京都市伏見区 伏見稲荷大社 | れぽれろのブログ

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神社仏閣探訪シリーズ。
9月20日の土曜日、京都市は伏見区の伏見稲荷大社に遊びに行ってきました。
8月下旬の涼しさはどこへやら、9月に入ってまた残暑が厳しくなりましたが、この日は気温は低く、前日の予報では高かった降水確率も意外と低い。これ幸いと伏見稲荷大社に行くことに決めました。

伏見稲荷と言えば観光客で大混雑、というイメージがあります。じゃらんネットによる2019年1月時点の口コミ件数の統計によると、京都府の件数1位が清水寺、2位が伏見稲荷大社となっています。
大混雑を予想していましたが、前日の予報が雨だったせいか、混んでいることは混んでいましたが嫌になるほどでもなく、比較的ゆったりと観光することができました。かつて訪れた清水寺はかなり混雑が嫌になりましたが、今回はそうでもありませんでした。
(ちなみに大阪府の口コミ件数1位は海遊館で2位が道頓堀、兵庫県の1位は南京町で2位は有馬温泉なのだそうです。)

この神社のキーワードは鳥居とキツネ。
以下、写真と覚書などを残しておきます。


京阪電車に乗り伏見稲荷駅で下車、駅を降りると参道に商店街が続き、しばらくすると入口の鳥居が見えてきました。

参道は観光客で大賑わい。


 

敷地に入るとすぐに見えてくるのが楼門です。

1589年、豊臣秀吉による造営とのこと。
門前の左右には狛犬ではなく、狐がいるのが稲荷社の特徴。
(狐についてはあとで触れます。)


お寺の場合は山門には仁王像がつきものですが、この神社の場合は人間が座っていました。


この人たちは左大臣と右大臣、であるとのこと。


拝殿。

お参りしてきました。

この奥に本殿がありますが、撮影禁止マークがあちこちに貼られたいたので、撮影は断念。本殿は応仁の乱による消失のあと、1499年に再興された建物が残っているのだそうです。


伏見稲荷大社は京都府伏見区にある稲荷山の西のふもとにあります。
起源は例によって古く、欽明天皇の頃の記録があるとのことなので、6世紀前半に遡るようです。稲荷社として御祭神が鎮座されたのが711年とのととですので、実際の起源はたぶんこのあたり。おそらく古来からの山への信仰の場であった場所が、8世紀の寺社統制の時代に明確に神社化されたのではないかと思います。平安朝以前から存在していた神社、京都がまだ何もなかった時代から続いている古い神社です。
11世紀になると二十二社の上位七社にランク付けされ、先月訪れた石清水八幡宮と同様に社格は高く、全国に無数に存在する稲荷神社の本祠とされています。
現在の場所に本殿が移設されたのが1438年のころ、その後応仁の乱により大部分が焼失、15世紀末から復興し、信仰の場及び観光地として現在に至ります。
ちなみに伏見稲荷大社は神社本庁には属さない、単立系の神社であるようです。


さて、伏見稲荷と言えばなんといっても鳥居です。
伏見稲荷の鳥居は千本鳥居などと言われ、本殿の奥から稲荷山の上に至るまで、膨大な数の鳥居がありました。「ほんまに千本もあるんかい」と思いながら歩いてみましたが、「これは千本以上あるんちゃうか」というのが歩いてみた所感です。


本殿スペース奥に大きな鳥居。


 

鳥居が連続する部分がスタート。

写真撮影をする人が多く、写真渋滞が巻き起こっています。(自分も渋滞原因の1人です。)


しばらくすると、有名な小さめの鳥居が連続する部分に辿り着きます。

この部分が最も混雑していました。(撮影するとどうしても前の人が大写しになる。)

鳥居が小さい上に間隔が狭く密集しており、各人の歩くスピードも遅くなり大渋滞となっています。個人的にはこの部分はかなり閉塞感が強く、お気に入り度は低いです。


奥社奉行所付近。

この付近から鳥居が大きくなり、混雑はやや緩和されます。
鳥居はこの後もまだまだ続きます。


こちらは根上がりの松。

根が上を向いている珍しい松なのだそうです。
根が上がる=値が上がる、ということで、証券会社や投資家から人気のある松なのだとか。(神社仏閣恒例のダジャレによるご利益信仰 笑。)
折しも消費税増税の時期、値上げが労働者の生活を直撃する中、なんと資本の側に寄り添った松であることよ、などと訝しく感じてしまいます 笑。


山に向かって鳥居は続く。

徐々に人は少なくなっていき、いい感じの写真が撮れるようになります。


参道の脇には小さな祠が。

洞の周りも小さな鳥居で埋め尽くされています。
以前訪れた箕面の勝尾寺がダルマワンダーランドであったのに対し、伏見稲荷は鳥居ワンダーランド。


神社仏閣恒例の、山に向かう石段登場。

このあたりから歩くのがキツくなります。
ちなみに敷地内にある看板に表示されているマップは距離感がグダグダなので要注意です。三つ辻と呼ばれる場所から四つ辻と呼ばれる場所まで、マップでは一瞬で辿り着くように見えますが、実際はかなり遠く、間には石段もあります。
ある程度山を登ると、四つ辻に辿り着きます。


四つ辻からの眺望。

ここは見晴らしがよいです。京都の町が遠くに見えます。
ずいぶん高くまで上ってきたことが分かります。
なお、四つ辻には座ることのできるスペースがありますが、このスペースは実はお茶屋さんの敷地内で、黙って座っていると「ご注文はこちらで」と案内されることになりますので、注意が必要です。山登りで疲労し、座り込みがちな観光客に対し、なんとも戦略的なお茶屋さんです 笑。


ここから山頂まではルートが2つに分かれます。
自分は(道がなだらかそうに見える)左手のルートを選択。


 

御膳谷奉拝所付近。

ここまでくると山頂(一ノ峰)まであと20分くらいとのことですが、しんどいのでこのあたりで引き返すことにしました。


ふと見ると、分岐した道に滝があるとの表示が。

滝に向かって下り坂になっています。
下り坂なら楽ちん、と思い、滝を見に行くことにしましたが、帰りは上り坂であるという当然の事実を後で思い知ることになります。


どんどん暗くなる道、かなり坂を下ったところに見えてくるのが、清瀧大社の鳥居。

 

 

洞のような小さなお堂がありましたが、滝は見当たりませんでした。

あとで調べてみるとちゃんと滝があるようですが、どこにあったんだろう。


代わりに撮影した小さな水の流れ。

 

あとで調べてみるとこの道をずっと下ると、泉涌寺に至るのだそうです。
ここを歩いて1年半ぶりに泉涌寺に行ってみても面白かったかも。


ということで、元来た道を引き返します。
帰りは下り坂なので体は楽ですが、例によって下りは足に負担がかかり、転ばないように注意しながら下山。

帰りは鳥居の裏側にある奉納者の名前を見ながら下るのが楽しいです。

いろんな企業の名前がずらりと並ぶ。


ふと見ると著名人のお名前も。

あまり多くない名前だと思いますので、これはたぶんあの方で間違いないと思います。


さて、伏見稲荷と言えば鳥居と並んでもう1つ重要なのが、キツネです。
いろんなタイプのキツネがあちこちに存在しており、キツネワンダーランドと化していました。

オーソドックスなのはこの玉を銜えたタイプと、


 

鍵を銜えたタイプです。

なぜ玉と鍵なのかは謎です。
調べてみると、花火のときの「玉屋」「鍵屋」という掛け声とは、何やら関係があるようです。


巻物を銜えたタイプも割とたくさんあります。


あと、稲穂を銜えたタイプもありました。(写真は未撮影)
稲荷なので、やはり稲と関係があるのかもしれません。


かなりアクロバティックな体勢のキツネさんも。

玉を頭に乗せ、口から水を出す。年中この体勢はかなりキツそうですね。

他のキツネに比べて表情もどことなく険しい。

この他にもいろんなデザインのキツネがたくさんいました。
お土産物屋さんにも可愛らしいキツネのグッズもたくさんありました。


鳥居の脇にいた猫ちゃん。


 

鳥居に止まっていたカマキリ。

朱色と緑色のコントラストがいい感じ。


帰りは商店街のお茶屋さんで休憩。

お椀にも鳥居とキツネがデザインされています。
可愛らしいデザインで、気に入りました。
抹茶とお菓子を美味しく頂きました。


京阪伏見稲荷駅も、鳥居の色とキツネがデザインされており、良い感じ。

しかし、右手に見える京阪電車の車両は普通です。
阪急や阪神はラッピングで凝ったデザインの車両がたくさん走っていますが、それに比べると京阪の各停は何とも地味です。


ということで、伏見稲荷大社でした。
さすが京都の口コミ2位の観光地、楽しく観光することができました。
稲荷山の山頂(一ノ峰)まで行くにはそれなりの気合が必要かと思いますので、行かれる方はある程度の下調べをすることをお勧めします。