近江を歩く -長命寺- | れぽれろのブログ

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6月3日の土曜日、滋賀県は琵琶湖のほとりにある、西国三十三所の第三十一番札所、長命寺に行ってきました。
梅雨入り前のお天気の良い一日、雨の季節になる前にどこかに出かけておこうと思い、ふらりと遊びに行ってきました。

長命寺は琵琶湖の南東部、近江八幡市の西側にあります。
最寄り駅はJR近江八幡駅。
JR大阪駅から新快速に乗り、滋賀方面へ。
1時間少々でJR近江八幡駅に着きました。
長命寺へはJR近江八幡駅前からバスが出ており、土日であれば1時間に3本ほどバスがあるようです。
バスに乗ること約25分、長命寺付近の琵琶湖のほとりに到着。
西国のお寺の中では、お寺付近までのアクセスは割と良い方だと思います。

しかし、長命寺の場合はここからがたいへん。
お寺に辿り着くまでに、808段の石段を上らなくてはなりません。

石段の入口はこんな感じ。


本堂まで808段との表示。

「覚悟せえよ」というメッセージが看板からひしひしと伝わってきます(笑)。

石段はこんな感じ。

石段といっても舗装された階段などではなく、草生しており、感覚的には山登りに近いです。
過去の施福寺や上醍醐を思い出します。

石段の脇に咲くお花。


登山スタイルで気合を入れて上っている人もいますが、自分はいつも通りのカジュアルなスタイルです。
足元に気を付けながら、えっちらおっちらと上ります。

続く石段。


蟻の行列を発見。


石段の脇で参拝者を待ち構えるお不動さん。


お寺に近づくにつれ、石段が綺麗になっていきます。

お寺の方が雑草など手入れしているのでしょうか。

残り100段くらいのところで、駐車場を発見。

現在は山の上まで車が通れる別ルートがあるらしく、どうも必ずしも階段を上らなくてもよいみたいです。

「健康長寿の観音さん」の表示。

長命寺はそのネーミング故か、健康長寿が売りになっているようです。
しかし、この長い階段を上ることができる時点で、お祈りするまでもなくまだまだ元気だと言えそうです。

ということで、ようやく長命寺の入口に到着。


今年の2月に上醍醐(第十一番札所)をお参りしましたが、上醍醐に比べると長命寺の石段はまだ楽な方です。
上醍醐の方がずっとたいへんで、上醍醐は石段換算すると808段の倍ほどはあるのではないかと思います。

入口の門をくぐると、まだ階段が。

これも西国のお寺のいつものパターンです(笑)。

ようやく長命寺に到着。


長命寺は西国三十三所の第三十一番札所、宗派は天台宗、御本尊は千手観音・十一面観音・聖観音と3体あるのだそうです。
開祖は聖徳太子だと言われ、それ以前の武内宿禰に纏わる謂れなどもあるようですが、開基の詳細は分かっていないようです。

こちらが本堂。

16世紀に焼失し、1522年~1524年にかけて再建された建物とのこと。
敷地内では最も古い建築物です。
お参りしてきました。

本堂の横にある謎のオブジェ。


裏側には亀のモンスターが。


本堂脇の建物の屋根にも彫像があります。


真ん中の人物を挟んで・・・


両端に阿吽のしゃちほこがいます。



しゃちほこの挟み撃ちに遭う人物の運命や如何に。

こちらは三重塔。

1589年~97年の再建。
丹塗りの外観が印象的で、なかなかよい雰囲気の塔です。

塔の横にある護摩堂。

1606年の再建。
こちらも丹塗り。

護摩堂に張る、光り輝く蜘蛛の巣。


敷地の奥には恒例の鳥居が。


奥には鐘楼もあります。

1608年の再建。

こちらは修多羅岩(すたらいわ)と言われる岩。

長命寺の開闢に関わる武内宿禰の御神体なのだとか。
武内宿禰は長寿であったらしく、長命寺の謂れと関わりがあるようです。

よく見ると敷地内には他にも巨岩があります。

古代の巨岩信仰の名残でしょうか。
元々アニミズム的な巨岩信仰のあった場所に、6~7世紀の仏教化時代を経てお寺が建てられた、ということなのかもしれません。
そういえば石山寺(第十三番札所)にも巨石がありました。
琵琶湖付近にはこのような不思議な岩がたくさんあるのかな。

鐘楼付近から見る伽藍の様子。


敷地奥の高台からは琵琶湖の端っこの入江部分と、近江の山々の景色が堪能できます。

いい景色ですねー。

琵琶湖の端っこにはお船が泊まっています。

今日もご機嫌青い空、
琵琶湖巡りの白い船。


足元にトカゲ発見。

体が溶ける爬虫類、
お腹青光り爬虫類。
熱いアスファルトの上でひからびて動けなくなったのでしょうか。


風景を堪能した後、下山することにします。


経験上、帰りの方が危険です。
転ばないようにゆっくりゆっくり、慎重に下ります。


・・・が、それでも転んで軽く尻もちをつきました、しかも2回も(笑)。
(自分はバランス感覚にあまり自信がないので、コケることを想定して下山していたので、大事故には繋がりませんでしたが。)

この長命寺の石段は部分的に険しいところもあるので、慎重に下りた方がよいです。

長命をお祈りした後で、下山の際にコケて怪我したらシャレになりません(笑)。

カジュアルな靴がよくないのかもしれません。

山のお寺詣りをするたびに、運動靴とは言わないまでも、せめてウォーキングシューズを買おうかなといつも思いますが、買わないまま現在に至っています。
普段運動をしませんので、お寺詣りのときだけ運動靴を履くと、逆に履きなれていないのでよくないかも、などとあれこれ考えたりで、結局運動靴は敬遠してしまっております。

ということで、無事下山。

バス停に戻ると竹生島の案内が。

彦根港から宝厳寺(三十番札所)に行けとの広告です。
次回はここを訪れようかな。


ということで、長い石段と巨石のお寺、長命寺でした。


・・・西国三十三所、残り七所。