遠州を歩く -浜松 その2- | れぽれろのブログ

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前回の続き、浜松アクトシティの展望回廊を訪れ、
喫茶店で一服した後の記録です。


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(6)落し物・・・?

展望回廊や喫茶店でのんびりしすぎ、時刻は早くも16時前です。
夕方まであまり時間がありませんので、慌ててアクトシティの残りの鑑賞スポット
楽器博物館に向かいます。

楽器博物館に向かう途中、あろうことか、
自分の側頭部に鳥のフンが降ってきました。
旅行先で鳥のフンに見舞われるなんて、どんな確率やねん・・・笑。
記憶を遡ると、自分の頭部に鳥のフンが落下してきたのは、
小学校4年だか5年だかのときの運動会以来だと思います。
このときは全校生徒数百人の中で、なんで自分にだけフンが当たるのかと
憤ったものですが、今回も何ともついておりません。

幸いにもお友達がウエットティッシュを持っていたので、
側頭部を綺麗に拭いて頂き、事なきを得ました。
ちょうど香りつきのウエットティッシュで、臭いもかき消されました。
2人で良かったなと思う瞬間。


(7)楽器博物館

ということで、アクトシティ第4の建物、楽器博物館です。
西洋楽器の時代ごとの変遷や、世界各地の様々な楽器が展示されており、
かなり面白い博物館でした。

この博物館ですが、全然鑑賞時間が足りませんでした。
ふらっと立ち寄ってなんとなく鑑賞するなら1時間くらいで事足りますが、
楽器や音楽に興味がある方が網羅的に鑑賞するなら2時間、
さらに各楽器を注意深く観察したり、一部の古いピアノなどに触れたり
(触れることのできる楽器もあります)していると、2時間以上かかりそうです。
なので、音楽に興味のある方は、余裕をもって訪れることをお薦めします。
閉館時間は17時、自分は16時ごろから鑑賞し始めましたので、時間不足でした。

外観はこんな感じ。

浜松16


博物館の内部は地上1階と地下1階に分かれています。
鑑賞の順序としては、地下1階から鑑賞することをお薦めします。
地下に西洋の弦楽器・管楽器・鍵盤楽器が、時代ごとに並べられており、
たぶんアクトシティに興味のある西洋音楽ファンなら、まずここから鑑賞すると
面白いと思います。
自分は地上1階から鑑賞しましたので、地下で時間が無くなりました。
順序を間違えた・・・。

その他、地下にはアフリカ・オセアニア・南北アメリカの楽器が展示されています。
そして地上1階には、アジアの楽器、日本の和楽器、国産の西洋楽器、
そして電子楽器が並んでいます。
地上1階には体験コーナーもあり、ちょっと面白い楽器に触れたりすることが
できます。

総じて感じたことを2つほど。

1つめは西洋楽器の特殊性です。
各地方とも、弦楽器・管楽器・打楽器など、なんとなく似通ったものが多く、
ある程度の共通性が見られますが、鍵盤楽器だけは西洋独自のもので
あることが分かります。
指で打鍵して弦を鳴らしたり管に空気を送ったりという構造は、
西洋ならではの思い付きのようです。
その他、単に呼気を増幅させる管楽器は多くの地域に存在しますが、
リードやマウスピースの振動を増幅させ多様な音色を追求する管楽器も
西洋のみではないかと思います。
(このあたりはちょっと網羅的に鑑賞できていないので、
他の地域にもあったのかもしれませんが。)
(※後日追記 篳篥や笙の「舌」と呼ばれる部分はリード機能のようです。)
弦を弓でこすって音を出すのも西洋のみかなと思っていましたが
これは二胡などアジア地域にもあるようですね。
いずれにせよ、西洋は楽器についてはかなり特殊な発展を遂げたということが
よく分かります。

2つめは楽器の装飾性です。
各地方とも、楽器は単に音を出すだけではなく、
楽器のデザインそれ自体に趣向が凝らされていることがよく分かります。
最近の楽器は機能優先で、とくに装飾性は重視されていないように思いますが、
古い時代にさかのぼるほど、ごてごてした装飾がたくさんついています。
ヴァイオリンやヴィオラのスクロール部分、
古い時代の楽器はこの部分に顔が付いている楽器が多いです。
とくに目隠しされた女の人の顔などが付いていたりで、
これはどういう目的で装飾されたのかとか、非常に気になります。
金管楽器なども、ベル部分が怪しげな蛇のような生き物の口になっていたりで、
面白いです。
18世紀のピアノなど、かなり装飾的な文様が施されていたり、
絵が描かれていたりで、装飾率高し。
さらにアフリカやオセアニアになると、何やら呪術的な雰囲気が漂っており、
装飾された顔も何やら禍禍しい感じ。
中には楽器なのかどうかも分からない、これは単に「顔」なのではないかと
いうような物体も展示されており(画像をお見せできないのが残念)、
楽器としての用途よりも装飾がメインなのではというものもたくさん。
その他、全体的にアジア地域の楽器は金ぴかだったりカラフルな装飾が
施されたりしており、異様にけばけばしい雰囲気が漂っています。
バリ島の楽器など、物凄く派手です。
各地域とも、楽器とある種の神秘性・宗教性との関連が感じられ、楽しいです。

その他個別の感想など。

鍵盤楽器は、古い時代のピアノなど、時には実演が聴けるイベントも
開催されるのだとか。
古いピアノの音色を楽しめる、ピアノマニアが喜ぶ企画ですね。
ピアノやチェンバロも割と形状がいろいろで、とくに足のペダルなど、
時代によって変遷していくのが面白いです。
昔のピアノは多くは蝋燭を設置するスペースがあるのも印象的。
夜にピアノ演奏をするためだと思いますが、夜中にうるさく演奏しても
いいものかだとか、火事になりそうだとか、余計な心配をしてしまいます。

西洋の管楽器は、時代ごとにキーやロータリーがどんどん進化していくのが
分かり、これまた比較するのが楽しいです。
惜しむらくは、展示位置によっては楽器の両面が見えないことです。
自分はファゴット経験者なのですが、ファゴットは親指で操作するキーが多く
この部分の変遷などを観察したかったのですが、楽器の展示はすべて
親指側が裏になっており、よく観察できませんでした。
楽器の両面が見れるように展示位置を工夫して頂けると、
なお面白く鑑賞できる気がします。

和楽器については、とくに打楽器が豊富なのが印象的です。
鈴やら鐘やらがたくさん並んでおり、もしマーラーがこれらの和楽器を見たら、
「これでもう1曲交響曲が書ける!」とでもいいそうな、珍しげな打楽器がたくさん。

電子楽器は、富田勲が「惑星」の録音で使用した現物のシンセサイザーなども
展示されており、珍しげです。
30~40年前の電子楽器を見るのも楽しく、現在ならパソコンで簡単にできるような
音の編集も、当時は大掛かりな電子楽器でひたすら編集していたかと思うと、
何やら感慨深いです。

体験コーナーではちょっと物珍しい楽器があり、触れることもできました。
カウベルも置いてあり、マーラーの交響曲6番を思い出します。
もしかしてハンマーは・・・?、とも思いましたが、
さすがの楽器博物館でもハンマーなどは置いていませんでした(笑)。

あと、会場にはブリューゲルの絵画の中に登場するバグパイプも
展示されていました。

・農民の踊り/ブリューゲル

農民の踊り

この絵の中央左の人が吹いている楽器が、この絵とともに展示されていました。
フェルメールや鈴木春信の楽器が登場する絵画作品も並べられており、
好きな作家の作品なので、何やらうれしいです。

ということで、楽器博物館は時間に余裕をもって再度訪れたいですね。


(8)さわやか

楽器博物館の会場を出ると日が少し傾いており、風が冷たく寒いです。
この日は暖かそうだったので、春物のコートは着ずに外出したのですが、
夕方になると以外に空気が冷たく、コートが欲しくなります。
浜松は遠州のからっ風と言われる寒風が吹くらしく、
寒がりの自分は急に辛くなってきます。
寒さをごまかしながら次の目的地、さわやかへ向かいます。

「炭焼きレストラン さわやか」とは、静岡県全域に店舗が展開されている
ハンバーグのチェーン店です。
http://www.genkotsu-hb.com/

googleで「さわやか」で検索すると、真っ先にこのチェーン店の情報が出てきます。
かなり有名なハンバーグ屋さんなんですね。
今回はお友達のご紹介により、さわやかで夕食をとることにしました。

さわやかは静岡県の全域に店舗があり、とくに浜松周辺は店舗数も多いです。
しかし駅から近い店舗は少なく、大きな幹線道路沿いに店舗を構えている
ケースが多いようです。
今回はJR浜松駅から東へ一駅、JR天竜川駅で下車し、北に少し歩いたところに
あるお店、浜松篠ケ瀬店に行ってきました。

さわやかの有名なメニューは、何といっても「げんこつハンバーグ」
ということになるようです。
自分もこれを頂いてきました。

成人男性の握りこぶしくらいある250グラムの大きなハンバーグが振舞われます。
アツアツの鉄板にげんこつハンバーグを乗せた状態で登場。
見た感じ、ハンバーグというより巨大な肉塊といった印象です。
これを店員さんが目の前で大きなナイフで真っ二つに切ってくれます。
肉塊の中は、かなりレアな焼き具合。
真っ赤なお肉、半分生焼け状態です。
この真っ二つに切られたハンバーグの内側を下側に向け、
鉄板に押し付けて火を通します。
これで大きなハンバーグ2つの出来上がりです。

言葉では分かりにくいと思います。
分かりやすい動画がありましたので、貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Td4JoPahFcU

ソースはオニオンソースかデミグラスソースから選べるようです。
自分はオニオンソースで頂きました。

このハンバーグ、すごく「お肉を食べた」という感じがします。
普通の柔らかく如何にも肉団子といったようなハンバーグとは違い、
それなりの歯ごたえと食感があり、そして牛肉の風味がすごく美味しいです。
焼き加減がレアなのがまた良いですね。
すごくおいしくて、あっという間に完食してしまいました。

レアの焼き加減が苦手な人のために、よく焼いた形でも提供可能みたいです。
250gというのはなかなかのボリュームですが、
多すぎるという人のために200グラム版もあるようです。

自分はライスとサラダのセットを食べましたが、
お友達はパンのセットを頼んでいました。
何やらパンの方がモチモチしておいしそうな感じでした。
次回訪れた際にはパンを食べてみようと思います。

さわやかには他府県から訪れる方もたくさんいるらしく、
自分は18時ごろに入店しましたが、既にそれなりに混んでいました。
幸いにも数分で案内されましたが、18時半から19時頃はすごく混雑するようで、
入口に人だかりができています。
自分は19時半くらいまで店にいましたが(長居しすぎな気もする)
19時半を過ぎるとさすがに空いてくるようです。
訪れる方は、時間帯ぶはご注意を。


(9)夜は更けて

お腹いっぱいになり、さわやかを後にします。
再びJR天竜川駅まで歩き、JR浜松駅に戻ります。
夕方は風が冷たく寒かったのですが、その後風が止んだのか、
夜が更けるとともに暖かくなってきました。
風の有無でこんなに体感温度が違うというのも、
なかなか大阪では味わえない気候です。

暖かくなってきたので夜の浜松駅周辺を少しウロウロしました。
駅前の繁華街など、夜でもそれなりに賑わっている感じです。

ということで、満足とともに浜松の夜は更けていくのでした。


(10)あげ潮

浜松のお土産といえばうなぎパイ・・・というのが一般的ですね。
自分もうなぎパイは何度か食べたことがあります。

今回は、まるたやの「あげ潮」というお菓子を頂きました。

・あげ潮/まるたや

浜松17


うなぎパイも美味しいですが、このあげ潮はさらに美味しいです。
レーズンとオレンジピールが入っており、このほのかな甘みと酸味が良い感じ。
これにクルミの風味と少しの塩気の組み合わせ。
なかなか絶妙な味と食感のハーモニーで、すごく気に入りました。
また浜松を訪れた際には、買いたいですね。


ということで、楽しい旅行となりました。

浜松と言えば、うな重とうなぎパイ・・・だけではなく、
さわやかのげんこつハンバーグと
まるたやのあげ潮も、
ご興味のある方は是非お試しください。