4月28日から5月1日にかけて、ゴールデンウィークのお休みを利用して、広島県に遊びに行ってきました。
初日と2日目は竹原市をウロウロし、2日目のお昼に広島市に移動、2日目の夕方から4日目にかけて、広島市街を歩いてきました。
広島県の旅行はこれで3回目。
過去には2012年にひろしま美術館と宮島を訪れ、2014年に尾道と呉を訪れました。
今回は4年ぶりの広島旅行。
まずは旅行前半で訪れた竹原市について、写真と覚書を残しておきます。
新大阪から新幹線「のぞみ」に乗り、約1時間で福山駅に到着、福山駅から「こだま」に乗り換え、20分ほどで三原駅に到着、三原駅からJR呉線に乗り換え、約30分で竹原駅に到着しました。
呉線は4年前に広島から呉に行ったときにも乗った電車。
広島から三原まで海沿いを走っている電車で、今回も利用することになりました。
竹原のキーワードは、伝統的町並み、竹、塩田、頼山陽、竹鶴政孝、池田勇人、かぐや姫、ももねこです。
(1)竹原町並み保存地区
JR竹原駅を北東に向かって10分ほど歩くと、町並み保存地区と呼ばれる美観地区に到着します。
伝統的な街並みが残されている地区で、岡山県倉敷の美観地区や、鳥取県倉吉の美観地区を思い出させます。
倉敷などに比べるとやや小規模ですが、良い雰囲気の街並みを楽しく鑑賞できました。
こんな感じの街並みが続きます。
古い建物。
こちらは郵便局。
右側の黒い箱は郵便ポストで、1871年(明治4年)のものと同じ型で現在も営業しているようです。
この丸いのは何だろう?
調べてみると杉玉と言われるものらしく、酒屋の前に吊るされるのだそうです。
細い路地。
階段が現れます。
上には西方寺と呼ばれるお寺がありました。
お寺には舞台があり、街を一望できます。
(2)竹原市歴史民俗資料館
町並み保存地区の中には竹原市歴史民俗資料館があります。
外観。
元々は図書館だったようですが、現在は資料館として使用されています。
解説によると、竹原市は元々は京都の下賀茂神社の所領であったようです。
竹で有名なので、竹原という地名になったとの説が有力。
中世は小早川氏の所領であったようですが、戦国時代以降は領主が変わります。
17世紀に製塩業が盛んになり、竹原は塩田の街として栄え、大阪をはじめ、日本海回りで新潟や青森の方まで、塩の交易を行っていたいたようです。
18世紀には頼惟清(らいただすが)と呼ばれる紺屋が住んでおり、その息子が儒学者で「日本外史」の著者として有名な頼山陽です。
近代以降も、ウイスキー製造で有名な竹鶴政孝や、戦後高度成長期の内閣総理大臣を務めた池田勇人などを輩出。
製塩業は戦後まもなく廃れたとのこと。
(3)頼山陽
竹原が生んだ歴史上の人物として、まず挙げられるのが頼山陽です。
頼山陽の「日本外史」は幕末にかけて広く読まれ、尊攘運動に影響を与えたとも言われています。
町並み保存地区の南西の川沿いに設置されていた頼山陽の像。
逆光で見にくい・・・。
頼山陽の顔出しパネル。
これが頼山陽夫婦とのこと。
単に江戸期の髪型&和服の夫婦にしか見えない気もします・・・笑。
こちらは頼山陽の父親である頼惟清の家。
町並み保存地区内にあります。
庭も鑑賞できます。
部屋の物の配置バランスが心地よい。
(4)竹鶴政孝
ニッカウイスキーの創業者である竹鶴政孝も竹原の出身。
日本ウイスキーの父として有名な方のようです。
町並み保存地区にあった像。
「よいウイスキーづくりにトリックはない」のだそうです。
数年前の朝ドラ「マッサン」は、彼とその妻がモデルのドラマだったのだとか。
上記の資料館には「マッサン」に関わる情報も多く展示されていました。
町並み保存地区にはお酒に関わる建物があり、物品の販売も行われていましたが、自分はそんなにお酒は強くないので、このあたりは省略。
(5)池田勇人
近代竹原が生んだ一番の著名人は、高度成長期の内閣総理大臣で、宏池会の創始者でもあり、所得倍増計画の推進者として有名な、池田勇人です。
池田勇人の像。
こちらは竹原駅北西の福祉会館の入口に設置されていました。
上記の資料館には、大平正芳(この人も後首相になる)による宏池会発足の文書なども展示されていました。
池田勇人の宏池会はその後も大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一らの総理大臣を輩出。
現在は宏池会は少し元気がないようですが、保守本流・中道・ハト派の宏池会的なものは今後の日本政治にも必要であると感じます。
池田勇人は美術品のコレクションも行っていたようで、そのコレクションは現在たけはら美術館に保存されています。
池田勇人の生涯の紹介やその所蔵品についても、竹原市内のたけはら美術館で詳細を知ることができます。
(たけはら美術館も訪れてきましたが、これについては別の記事にまとめます。)
(6)竹
竹原はその名の通り竹で有名な地。
家の前にも竹細工が並んでいます。
溝にも竹の囲いが。
この囲いは何か意味があるのかな?
竹をあしらった壁。
道の駅も竹の意匠です。
侵入防止のコーンもタケノコでできています。
何やら可愛らしいです。
富山県の海沿いでは、このコーンがお魚でできていたことを思い出します。
地域により意匠に差があるのが面白いです。
竹まつりというお祭りも開催されるようです。
(7)かぐや姫
街を歩いていて多く見かけるのが、かぐや姫です。
竹つながりで、竹取物語との関連とのことのようです。
こんな感じのかぐや姫のイラストがたくさん。
駅のホームにも。
商店街にも。
酒屋さんにも。
橋の配管にも。
配管が緑に彩色され、管が竹に見えてきます。
竹原には「かぐやパンダ」というゆるキャラがいるようですが、あまり見かけません。
以下は数少ない(?)写真。
公式ゆるキャラよりも、かぐや姫自体の方がキャラ化しているようです。
(8)謎の猫?
かぐや姫やかぐやパンダ以上に商店街を席巻しているのが、ピンク色の猫のような、お饅頭のような、謎の丸い物体です。
おみくじの台上のピンク色のが、その謎の物体。
「ももねこ様」と崇められています。
石像にもなっており、
お賽銭箱にもイラストが。
商店街の看板も、ももねこ様で統一されています。
ももねこうちわ。
飛び出し小僧の頭上にも、ももねこが。
たまゆら、ももねこ様グッズの案内。
竹原は「たまゆら」というアニメ作品の舞台になった町のようです。
ももねこはこのアニメに登場するキャラのようです。
いっそのこと、影の薄い(?)かぐやパンダよりも、このももねこ様を公式ゆるキャラに認定した方がよいのかもしれませんね。
ももねこを追いかけているうちに遭遇した本物の猫ちゃん。
(9)その他
その他の竹原の写真など。
こちらは駅南部の港から見た瀬戸内海。
夕暮れ時の瀬戸内海、瀬戸は日暮れて夕波小波。
瀬戸内はすぐ向こうにたくさんの島が見えます。
四国の脱走者が泳いで逃げられるくらい、狭い海。
この地形もまた魅力的ですね。
こちらはスーパーマーケット「藤三」で購入したケーキ。
地場のお菓子のようです。
ホワイトチョコの甘みとレモンの酸味が美味しいお菓子。
スーパーではポテトチップスの棚がやたらと広かったです。
カルビーの本社が広島県なので、消費量が多いのかな?
広島カープのふりかけなども、普通にスーパーに売られていました。
竹原はジャムで有名なアヲハタの本社がある場所でもあります。
道の駅などでは、アヲハタの関連会社、レインボー食品の牡蠣カレーも売られていました。
広島県出身のミュージシャン、ポルノグラフィティが昔宣伝していた記憶あり。
以下、宿泊したホテルの部屋に飾られていた絵。
奈良美智のイラストです。
美術ファンとしては何やら嬉しい。
宿泊したホテルはロビーに草間彌生の作品の写真が飾られていたり、現代美術に関わりのあるホテルなのかもしれません。
次回は広島市の様子などをまとめる予定です。