福井を歩く -交通・食・言葉など- | れぽれろのブログ

れぽれろのブログ

美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

8/12,13の2日間、福井県に遊びに行った件のまとめ。
前々回は福井県立美術館について、前回は坂井市の東尋坊について書いてみました。
今回の旅はこの2ヶ所の訪問がメインでしたが、それ以外の体験や都市の様子などについても少しまとめておこうと思います。

 


◎幸福度


福井県は幸福度No.1の都道府県です。
3年前に北陸に遊びに行ったときの記事でも少し書きましたが、法政大学がまとめている都道府県の幸福度調査によると、1位:福井県、2位:富山県、3位:石川県となっており、北陸3県がベスト3だとされているようです。
http://www.japan-now.com/article/234337075.html
ちなみに、自分が住んでいる大阪府の幸福度は全国最下位となっています(笑)。


福井県の図書館であれこれ書籍をあたったところ(歩き疲れたので図書館で休憩しておりました 笑)、福井県は雇用が安定しており正社員の比率が極めて高く、超有名企業などはないですが地味でも安定した企業がたくさんあるのだとか。
家族のコミュニティ意識が強く、それゆえか中小企業が強い地域。
産業は昔から繊維工業がメインだったようですが、戦後はやや衰え、現在では電気電子部品、鯖江の眼鏡、そして原子力発電所などが主要な産業。
原発が雇用の安定化・幸福度の上昇につながっているというのは何ともアイロニカルな気がしますが、福島の原発事故以降、超歴史的にみると原発は確実に斜陽化する産業だと思いますので、今後産業構造がどう変化していくのか、興味があるところです。

 


◎嶺北と嶺南


福井県は大きく分けて嶺北地方と嶺南地方に別れるのだそうです。
嶺北が旧越前国、今回自分が訪れた福井市や坂井市は嶺北です。
嶺南地方は旧若狭国、若狭湾に面した地方で、西側はもう京都府舞鶴市です。
嶺北と嶺南は長い長い北陸トンネルで繋がっています。
先ほどの繊維産業云々は嶺北、原発は若狭湾岸に密集していますのでこちらは嶺南。
前回の記事から福井福井といっていますが、自分が訪れたのは嶺北ですので、以下の特徴もすべて嶺北地方のものです。
いずれ若狭方面にも遊びに行ってみたいですね。

 


◎えちぜん鉄道


福井県には福井鉄道やえちぜん鉄道などのローカル線が走っています。
坂井市三国方面に向かう際に、自分はえちぜん鉄道を利用しました。


このえちぜん鉄道、飛行機の客室乗務員あるいはバスガイドさんのようなお姉さんが、列車内に1人必ず存在しているのが面白いです。
最初は車掌さんなのかなと思いましたが、どうも列車の運行に関わる行為は行っていないようで、切符の販売・回収や乗換案内、車内アナウンスなどの事務作業を1人で取り仕切っている様子。
えちぜん鉄道は無人駅が多く、無人駅から乗車した場合は入口で整理券を受け取ると、乗車中にお姉さんがやってきて切符をお姉さんから購入するというシステムになっています。
なかなか物珍しい気がしますが、他のローカル線でもこのようなケースはあるのでしょうか?


えちぜん鉄道三国葦原線は田んぼの中をのんびりと走っていく列車、今回の旅で4回乗車しましたが、なかなか良い感じの沿線です。
終点の三国港には海水浴場があるためか、昼間でも結構乗車率は高かったように思います。

 


◎海鮮丼


福井の食べ物といえば、海鮮丼、ソースカツ丼、おろしそば、ということになるようです。
前回も少し書きましたが、自分は東尋坊付近の商店街で海鮮丼を頂きました。
越前だからか、やはりカニの比率が多い海鮮丼となっていました。
いろんな海鮮がふんだんに入っている丼でしたが、とくにウニとエビが美味しかったように思います。
2年前に静岡の清水港で食べた海鮮丼はマグロたっぷりで、大トロや中トロがとにかく美味しかったのが非常に印象的でしたが、福井のはもう少し万遍なくいろんな味を楽しめる海鮮丼になっていました。

 


◎ソースカツ丼


1日目の夜はソースカツ丼を賞味。
カツ丼といえば出汁+卵とじというのが一般的ですが、福井のはさにあらず。
3枚のヒレカツがごはんの上にどかんと乗っかっており、ソースがかかっています。
ソースは少し出汁の味がします。
だし醤油ならぬだしソースといった感じで、独特の風味が楽しめる味になっていました。
海鮮丼は値が張りますが、ソースカツ丼は安価で美味しく満腹になりました。
福井駅周辺にはソースカツ丼のお店がたくさんあるので、気軽に食べられる名物のようです。

 


◎おろしそば


2日目のお昼はおろしそばなるものを頂きました。
おろしそばといってもいろんな食べ方があるのかもしれませんが、自分が食べたお店では、大根おろしがサラッと溶けたおつゆが付属されており、それをおそばにかけても良し、おそばをつけてもよし、といった感じの食べ方でした。
自分は天ぷら付きのおろしそばセットを頼んだのですが、一般的にはおそばにおろしがかかっているタイプが普通なのかもしれません。
このおろしそばの良いところ、食後に蕎麦湯を飲む際に、微量の大根おろしが意外と蕎麦湯にマッチし、なかなかいい感じで美味しかったです。
蕎麦湯の意外な楽しみ方を知った感じ。

 


◎言葉


福井の言葉はかなり独特です。
ウィキペディアのアクセント分布地図によると、福井県北部は「曖昧アクセント」と「無アクセント」が混在した地域のようです。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/10/Japanese_pitch_accent_map-ja.png
若狭地方や嶺北の東側は京阪式アクセントのようですが、福井市や坂井市はそうではないようです。


以下喋り方の例、太字にゆるいアクセントが来てあとは平板です。
 「770円です」 → 「ななひゃ ななじゅうえんです
 「エレベーターが故障して動きません」

   → 「エレベーター こしょうし うごきません
と、こんな感じ。
(過去自分が訪れた地域の中では、この喋り方と一番イメージが近いのは宮崎県だと思います。)
この福井の喋り方ですが、道行く人の話し方を聞いていると、こういう言い方は失礼かもしれませんが、なんというか、可愛げがあります(笑)。
なんかいい感じで福井の喋り方は気に入りました。

 


◎恐竜


福井の意外な一面、どうも福井は恐竜王国のようです。
フクイサウルスやフクイラプトルといった恐竜の化石が発見されており、福井県東部の勝山市には県立恐竜博物館なるものが存在しているようです。


JR福井駅の壁面はこんな感じです。


駅前には恐竜の彫像が。


こちらがフクイサウルス。


フクイラプトル。


にらみ合う2匹。


このでかいのがフクイティタン。


各都市の主要駅の駅前には現代美術の抽象彫刻などが設置されているケースが多いですが、恐竜の彫像というのはなんとも珍しい気がします。


駅の壁面をぶち破って突進してくるトリケラトプス!


えちぜん鉄道の勝山方面行きにはお子様を含む家族連れの方が多かったですが、これは恐竜博物館に向かう一団だったのかもしれません。
お子様から電話で質問を受け付けるNHKのラジオ番組「夏休み子ども科学電話相談」のファンの方によると、このラジオ番組、恐竜がテーマの回には恐竜に異様に詳しいマニアのお子様からの質問電話がかかって来て、恐竜専門の先生との間で、一般リスナーそっちのけで(笑)マニアックな会話が続くのが恒例なのだそうです。
そのようなお子様たちにとっては、福井県というのは実は「聖地」なのかもしれませんね。

 


以上、福井県嶺北地方のあれこれでした。