名古屋を歩く② 美術館・公園・街並み・食など | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

前回の続き。
4月27日から4月29日の名古屋旅行。
2回目の記事では、愛知県美術館、名城公園、鶴舞公園、白鳥庭園、その他名古屋の街の様子や食べ物のことなどについて、写真や覚書を残しておこうと思います。


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(6)愛知県美術館

愛知県美術館は、愛知芸術文化センターの建物の中にある美術館です。
最寄り駅は地下鉄栄駅。
愛知芸術文化センターの建物の中には、愛知県美術館の他、愛知県芸術劇場や、その他情報センター、食堂、喫茶店などが入っています。
自分は訪問は3度目、過去に愛知県美術館と愛知県芸術劇場はいずれも訪れたことがあります。
今回の訪問は4月29日の朝です。


外観はこんな感じ。



トリエンナーレの広告。

あいちトリエンナーレ2019 情の時代。
夏に開催予定、この芸術祭はジャーナリストの津田大介さんが芸術監督ということで、ゲンロンカフェウォッチャーとしても気になる芸術祭ではあります。


この日開催されていた特集展示は「アイチアートクロニクル展 1919-2019」。
愛知県美術館の所蔵品を中心とした特集展示で、近代以降の日本の美術史と、愛知県との関わりを辿ることのできる、面白い展示になっていました。
タイトルだけをみると1919~2019年の100年間のみを扱うように見えますが、それ以前の作品も展示されており、明治以降の美術史を俯瞰できる展示でした。

近代初期は、脂派の浅井忠や外光派の黒田清輝と、その影響下にある作家たちの作品が中心。
その後の、岸田劉生の影響とみられる北方ルネサンス風の自画像を描いた大沢鉦一郎や宮脇晴らの自画像作品が、とりわけ印象的です。
昭和初期の前衛の時代になると、シュルレアリスム風の作品が増えてきます。
この展示では「シュルレアリスムの名古屋」と独立して章立てされており、今回知りましたが、愛知ではシュルレアリスムが非常に盛んであったのだそうです。
有名どころでは北脇昇の作品がたくさん並んでいます。北脇昇は名古屋出身だったのですね。
逆に30年代後半以降の復古主義時代の作品は少なめ、愛知は古典主義とは無縁だったのかな。

戦後になると前衛が復活、60年代以降は愛知ご当地のハプニング、パフォーマンスアートの作家の展示も。
そんな中、多数の作品が展示されていたのが写真家の東松照明です。
有名な卵と手の写真などの前衛的な作品から、伊勢湾台風の被害を写したストレートフォトまで、展示は多数。
東松照明も名古屋出身だったのですね。
展示の後半は現代の作家の作品、とくに印象的なのが、古典絵画のキリストなどの聖人や天使の絵画をモーフィング技術で変化させる古池大介の「ディソリューション」、ボッシュの「悦楽の園」を模型で再現した後それを写真に撮影し、さらにそれを版画作品に仕上げ直すという、手の込んだ山田純嗣の「(11-6)Garden Of Earthly Delights」などです。

名古屋市美術館や豊田市美術館からの貸し出し作品もあり。
愛知-名古屋の100年余りの美術を確認するのに良い展示で、お勧めです。


愛知芸術文化センターの展望スペースから見る栄の街。

右に見えるのがテレビ塔、下の楕円形のはオアシス21と呼ばれるスペースです(マンション名みたいですね 笑)。
テレビ塔付近の久屋大通公園は工事中でした。


久屋大通と錦通の交差点の様子。

ともに名古屋のメインストリートです(たぶん)。
久屋大通は中央が道路に沿って公園になっています(自分は以前北から南に歩いたことがあります。)
地下には東山線と名城線が交差しています。
錦通沿いの奥の建物に観覧車が見えます。



(7)名城公園

ここからはいくつかの公園を取り上げます。
前回取り上げた名古屋城の北側には、名城公園と呼ばれる公園が広がっています。ここも雰囲気の良い公園で、家族連れが多い印象でした。
訪問日は4月28日の昼間です。
最寄り駅は地下鉄名城線の名城公園駅または市役所駅、自分は名城公園駅から南に向かいました。

なお、名城公園は「めいじょうこうえん」と読みます。
名城は名古屋城の略、名古屋ではなんでも名(めい)を付けて略す傾向があるようです。(名城、名鉄、名港、名駅、など。名古屋駅周辺の住所まで「名駅○丁目」という名前になっていたのには笑いました 笑。)


南の入口と花壇。

時間的には最後に撮影したものです。


なぜか現れるゴリラの絵。

後で調べたところ、イケメンゴリラとして有名な東山動物園のゴリラのようです。


「花の山」と呼ばれる場所の様子。

この青いお花がたくさん咲いており、綺麗でした。


「花の山」から撮影したピクニックの様子とオランダの風車。

絵になります。


彫刻の上に留まるカラス。


 

天女とマーガレット。


 

佐藤忠良「娘の像」。

佐藤忠良の作品はあちこちの旅行先で見かけますね。
自分が見た彫刻作品の数では、おそらくヘンリー・ムーアと並んでツートップだと思います。


猫ちゃんの後姿。


 

カラスを食べるカメ?

珍しい写真が撮れました。


名城公園内のカフェで休憩していると、三味線の演奏会が始まりました。
じょんがら節を演奏していたかと思うと、次は即興演奏となり、最後はベンチャーズの曲を三味線で再現していました。
ギターのテケテケテケ…の部分も三味線で器用に再現。
古典、即興、トランスクリプション、現代の三味線の世界も面白いものですね。



(8)鶴舞公園

続いては鶴舞公園、名城公園よりずっと南にある公園です。
最寄り駅は地下鉄鶴舞線の鶴舞駅、またはJR鶴舞駅です。
訪問日は4月27日のお昼~夕方ごろです。

鶴舞公園は1909年の開園とのことで、大阪の天王寺公園と同じ年の開園、名城公園よりも古い公園です。
博覧会の開催場所であり、その跡地が現在も公園として存続しているというパターン。古い建物や施設も多く、良い雰囲気の公園でした。
名城公園は家族連れが多い印象でしたが、鶴舞公園はなぜかコスプレイヤーがやたらと多かったです。(ここは大阪の住之江公園か、と一瞬思ってしまいます。)


入り口付近の様子。

名城公園より古風な感じがします。
屋根より高いこいのぼり。
この日は風がかなり強かったので、鯉もおもしろそうに泳いでいます。


噴水塔。

開園当時からある噴水で、地下鉄工事の際にいったん解体されましたが、復元され現在まで残っているのだそうです。


奏楽堂。

中はコスプレイヤーに占拠されており、入れませんでした(衣装が可愛らしかったので許します 笑)。
これまた雰囲気の良い建物、現在でもこの建物で演奏会が開かれることもあるようです。
なお、奏楽堂の周りの柵には「君が代」のスコアが装飾されています。(少しわかりにくいですが、この写真の階段右側の4/4の表示からスタートし、ぐるりと半周して終わります。)


階段には鶴を思わせる装飾があります。(鶴舞だからでしょうか?)



池と庭園の様子。


いい雰囲気ですね。


この木の周りがかなり絵になる感じで、コスプレイヤーたちにも人気がありました。



池と木と岩と打ち捨てられた自転車。


 

上を向いて水を吐く鶴。

やはり鶴舞公園だから鶴が舞っている様子なのかな。


南国風の樹木。



名古屋市公会堂。

公園の中にありました。
1930年の建物で、これまた古い趣があります。
中も見学できるようですが、時間がなく断念。


図書館も公園の中にありました。(鶴舞中央図書館)


 

こちらは普選記念壇と呼ばれるスペース。

普通選挙法制定を記念した場所のようです。
憲政会総裁で、普通選挙法制定時の総理大臣:加藤高明は愛知県の出身です。
壇上には五箇条の御誓文が刻まれています。
なお、この付近のみコスプレイヤーは皆無でした。
加藤高明のコスプレをする猛者はおらぬのか…(いるわけないか 笑)。


加藤高明銅像跡。

本来この台座の上に加藤高明の銅像があったそうですが、
1944年に物資不足から像が撤去され銅として再利用、その後再建されていないようです。意外と加藤高明に冷たい愛知県…。


鶴舞公園は非常に雰囲気の良い公園でした。
個人的には、名城公園より鶴舞公園の方がお気に入り度は高いです。



(9)白鳥庭園

続いては庭園です。
白鳥庭園は、熱田神宮からやや西にある庭園。古い庭園なのかなと思いましたが、近年にできた庭園で、1991年の開園のようです。
訪問日は4月28日の朝です。

白鳥庭園は、愛知~岐阜界隈の地形をイメージし、揖斐川・長良川・木曽川などの地名が名付けられ、織田橋・豊臣橋・徳川橋などの歴史人物に由来する名前の橋などもありました。
古い謂れのある庭園というわけではありませんが、雰囲気は良かったです。
訪問者は名城公園や鶴舞公園に比べるとお年寄りが多く、ウォーキングの途中のルートになっているので訪れている、という感じの方も多かったです。(コスプレイヤーは皆無でした 笑。)

白鳥の名は周辺にある白鳥古墳と関係があるようです。
ヤマトタケルが死んで白鳥となり、この地に降り立ったことに由来する地名。
そういえば、大阪は堺市の大鳥神社も、白鳥になったヤマトタケルが降り立った地とされていました。どこにでも降り立つヤマトタケル・・・。


庭園の様子。

 

 

 

 

素敵な雰囲気ですね。


こいのぼりは泳いでいません。

前日あれだけきつかった風が、この日の朝はぴたりとやんでいました。


庭園の中には庵のような建物も。


 

建物の中の様子。


 

蝶と鳥と思われる欄間の装飾。

可愛らしいですね。


池の鯉。


 

背伸びするスズメ。


 

弱っているお魚。

一瞬死んでるのかなと思いましたが、この後元気に泳ぎだしました。


この白鳥庭園、南と北の2ヶ所に出入口があります。
これがトラップで、自分は南側から入場し、一周まわったと思って北側から出てしまいました。なので、見学してない部分も少しあると思います。



(10)街の様子など

名古屋の街の写真をいくつか残しておきます。


三井住友銀行。

上前津駅付近にあった建物。
古い趣きのある建物です。


大須商店街。

前回の記事で取り上げた大須観音から東に伸びる商店街です。
27日の夕方と28日のお昼に2度訪れました。
とくに28日のお昼は大混雑で、どこかでお昼を食べようと思いましたが、あまりの混雑ぶりに逃げ帰りました(笑)。


大須商店街付近にあった、謎のピンクの生き物。

ブタ?イノシシ?
謎の看板です。
帽子の雰囲気からすると、中華料理屋さんか何かでしょうか。


「ひち」の看板。

質屋のことのようです。
大阪弁でも質屋がなまって「ひちや」と発音する人もいますが、さすがに表記まで「ひち」となるのは珍しいと思います。
なお、「七本松通」も英語表記は「Hichihommmatsu-dori」となっています。
名古屋では「ひち」表記がデフォルトなのでしょうか?


名古屋国際会議場。


 

ゆるキャラ「はち丸」と、通り過ぎる猫ちゃん。


 

断夫山古墳の様子。

よく分からないと思いますが、古墳の一部です。
上空から見ないと古墳はよく分かりませんね(笑)。
断夫山古墳は熱田神宮付近にある6世紀初頭の前方後円墳で、全長151メートル、東海地方最大の前方後円墳なのだそうです。
畿内にある古墳のように物々しい鳥居などがあるわけではなく、自然な感じで街中に存在しています。


古墳付近のお店の前にいた猫ちゃん。

黒猫のイラストと本物の黒猫ちゃんが、ほぼ対称形に並んでこちらを見ています。
面白い写真が撮れました。

(今回の旅行で個人的に一番気に入っている写真です。)


中日新聞本社。

丸の内界隈にありました。
そういえば名古屋と言えばドラゴンズですが、名古屋の街は意外とドラゴンズが強調されている感じは少なかったです。
昨年訪れた広島駅周辺がカープ坊やとスラィリーであふれていたのとは対称的。
名古屋はどちらかというとグランパスの黒いシャチ(?)の方がまだ多かったように思います。



(11)食べもののことなど

「ういろう、手羽先、味噌煮込み♪ 悩みの相談兵藤ゆき♪」
 by 西日本番長地図 (ダウンタウンの古いコントに登場する歌です。)
兵藤ゆきはともかく、名古屋と言えば手羽先や味噌煮込みに代表される名物の食べ物、いわゆる「名古屋めし」ですね。
しかし、ゴールデンウィークということもあってか、どこの店もアホほど混んでいます。せっかく名古屋に来たので、名古屋らしい食べ物を食べたいなと思いましたが、手羽先、味噌煮込み、味噌カツ、どて煮、ひつまぶしは、軒並みどこの店も大行列。きしめんがまだ行列はマシでしたが、きしめんは昨年名古屋を訪れた際も食べましたので、できれば違うものが食べたい・・・。

そんな中、唯一待たずに入れたのが、あんかけスパゲティの店です。
せっかくなのであんかけスパを賞味。あんかけスパは太めのパスタに独特のソースを絡めて食べる、名古屋独特の食べ物のようです。
「ミラカン」と呼ばれるタイプが一般的みたいですが、なんとなく「台湾風あんかけスパ」なるものを注文してしまいました。
お味は・・・かなり香辛料の味が強いです。スパイシーなソースにパスタを絡めて食べるので、おいしいですが辛いです。台湾風なので唐辛子がさらにきつかったのかもしれません。なので、一般的なあんかけスパの辛さ具合は未確認。(標準的なミラカンを食べておいた方がよかったかも。)
風がきつくて寒かった旅行初日(27日)の夜に食べましたので、かなり体が温まりました。

旅行2日目3日目にも機会があれば味噌カツやひつまぶしを食べたかったですが、混雑のため断念。(知り合いの話によると「やばとん」という味噌カツの店が有名らしいですが、文字通りやばいくらいの大行列ができていました。この人たちはいつになったら食べられるんだろう、という感じ。)

もう1つくらい名古屋らしいものを食べようと思い、朝早くに喫茶店に入り、旅行3日目の朝に、小倉トーストなるものを頂きました。これも名古屋名物らしいです。
トーストを2枚重ねて、間に小倉あんをたっぷりと挟んだ、朝からかなりボリュームのある食べ物。意外とアイスコーヒーとも合い、美味しく頂きました。
なお、まわりでは多くの人が小倉チーズトーストなるものを注文していました。
小倉あんとチーズ??、甘みと酸味で意外と美味しいのかな。
次回名古屋を訪れる際には、小倉チーズにチャレンジしてみようと思います。



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ということで、3日間の名古屋旅行でした。
人が多くて疲労度は高かったですが、楽しい旅になりました。

今回はあまり歩けていませんが、丸の内や栄の近辺などの町並みも面白いと思いますので、名古屋はまた訪れたいですね。
津田大介さんのトリエンナーレも気になりますので、ひょっとしたら今年はもう一度くらい名古屋に遊びに来ることになるかもしれません。