌードルミュージアムなど、意外といろんな施設がある街。
池田城は1319年に池田氏により築城されたと伝えられる中世の古城で、写真に写っている櫓台は近年復刻されたものです。周囲は池田城跡公園となっており、のんびりと散策できる憩いのスペースになっています。
(この印刷では「池田城公園」としてしまいましたが、正確には「池田城跡公園」です。)



・7月 太陽の塔 (吹田市)



こちらは大阪の有名なランドマーク、岡本太郎作の太陽の塔です。
万博記念公園の入口にそびえ立つ巨大な何か。この写真は公園の南側から撮影したものです。木々の間からニュッと顔を出す彼の様子はなかなかいい感じ。
万博記念公園内の70年万博に関わる施設は軒並み撤去されましたが、彼だけは現在も残っています。人類の進歩と調和を掲げた万博の中で、何だかよく分からない変なものだけが残存しているというのが何とも面白い。個人的にはお気に入り度の高い建築物です。



・8月 アジア太平洋トレードセンター (大阪市住之江区)



1970年の大阪万博がそれなりに成功を収めたと言われるのに対し、80年代から90年代にかけて建設されたWTCコスモタワー、大阪ベイタワー、フェスティバルゲート、りんくうゲートタワービルなどの建築物は、公共政策として軒並み大失敗で、その後の反動としての維新政治(緊縮政治)を生み出したという、負のスパイラルを残した建物たち。
その中の一つと言われているのが住之江区の海沿いにあるATC(アジア太平洋トレードセンター)で、建物の一部はショッピングモールになっていますが大阪の中心部に比べると人は少なめ。
個人的にはこの南国風の木々の風景を含め、比較的気に入ってる場所ではあります。(人が少ない場所が好きということもあったりします。)



・9月 藤田邸跡公園 (大阪市都島区)



藤田伝三郎は幕末の長州出身の志士で、維新後は実業家として活躍し、藤田財閥を形成し、阪堺鉄道(現在の南海電鉄)の創設にも関わった人物。
彼の旧邸宅は都島区の大川の近く、4月の写真の桜之宮公園の南側にあり、付近は公園として無料で入場できるようになっています。池と木々の雰囲気が素敵で、9月の写真としてチョイス。
付近には国宝なども多数所有する藤田美術館があり、曜変天目茶碗がとくに有名かと思います。



・10月 富田林寺内町 (富田林市)



10月は南河内にある富田林市の写真。
近鉄南大阪線富田林駅から南に歩くと、古い建物が並ぶ街並みが見えてきます。これが富田林寺内町で、数百年間残っている古い建物もあり、古い町並みをのんびり散策しながら古民家カフェでくつろげるというなかなか趣き深い場所。
寺内町は東西南北に道路が綺麗に区画されており、この写真はメインストリートである城之門通りの写真で、日本の道100選にも選ばれています。
富田林市と言えばPL教団の本部がある場所で、西を向くと寺内町からも、何とも前衛的なデザインのPLの塔を見ることができ、近世の町並みと近代新興宗教の対比が何やら面白かったりします。



・11月 大阪市立理学部付属植物園 (交野市)



大阪府交野市は北河内の山沿いにある市で、大阪市立理学部付属植物園は交野市の私市にあります。電車に訪れるには京阪電鉄枚方市駅から交野線に乗り換え、私市駅で下車。
世界の様々な植生を研究するための植物園で、解説とともに木々植物の様子を学べる場所ですが、秋は紅葉が綺麗で、昨年自分が訪れた時は色鮮やかな赤と黄色がたくさんあって、非常に気持ちよかったです。
メタセコイアが最も有名ですが、あまりいい絵が撮れなかったので赤色の紅葉をチョイスしました。
(ちなみに、枚方:ひらかた、交野:かたの、私市:きさいち。この付近には難読地名がたくさん。)



・12月 難波高島屋 (大阪市中央区)



最後は難波高島屋本店の写真をチョイス。歳末と言えば百貨店、などと感じるのはもう世代が古い証拠でしょうか?笑。
大阪のミナミといえば道頓堀のグリコの看板が有名かもしれませんが、個人的には1932年竣工のこの古い建物がお気に入りで、中は南海難波駅とほぼ一体になっています。外壁や時計の雰囲気も含め、いい感じ。
南海電鉄はJRと共同で今後なにわ筋の地下を抜けて北上する計画があるようですが、日本でも他に類を見ない立派な私鉄ターミナル駅と駅前百貨店をスルーし、相互乗り入れを図ろうとするのは何とももったいなく、個人的には不安しかありません(笑)。


ということで、大阪各地の風景とコメントでした。
Microsoft Officeカレンダーは非常に簡単に作れますので、オリジナルの飾りつけをしたい方にはお勧めです。


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・おまけ

小学館の「図鑑NEOメーカー」というサイトがあります。

https://neogenerator2020.com/

こちらでオリジナルの図鑑をデザインできるという企画があり、面白そうなのでこのサイトで画像を作成してみました。

こんな図鑑が出来上がりました。











なかなか楽しい図鑑になりました 笑。
こんな「大阪」の図鑑があったら読んでみたい気がします。

1月末まで限定でデザインできますので、ご興味のある方はトライしてみても面白いかも。規約によるとアップロードした画像のログは小学館で保管されるとのことですので、プライベートな写真やいかがわしい写真(笑)をアップするのは、避けた方がよいかと思います(笑)。