紀伊半島ぐるり一周の旅③ 勝浦・新宮 | れぽれろのブログ

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紀伊半島一周旅行、第3回。
旅行2日目の4月30日、那智山を訪れた後、バスでJR紀伊勝浦駅前まで戻ってきてからの記録です。
夕暮れまでまだ時間がありますので、勝浦と新宮の街をウロウロしてみることにしました。


(1)勝浦駅前

こちらがJR紀伊勝浦駅です。

この駅前から那智山行のバスが出ています。
駅にも「西国三十三所草創1300年」の表示があります。

勝浦駅前は商店街になっています。

目につくのは、まぐろのお店。
生まぐろ丼を売りにしているお店がたくさんあります。
この日は特急「くろしお」のダイヤの都合上、朝が遅めだったのでお昼はおにぎりを持って行きましたが、今考えるとまぐろ丼を食べればよかったなと思います。

まぐろが売りの街ですが、駅前にあるのは・・・

佐藤春夫の秋刀魚の歌。
佐藤春夫は那智勝浦町の隣の新宮市の生まれなのだそうです。
さんまをくらひて思ひにふける・・・。
暖かな4月最終日のイメージとは少し乖離があります(笑)。

世界遺産と温泉と生まぐろの町。


まぐろは資源の枯渇が心配されている生き物です。

水産業の長期的な維持のためにも、漁獲制限は確実に実行して頂きたいと思います。


(2)勝浦港

商店街を東に向かって歩くと、すぐに海に出ます。

こちらが勝浦港。マグロのかつうら。


海の向こうの島々の様子。

独特の形状をした島の様子が確認できます。
勝浦の海は紀の松島とも言われ、風光明媚な場所です。
現在勝浦の港がある部分は元々は陸地で、長い年月を経て海面が上昇し、現在の姿になったのだそうです。
この写真だと島と島の距離感が少し分かりにくいですが、船で周遊するともっと綺麗な風景が堪能できるようです。

くじらの形をしたくじら号。

この船で周遊できるのかな・・・。

海は真っ青です。

山の緑を反映してか、和歌山の海は大阪で見る海よりずっと青い気がします。
海を眺めるだけで心地よい。

前日訪れた田辺は夕日が沈む海でした。
勝浦は東側に海がありますので、ずいぶん海の雰囲気が異なります。
大阪に住んでいると、海=日が沈むというイメージがありますが、勝浦はその逆、日の出の風景が綺麗なのだろうと思います。

山の上に見えるのは、「ホテルうらしま」の表示。

宿泊すると100年くらい時間が経過しそうな名前のホテルです(笑)。
勝浦は土地の起伏が激しく、海のすぐそばに高い山があります。
その山にホテルがあるようです。

電車の本数が少ないので、日が暮れる前に早めに新宮に向かうことにします。


(3)新宮駅前

JR紀伊勝浦駅からJR新宮駅へは、普通列車で25分、特急で17分です。
電車の本数は少なく、15時35分を逃すと17時台まで電車がありません。
この日の宿泊先は新宮市内ですので、早めに新宮へ。

こちらがJR新宮駅。

何やら南国の駅という感じがしてきます。

新宮市は先ほど登場した佐藤春夫の他、中上健次の生まれ故郷でもあります。
少し見にくいですが、新宮市ゆかりの文化人たちの看板。

左上から順に、畑中武夫、佐藤春夫、東くめ、中上健次、村井正誠、西村伊作。


(4)徐福公園

駅のすぐ近くに徐福公園がありました。

ご覧の通り、中国風の派手な門構えです。

公園内にある徐福の像。

 

徐福は中国は秦の時代の人物で、不老不死の薬を求めて海に出たのだとか。
そして辿り着いたのがこの新宮の町・・・と言われていますが、徐福伝説はこの新宮だけではなく、日本各地に言い伝えが残っているようです。
田辺市の主役は弁慶でしたが、こちらは徐福が重要人物のようです。

こちらが徐福のお墓。

徐福はこの地に辿り着き、「楽しい国よこの熊野、ここが本当の蓬莱だ」と喜んだのだとか。
ほんまかいな。

漢字が並んだ池。

字面のイメージから、何やら徳が高くなった気がします(笑)。

徐福公園は門のイメージに比べて敷地は狭いですが、公園内の解説の文章も面白く、のんびり休める駅前のスポットとなっていました。


(5)浮島の森

新宮駅から西に少し歩くと、「浮島の森」というスポットに辿り着きます。
約96m×55mの小さな小島ですが、この島は池の中にあり、多数の植物の遺体が集まって形成された浮島となっているとのことです。
大変珍しい島らしく、島自体が国の天然記念物に指定されています。
この浮島がなかなか面白かったです。

こんな感じで、池の上に森が浮かんでいます。






脇道を伝って歩いて行きます。


森の中にはお花が。





白、青、ピンク、いろんな色の花が咲いています。
季節によってはもっと綺麗に咲き乱れるのかも。

通路を伝って森の中(浮島の中)へ。

森の中はたくさんの植物が生い茂っていました。
ひんやりと冷たいです。

こちらが最も印象に残った木、サカキカズラ

木に木が巻き付いています。

上の方にも枝が巻き付く。



複雑な巻き付き具合です。
木が木を締め付けているように見えますが、これは共生しているのかな・・・?
つる植物というのはありますが、こんな大きな巻き付く枝もあるのですね。

こちらは蛇の穴。

少しわかりにくいですが、下の方に穴があります。
その昔、「おいの」という娘がこの浮島の森で大蛇に飲み込まれたのだそうです。
これがその穴なのだとか。
おいの伝説は上田秋成の「雨月物語」の「蛇性の姪」のモデルになったのだそうです。

森の中には派手に倒れている倒木もあり。




ときどきピンクのリボンが表れます。

これは何なのだろう。

リボンに植物名が表示されているケースもありますが・・・

この幹はどうもシダ植物ではなさそうです。
信憑性のほどは如何に・・・?

出入り口にあったおいのの像。

蛇に飲まれた女の子ですが、なぜか蛇を抱いています(笑)。


(6)風邪ひき・・・?

この日、那智山あたりからどうものどが痛くなってきました。
前日夕方の田辺の海で、冷たい風に当たりすぎたのかな。

新宮の中で最も有名な観光地は、熊野速玉大社です。
ここもぜひ見てこようと思いましたが、日が傾いており、少し体調も良くないので、早めに休むことにしました。

こちらは新宮城跡。

後で確認したら、熊野速玉大社はここから西に1kmもありません。
行けばよかったかなと思いますが、この日は大事を取って早めにホテルへ。

案の条、夜になると鼻水がたくさん出てきました。
暖かくしてゆっくり休み、翌日に備えます。


ということで、続きます。
次回は旅行3日目、超有名観光地と、その中に潜むカエルが主なテーマです。