八幡市 石清水八幡宮 | れぽれろのブログ

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近畿圏の神社仏閣シリーズ。
8月12日の月曜日、京都府八幡市の石清水八幡宮にお参りに行ってきましたので、写真と覚書などを残しておこうと思います。

八幡市(やわたし)は京都府南西部に位置し、大阪府とのちょうど境目にある市、大阪府枚方市のすぐ北東にあります。
市内の有名な神社が石清水八幡宮、八幡(やわた)の名はは石清水の八幡(はちまん)から取られており、古くから石清水八幡宮の門前町として栄えた場所です。
京都・大阪の両方が通勤圏内となる位置にありますので、現在は住宅地化しているようです。

真夏のめちゃくちゃ暑い日、京阪電車に乗って淀屋橋から八幡市へ。
夏休みなので混雑するかなと思いつつ向かいましたが、全然そんなことはなく、のんびりとお参りすることができました。お正月は大混雑するようですが、お盆に神社にお参りする人はやはり少ないようです。
石清水八幡宮は男山と言われる山のてっぺんにある神社で、お参りするにはケーブルカーを利用する必要があります。

八幡市からケーブルカーに乗り換え、男山の山上へ。標高は143mとそんなに高い山ではなく、3分ほどであっという間に山上へ着きました。
ケーブルカーを降り数分歩くと石清水八幡宮の御本殿に辿り着きました。


入口の様子。


 

入口のすぐ脇には、かの有名な和辻哲郎による有難いお言葉が。

これだけだとなかなか分かりにくいお言葉ですが、樹木の例えのようで、茎より根が大切であるという趣旨のようです。


御本殿の様子。

一部改修工事中でした。


少し離れたところから。

この距離感も絵になりますね。


石清水八幡宮の起源は平安時代、859年に奈良の大安寺の行教という僧侶により、豊前の宇佐八幡宮の宣託を受けて創立されたとのことです。
神社の起源がお坊さん、平安当時の神仏習合の在り様がうかがえます。
確かに八幡神は八幡大菩薩などと言われることもありますね。(菩薩は仏様)
平安末以降は源氏の祖神として崇敬され、鎌倉の鶴岡八幡宮をはじめ各地に八幡様が勧請されたとのこと。
源義家が八幡太郎義家などと呼ばれた、ということも有名ですね。
現在の御本殿は1631年の徳川家光による造営で、現在この御本殿は国宝に指定されています。


御本殿を取り囲む塀。

こちらは信長塀と言われ、1580年に織田信長により寄進されたものが残っているとのこと。


おがたまの木。

霊力の宿る御神木なのだそうです。
一円玉に描かれている木がこのおがたまの木なのだとか。


三の鳥居。

御本殿の南側にある鳥居です。3つある鳥居の3番目。
本来は男山の下の一の鳥居から山道を登り、この三の鳥居を通ってお参りする、ということのようですが、ケーブルカーに頼る現代人の場合、鳥居より先に御本殿に辿り着いてしまいます。


男山には石清水八幡宮以外にもいくつかの見どころがあります。

男山展望台からの見晴らし。

男山山上のケーブルカーの駅近辺にあった展望台から撮影した風景です。
北東側の風景(たぶん)、良い景色です。
男山の北側は、桂川、宇治川、木津川の3つの川の合流地点、この3つの川が淀川となって大阪府に流れこんでいます。
この写真の川はおそらく木津川と思われます。


展望台の付近には、谷崎潤一郎文学碑なる碑がありました。

谷崎の小説「蘆刈」には男山と月の描写が登場、それを記念しての碑なのだそうです。谷崎潤一郎ゆかりの碑もあちこちで見かけますね。


参道の西側にあった謎の建造物。

解説は見当たりませんでした。これは何だろう?


謎の人物像も。


 

こちらはケーブルカーの様子です。



金色のきらびやかなデザインです。
この日は15分間隔で運行していました。


このケーブルカーには冷房がありません。
発車待ちの間は暑いので、ホームに設置されたスポットクーラーで窓から冷気を社内に取り入れる、という仕組みになっています。

こちらがそのスポットクーラー内蔵の象さん、ひえゾウくん。

象さんが鼻から冷気を吹きかけてくれます。
象さんの呼気のおかげで待ち時間も快適に過ごすことができました。



ここからは男山の周辺、山の下の様子です。

こちらは石清水八幡宮の一の鳥居。


男山の下にありました。本来はここから山に登りお参りする形になります。


小川に架かる橋。

安居橋(あんごばし)と呼ばれる橋です。風情のある橋ですね。
安居橋と月の組み合わせは数々の歌に詠まれたとのことで、付近には能蓮法師の歌碑もありました。


東側から見る男山の様子。


 

高良神社。

石清水八幡宮と言えば、徒然草に登場する仁和寺の法師の失敗談が有名ですね。確か中学校の国語の教科書にも載っていました。
仁和寺の法師が石清水八幡宮にお参りに行った際、山の下の極楽寺や高良を拝んだだけで帰り、八幡宮にお参りしそびれた、というお話。
「みんなして山に登っとったけど、山の上には何があるんや」、「あんた、山の上にあるんが石清水やで」、という笑い話。
このマヌケなお坊さんが拝んだのがこの高良神社と思われます。確かに山の下にありました。
鼎を頭からかぶって抜けなくなったお坊さんの話と言い、なぜに徒然草に登場する仁和寺の僧はマヌケな人物として描かれるのでしょうか・・・笑。


さて、八幡市と言えばもう一つ重要なのが、竹とエジソンとの関わりです。
エジソンは電球を発明した際、フィラメントの素材として八幡の竹を使用したのだそうです。

こちらは再び山の上。
石清水八幡宮の参道の西側にはエジソンの碑もありました。



こちらは八幡市駅前にあったエジソンの像。


 

駅前ロータリーには竹と電球によるオブジェが。

なかなか楽しいデザインです 笑。


男山の竹林の様子。


 

八幡市は竹細工でも有名なのだそうです。
山の上の展望台にあったこのトンボも竹細工のようです。



八幡市駅近くにあった高野街道の碑。

高野街道は京都から枚方を経て南河内へ向かうルートと、大阪から堺を経て南河内へ向かうルートがあります。
このうちの京都からのルート、東高野街道がこの八幡市にも通っているようです。
自分は2つの高野街道のちょうど合流地点の付近で生まれ育ちましたので、実家の近所の道がここまで伸びていると考えると、何やら親しみが湧いてきます。


ということで、石清水八幡宮と八幡市駅近辺の様子でした。
とにかく暑くて大変でしたが、周辺の様子も含めて楽しくお参りできました。
神社仏閣シリーズは最近はやや疎遠になっていましたが、少しずつあちこち訪れたいと思っています。