紀伊半島ぐるり一周の旅⑤ 鳥羽 | れぽれろのブログ

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旅行記の続き、今回が最後の記事となります。
旅行4日目の5月2日は鳥羽方面を観光してきました。
訪れたのはミキモト真珠島と鳥羽水族館。
今回はとくに写真点数が多いので、ご興味のある方は覚悟して(笑)ご覧ください。

5月1日のお昼に伊勢市内に雹が降った後、伊勢方面はかなり暖かくなりましたが、翌5月2日は空気が冷たく、少し肌寒い朝でした。
前日の気温が約25℃で、この日の朝の気温は約15℃、寒暖の差が激しいです。

お天気が良いので気分よく鳥羽方面へ。
近鉄線で伊勢市駅から鳥羽駅に向かいました。

20分ほどで鳥羽駅に到着。


海沿いを歩きます。
海の向こうには伊勢湾と太平洋の境界あたりの島々が。


しばらく歩くと真珠島が見えてきました。



(1)ミキモト真珠島

ミキモト真珠島は、真珠の生産が行われている島です。
名前は真珠の養殖を実用化した御木本幸吉に由来します。

御木本幸吉の像。


こちらは真珠博物館。

真珠の生産工程の解説や、世界の様々な真珠を用いた装飾品などが展示されていました。

博物館での解説によると・・・。
真珠はアコヤガイによって生産されます。
アコヤガイの体の周囲には貝殻を生成する部位(外套膜)があり、この外套膜と異物がたまたまアコヤガイの体内に埋め込まれることにより、天然真珠ができるのだそうです。
御木本幸吉はこの作用を利用し、人工的に球形の綺麗な真珠を生産することに成功しました。
別の貝殻から生産した球体と外套膜の断片を、手術によりアコヤガイの体内にセットで埋め込むと、外套膜の作用により球体の周囲に光沢のある薄い層ができていきます。
この薄い層が何層にも重なって真珠が完成します。

手術を施したアコヤガイから真珠が生成されるのは3体に1体ほど。
残りのアコヤガイは死んでしまうのだとか。
真珠が生成された場合でも、形がいびつなものは売り物になりませんので、綺麗な真珠として販売できる確率は比較的低いようです。
ひと粒の真珠の向こうには、複数のアコヤガイの死が隠されています。

完成した真珠は当然それぞれ大きさが異なり、色合いも白・黄色・青・ピンクと微妙に異なります。
ネックレスにする場合はこれらの大きさと色合いを合わせて接続する必要があります。
これらのネックレスのための真珠の選別は機械化は行われず、人が実施しています。
見た目の綺麗さが重視されるため、どうしても人間の眼で選別する必要があるようです。
真珠の装飾品の生産にはかなりの手間暇がかかっており、値段が高いのもうなずけますが、装飾品販売コーナーで値札を見ると、やはり目玉が飛び出ます(笑)。

こちらは御木本幸吉記念館。

御木本幸吉の生涯がまとめられていました。

真珠島のお隣にあるのは鳥羽水族館。

ここは後ほど訪れます。


(2)海女の作業

ミキモト真珠島では実際の海女の作業を鑑賞することができます。

この日の朝は風が強く肌寒いです。
少し厚着してきて良かった、と思うくらいの日。
水温も低そうですが、作業は普通に行われるようです。

海辺に作業場があります。この海の底にはアコヤガイが。


お船に乗って海女さんがやってきます。

放送により海女さんが紹介されます。
「大きな瞳で貝を発見する○○さん」といったように紹介され、観光客向けに海女さんがキャラ化されているようです(笑)。

海女は垂直に潜ります。

 

水中深く沈んでいき、


貝を取って浮上してきます。

この作業が繰り返されます。

機械化が進んだ現在、海女という職業が必ず必要であるというわけではなく、鳥羽以外の真珠の生産地の多くでは海女さんはもういないのだそうです。
鳥羽では観光を兼ねて現在でも海女が作業をしており、地元の女の子は中学生くらいから見よう見まねで海に潜るようになり、その中の一部の子がやがて海女になっていくのだそうです。

作業が終了、手を振ってお別れです。


バイバイ。

真珠の海に浮かぶ黒い鳥。


真珠島付近には観光用のお船も浮かんでいました。


金色の浦島太郎と亀。


乙姫様とタイやヒラメのキッチュなデコレーション。

ずいぶんケバケバしいお船です(笑)。

出向する浦島号の様子。



(3)鳥羽水族館

さて、ミキモト真珠島を観光した後は、お隣の鳥羽水族館を訪れることにしました。

水族館付近の郵便ポストにはラッコの装飾が。


こちらが水族館の入口。


自分は水族館を訪れるのはずいぶん久しぶりです。
子どもの頃に大阪の海遊館を訪れて以来です。
この鳥羽水族館はお魚だけではなく、様々な水辺の生き物も生息しています。
水族館としての規模は相当大きいのではないかと思います。
館内はアクセスフリーとなっており、順路はなく好きな順番で鑑賞できるようになっています。


まずは深海魚などの綺麗なお魚のコーナーから鑑賞することにします。

色とりどりの綺麗なお魚が鑑賞できます。

 

 

 

綺麗で可愛らしいお魚たちです。

水槽の中にはエビのような巨大な甲殻類も生息しています。

グッピーとザリガニを同じ水槽に入れると悲劇が起こる、というのは漫画「ちびまる子ちゃん」から得られる教訓(笑)ですが、一緒に入れてて大丈夫なのかな・・・。


続いては日本近海のお魚のコーナー。

こちらは深海魚に比べるとずいぶん地味です。
解説にはマダイ、カンパチ、ブリなどのお魚の名前も並んでいます。
美味しそうなお魚たちです。

こちらは有名な指揮者ホルスト・シュタイン
・・・ではなく、コブダイのようです。



カニやヒトデ、色合いが綺麗です。


にらみ合うエビとウツボ、一触即発。


こちらは電気ウナギ。


会場には放電の様子が確認できるようにオシロスコープが設置されていましたが、波形はぜんぜん動きませんでした。


 

続いては「古代の海」と名付けられたコーナー。

アリゲーター・ガー。

アメリカ大陸に生息する巨大な淡水魚。
おそろしや。

サメの類もたくさん泳いでいます。


古代生物を思わせる貝。


カブトガニ。



こちらは「人魚の海」のコーナー。

ジュゴンがいました。
優雅に泳いでいます。

巨大なカメも。



寒い地域の静物たちは「極地の海」と題されたコーナーに生息していました。

背泳ぎで泳ぐラッコ。

 

イロワケイルカ。

白と黒の体の模様が綺麗です。
彼らは泳ぐのが速いので、写真撮影が大変です。

親子で泳ぐ様子が可愛らしい。


こちらも寒い地域に生息するアザラシ。

水上で休むアザラシに、別のアザラシが水中から小突いていたずらしたりしています。
ラッコやイルカやアザラシのいるこの「極地の海」が、鑑賞していて最も楽しかったです。


続いては水辺の生き物のコーナー。

1時間に1回ほど、定期的にショーが開催されます。

こちらはペンギンのお散歩の様子。

ショーは大混雑です。
人の頭でぜんぜんペンギンが見えません。

ショーの時間は水槽前の人が減るので、この時間こそ他の生き物をのんびり鑑賞するチャンスです。

ペンギンもゆっくり鑑賞できます。


優雅に泳ぐペンギンくん。


巨大なトド。


セイウチは意外と人間に慣れていて可愛らしいです。


ガラス越しに人間にじゃれついてくるセイウチくん。


カピバラはお昼寝中。


かわうそくんもいます。

下の人などいない!(by 「伝染るんです」)

優雅に眠るかわうそくん。ハワイの夢を見ているのでしょうか。


こちらは「少年アシベ」でも有名な、ゴマアザラシのゴマちゃんです。

 

ゴマちゃんの顔はなかなか愛嬌があります。


サカタの兄ちゃんの気持ちが分かるような気がします。

1990年前後の古い漫画ネタが続いたところで、水辺の鳥たち。

大口を開けるペリカン。

口はかなり大きいです。
柵にピントが合ってしまい、ちゃんと写ってないのが残念。

皆一様に片足をあげて水を飲むフラミンゴ。



さて、最後は熱帯の爬虫類たちのコーナーです。

イグアナ。


巨大なトカゲ。

 

80年代に一世を風靡したウーパールーパー。


いろんな種類のカメがたくさんいます。

 

 

かなり巨大なカメも。


スリップ注意の案内も、カメさんの出番です(笑)。


こちらはカメレオン。

あまり保護色になっていない気がします。
外敵がいない環境では警戒が緩むのでしょうか。

巨大なワニがいました。

この写真では剥製のようにも見えますが、本物です。

口とキバ。

あなおそろしや。


ということで、ボリュームたっぷりの水族館でした。
1時間程度ではとても回りきれない規模です。
鑑賞される方は、3時間は予定しておいた方がいいと思います。

水族館から見る海の様子。

すぐそばには渥美半島行のフェリーが出ています。
鳥羽から渥美半島は目と鼻の先。

先ほどのミキモト真珠島の様子。



(4)伊勢うどん

3泊4日の旅行もおしまい。
近鉄特急で大阪まで戻ることにします。

帰る間際に、前日に食べられなかった伊勢うどんを頂きました。
自分は伊勢うどんを食べるのは初めて。
丼の底に入れられた濃厚なつゆの上に、太くてモチモチした食感のうどんが盛られます。
麺はコシがないので、讃岐風の歯ごたえを期待すると、裏切られます。
関西風の薄味ともずいぶん違います。

濃いつゆに絡ませながら美味しく頂きました。


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ということで、この日の夕方に大阪に戻ってきました。
3泊4日の旅行は久しぶり、のんびりと楽しむことができました。

今回は美術館は訪れませんでしたので、次回の旅行はまた地方都市の美術館をメインに検討しようかなと考えています。