退職 | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

このブログは自分自身の日々の暮らしのことや仕事のことなどは
ほとんど書いておらず、どちらかというと趣味や嗜好のこと、
あるいは旅行等の一人遊びなど、
「もうひとつの日常」とでもいうようなことを
ずっと書いてきました。
個人的な仕事のことや家族のこと、交友関係のことのことなどを書いても
あまり面白くないと思いますし、どちらかというと日常の雑多なことを忘れるため、
生活の息抜きのために、
好き勝手な記事を書いてきたという側面も
あったりします。

しかし、この度ちょっと大きな生活の変化がありました。
大学卒業後、長年に渡り務めてきた会社をこの5月末で退職することになり、
この変化は割と大きいので、少し今の考えや経緯などを書き留めておこうと
思います。


自分は2000年の4月に新卒で現在勤めている企業に就職し、
15年間勤務してきました。
製造業(具体的な企業名は差し控えます)なのですが、
はっきり言って斜陽産業と言える分野で、実は就職活動のときから
「この業種はいずれ没落する」ということは分かっていたのでした。
それでも自分はこの分野に愛着があったため、この企業を希望し就職しました。
90年代までは順調に収益をあげていた企業で、2000年代に入ってからも
経営は順調、とくにゼロ年代前半はIT化の流れと北米の好況を受けて
売上高は非常に好調でした。
しかしゼロ年代後半以降は売上高は減額続き、とくにリーマンショック以降は
経営的にも非常に厳しくなり、会社は何度か構造改革を行うことになりました。
上場企業のため、収益が大幅に減った場合は、資本金を減額したり
上場を廃止したりして経営規模を縮小するか、それとも何らかの策を以て
上場を継続するかの選択を、市場から迫られることになります。
結局会社は上場を継続し経営規模を維持する選択を行い、
M&Aで他企業を買収して子会社化するなどして経営を堅実に維持、
利益の出る体制を作り出すことに成功します。
買収した子会社の収益が上がる一方、元々の本業の方についての収益は
下がり続けるという構造は変わらず、結局また何度目かの構造改革を実施、
早期優遇退職制度を敷き希望退職者を募集することになりました。

会社の人数が減って行くと、当然社員1人1人の仕事負荷は増えることになります。
とくに自分はここ数年はかなり膨大な仕事を処理していました。
それでもできるだけ早く帰るようにし(逃げるように帰っていました 笑)、
心身の安定を図るため(?)、仕事とは関係のない記事を書き続けていたという
経緯があったりします。
体調もあまりよくなく(実は今は腰痛が結構酷かったりします)、
「もし次に希望退職者を募集するなら絶対にやめる」と決めていたのでした。
そしてこの4月に構造改革の話が出てきたため、退職を希望することにしました。
といっても、仕事がないような部署に所属していたわけでもなく、
半ば指名解雇のように会社から退職を斡旋される立場でもないので、
簡単に退職できるわけもなく、自ら退職を希望する場合は対象者に
認定されるまでが大変で、さらに引継ぎやら何やらの退職までの準備も大変。
なので、実はこの5月はかなり多忙だったのでした。
あれやこれやで最終出社日の月末金曜日までに引継ぎは無事完了し、
本日を以て正式に離職することになりました。

ということで、この6月以降は転職準備のフェーズに移ります。
しかし、しばらくはちょっとのんびりしたいなと思っています。
のんびしりしているうちに不安が募って早く就職しようとするか、
それとものんびりに慣れて働くのが嫌になるか(笑)、
これから先どうなるかは自分でも予測できません。
自分は根がのんびり屋さんなので、忙しさから逃れられると
心からのんびしりしてしまいそうな気もします(笑)。
実際自分以外の退職者は退職前から次の職探しや各種手続きの準備を
進めている方も多いですが、自分はまだ何にもしてなかったりします。
(というより、引継ぎが忙しくてなかなか時間が取れなかったという面が
大きいのですが。)


退職するにあたり改めて気付いたことを2つほど。

まずは職務経歴の重要性です。
20代の転職ならまだゼロからの再スタートも可能ですが、
30代になると再就職をするにも、自分自身が何を経験してきたのか、
自分自身何ができるのかが重要になります。
転職のための履歴書や職務経歴書などは自分はまだ準備していないのですが、
経歴の整理、自身の過去の業務の棚卸を進めるにあたり、
「マジメに仕事してきてよかったな」と心から思います。
実際あまり内容のある仕事をせず、それでいてうまく立ち回っているような人も
いるのですが、こういう人はいざ再就職する段になると、職務経歴書に書くことが
ないのではないかと思います。
なので、この記事をお読みの皆様に於かれては、
ぜひとも真面目にお仕事をされることをお薦めします。
(←いまさら何を書いているのか、と思われるかもしれませんが 笑。)

しかし、同一の業務ばかりずっと続けているという働き方では、
その仕事をやめてしまってからのためのキャリアがなかなかアップしません。
同一の単純作業を延々と繰り返して、それでいて労働時間だけは長いという
職種は、ひょっとしたら最も不幸なのではないかと思います。
なので企業内・組織内でのジョブローテーションは非常に重要、このようなことは
社会的に制度付けるようなことがあった方がよいのかもしれません。


もうひとつは日本の公的保険制度が充実していることです。
日本の労働者は在職中、税金以外に健康保険・年金保険・雇用保険を
支払い続けています。
雇用保険のおかげで、離職するにあたり失業手当が給付されるので、
当面生活に困ることはありません。
失業給付は勤続年数や収入に比例して手当の額が大きくなり、
さらに早期優遇退職制度による会社都合の退職となると、
支給期間が大幅に伸びます。
なので、自分の場合当面ブラブラしていても(笑)大幅に貯金を取り崩す必要性は
発生しません。
(もちろん、失業手当は再就職活動を実施する場合において支給されますので、
本当に遊んでるとダメなのですが。)
また健康保険についても非常に充実しており、
高額医療費の限度額制度などもあって、保険適応外の治療などを行わない限り
医療費が相当に高額になることは非常に少ないのではないかと思います。
民間の医療保険、とくにがん保険等の特約など、何のために加入すのか
自分にはちょっとよく分からないくらい公的保険が充実していると感じます。

一方で退職した場合、国民健康保険料や国民年金を支払う必要が出てきます。
国民皆保険や国民皆年金は充実した制度ですが、
離職者に対してはそれなりに厳しい制度ということになります。
日本の保険制度は、すべての人が労働を継続できることを前提に
制度が設計されているように見えます。
なので、失業率がアップすると同時に困窮者が必然的に倍増することになります。
他方、例えば国民健康保険料など、早期優遇退職制度による退職の場合、
当面大幅に支払額が少なくて済むようになります。
まだ正確に計算できていないませんが、ざっと確認したところ、
離職後に自分が支払う国民健康保険料はかなり安いです。
早期優遇退職のような制度を敷くことのできる企業は限られているため、
このあたりも労働者による格差が大きい部分です。
個人的には会社都合・自己都合に関わらず、離職者の保険負担はもっと下げて
然るべきで、逆に勤労者の負担はもっと上げても良いのではないかと感じます。
このようなことも、いざ離職するにあたり、今更ながら気づいた次第です。


さてこのブログですが、上記のとおり、日常の息抜きのために日常とは乖離した
どうでもいいような(?)ことを書き連ねるという面もあったため、
6月以降はちょっとどうなるか分かりません。
ひょっとしたらもう記事を書く気がなくなるかもしれませんし、
書き続けたとしても記事の質が少し変わるかもしれません。
はたまた、ヒマができたのでここぞとばかりに記事が増えるかもしれません。
どうなるかは分かりませんが、お暇のある方は今後ともお付き合い頂ければ
嬉しく思います。