岐阜を歩く -谷汲山華厳寺- | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

まずは熊本の震災に遭われた方々に対し、お見舞い申し上げます。
自分は15日は終日奈良・京都方面へ仕事で出張、
16~17日にかけては岐阜に旅行に行っておりました。
過去記事でも書きましたが、どうも自分が遠出するタイミングでなぜか

地震や水害が起こることが多く、今回も出張先や旅先で常に熊本の状況が

気になり、ニュースや地震速報を参照しつつ移動していました。


21年前の阪神大震災の際、被災地では「このあともっと大きな地震が来る」

という流言が発生しました。
このような流言は根拠のないことだと思っていましたが、
今回は本当にもっと大きな地震が最初の地震のあとに発生したので、
こういうケースもあるのだなと非常に驚いております。
この記事を書いている最中も熊本では余震が続いていますし、
まだまだ予断を許さない状態のようです。
このブログで読者登録させて頂いている方の中には九州方面の方もおられ、
被災されて避難されている方もおられます。
改めてお見舞い申し上げるとともに、ご無事をお祈りしております。

 

 

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さて、このブログはいつものペースで続けます。
16日の土曜日、岐阜県に遊びに行ってきました。
目的は谷汲山華厳寺、西国三十三所の第三十三番札所です。
華厳寺は西国三十三所の最後のお寺であると同時に、
三十三所の最東端、唯一近畿地方ではなく中部地方にあるお寺です。


自分は学生時代に飛騨高山に遊びに行ったことはありますが、
それ以来岐阜県を訪れたことはありませんでした。
今回は19年ぶりに岐阜県を訪れたことになります。
果たして岐阜とはどんな土地なのか。


華厳寺は岐阜県の西側、揖斐川町というところにあります。
公共交通機関を利用する場合、JR東海道本線の大垣駅から樽見鉄道という

路線を利用し、鉄道とバスを乗り継いで向かう必要があります。
樽見鉄道は1時間に1本未満、いわゆる時刻表ならぬ地獄表のようです。
今回は華厳寺以外にも寄りたいところがあるので、
時間を短縮するためにレンタカーを借りることにしました。


新幹線「ひかり」で新大阪から岐阜羽島駅へ、
名古屋鉄道(名鉄)で新羽島駅から名鉄岐阜駅へ、
新大阪から1時間30分ほどで岐阜市に到着。
これが最短ルートかと思っていましたが、
新幹線「のぞみ」で一旦名古屋に出てJRで岐阜へ向かった方が
どうも時間的には早いようです。(あとで気付きました・・・笑)。


岐阜駅界隈で早めの昼食を取った後、車を借りていざ華厳寺へ。
国道157号線に沿って北西へ走り、県道40号線に入り、
岐阜市中心から約45分程度で華厳寺前の商店街に到着しました。

早く着いたのはいいですが、車を利用すると、どうも電車とバスを

利用したときのような「はるばるやってきた!」という実感が湧きません・・・笑。


商店街付近に車を停め、華厳寺の山門までトコトコ。
たくさんの食べもの屋さんやお土産物屋さんが並ぶ商店街、
道の両側に桜の木が並んでいますが、この日はもうほとんど散ってしまい、
緑の葉っぱの間にわずかにピンク色が見える程度。
もう1週間早いとお花見のお客さんで混雑していたと思われます。

 

皆さん地震の状況が気になるらしく、商店街のお店の方も、

熊本の地震の話でもちきりでした。


しばらく歩くと山門が見えてきました。
こんな感じ。


山門をくぐるとお寺の敷地内。


それなりに広い敷地で、見どころのたくさんあるお寺でした。


華厳寺の起こりは8世紀末の798年、

大口大領なる人物により建立されたとのこと。
宗派は天台宗で、ご本尊は十一面観音像。
西国三十三所巡りでは最後に訪れる、いわゆる満願のお寺なのだとか。
自分は札所順ではなく、バラバラに好き勝手にお参りしていますので、
ぜんぜん最後ではありません。


お寺の解説の看板。


自分はお寺の謂れなどの解説にはいつも目を通します。
この華厳寺、解説の文字がはげ落ちており、ちゃんと読めません(笑)。
ちなみに、解説が読めないのは、西国三十三所で初めてです。


階段を上がったところには本堂が。


本堂のアップ。

お参りしてきました。


石碑にもちゃんと「満願霊場」と書かれています。

やはり最後に巡るべきお寺だったようです・・・。


さらに階段を上ると奥には・・・。


満願堂なるお堂がありました。


このお堂の周りには、どういうわけかたくさんのたぬきがおられました。

 


どことなくユーモラスなたぬきたち。

 


見ざる言わざる聞かざる・・・のたぬきバージョン?


さらに山の奥に向かうと、西国三十三所各所の観音様を象ったと思われる

仏像が並ぶ山道が続きます。
山道に他三十三所の仏像が並ぶのは圓教寺と同じパターンですが、
こちらは像同士の間隔が広く、どこまで続くのかという感じです。


こちらは第四番札所、施福寺の観音像。


第八番札所、長谷寺の観音像。

過去に訪れたお寺、懐かしい想い出がよみがえります。


どんどん山奥へ入って行きます。

こんな感じの山道が続いていました。

 

どこまで続くのか不明なため、第十番札所、三室戸寺で引き返すことにしました。


こちらは本堂の横の鐘。


このお寺、仏像が多いです。


大きな二体の像。

写真ではスケールが分かりにくいですが、大人の2倍ほどの高さの像です。


水を灌ぐ仏様。


誰かに似ている?像。


仏様の足元にすがる老人たち。


地蔵菩薩さま。


修行僧?


苔が生えており、いかにも苦行僧といった雰囲気です。


こちらの老人も苔むしています。


お賽銭を入れる象の像。


象さんは近世日本画の白象のようです。
目の形も日本画から出てきたような感じ。


この華厳寺、畿内のお寺とはどことなく雰囲気が異なります。
畿内の多くのお寺は観光地化し、敷地内の案内やパンフレットなど、
観光地として気合の入っているお寺も多いです。
入場料が必要なお寺も多く、お寺の中では決まってお土産が売られています。
ところがこの華厳寺、お寺の敷地内に入ると観光には

あまり力が入っているようには見えません。
入場無料、パンフレットもありませんし、看板は上記のとおりはげ落ちています。
なんとなく、世俗化が徹底していない?という感じを受けたりします。


ところが、お寺の仁王門(山門)を後にし、
商店街に入ると一気に観光地化します。


こんな感じの商店街。

お土産物屋さん、食べ物屋さんが並びます。


恒例のゆるキャラ撮影シリーズ。


「いのりちゃん」というキャラクタが、どのお店の門前にも立っています。


顔出しパネルと化したいのりちゃん(笑)。


ポスターにもいのりちゃんが。


ところがこのいのりちゃん、お寺の敷地内には一切存在していません。
商店街のみのキャラクタのようです。
普通にお寺の中にいた過去の「おおつ光ルくん」などとは少し違うようです。

世俗/聖地がきっちり分離されているという感じ。


自分は割と葉桜が好きです。


緑とピンクのゴーギャンカラー。


とうことで、約2時間あまり、楽しくお寺をウロウロしました。
車に乗って元来た道を引き返します。
岐阜市内の次の目的地に向かいますが、これ以降はまた次回に。

 

 

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ところで今回、(いまさらですが)カーナビの便利さにびっくりしました。
自分の持っている車にはナビは付いておりません。
今回はナビ付きのレンタカーだったのですが、このナビが異様に便利です。
自分は車であまり遠出をしませんが、その大きな理由が、
「道を調べて気合を入れて運転するとすぐに疲れてくる」からなのです。
ところがカーナビがあると、だいたいの道順(何号線から何号線へ、とか)を
覚えているだけで、後は画面を見ながら適当に走っていると、

何も考えなくても目的地に着きます。
これは楽すぎる・・・笑。
少し先の交差点まで画面上に表示されますので、
目標の交差点の少し前に右折レーンに入っておくとか、事前準備も楽々。
少しルートから外れてもすぐに復帰できますし、
ドライブ時の疲労の5割くらいが、ナビによってキャンセルされる感じです。


ということで、我が家の車にも(いまさらながら)ナビの導入を

検討しようかと考え中。
世間より10数年遅れて生きている感じですね・・・笑。

 

 

西国三十三所・・・残り14所

 

(つづく)