冬の音楽 | れぽれろのブログ

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季節ネタです。
毎日寒い日々が続きますので、寒い寒い冬の音楽を並べてみます。
春や秋がテーマの音楽は比較的多いと思います(過去にもまとめたことも
あります)が、春や秋に比べると冬の曲というのは少ない気がします。
しかし、冬の曲の中には個人的に春や秋より好きな曲もあります。


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・協奏曲「四季」4番「冬」より2楽章/ヴィヴァルディ

まずは定番。
季節音楽の記事で毎度登場してくるヴィヴァルディの協奏曲。
今回は「冬」から第2楽章(ラルゴ)のみをチョイス。
冬の寒い日に暖炉の前でくつろいでいるような暖かな雰囲気の音楽が
良いですね。
NHKの「みんなのうた」で昔「白い道」という曲がありましたが、
あの曲はこのヴィヴァルディのメロディから取られているようです。


・歌曲「冬の旅」より「菩提樹」/シューベルト

シューベルト晩年の寒い寒い歌曲からの1曲。
この「菩提樹」は「冬の旅」の中でも最も有名な曲で、
シンプルなメロディですが、心に染み入る音楽です。
死を意識して孤独に彷徨い歩く人物を描写する様子は、
ロマン主義音楽の真骨頂。
この「菩提樹」は、トーマス・マン「魔の山」のラストシーン、第1次世界大戦に
出征した主人公が戦場で口ずさむ音楽としても有名だと思います。


・練習曲 作品25-11「木枯らし」/ショパン

ショパンの冬の曲、いわゆる「木枯らしのエチュード」です。
冬の寒い寒い時期に吹き荒れる北風のイメージにぴったりの音楽。
この曲の面白いところは、左手(低音)がメロディで、
右手(高音)が伴奏・装飾部となっている(そう聴こえる)ところです。
(途中1か所で(1分33秒あたり)メロディが右手に移行します。)
とくに右手の驚異的な動きが非常に難しそうです。
このとんでもない難曲をキーシン君は非常に丁寧に演奏しています。
自分はショパンのエチュードop.25の中では1曲めの「エオリアンハープ」が
一番好きなのですが、ラストの3曲、10番,11番,12番の畳みかけるような激しい
短調の音楽が続くところも非常に魅力的ですね。
ちなみにこの難曲、最初の2小節だけなら自分でも弾けそうです(笑)。


・超絶技巧練習曲12番「雪かき」/リスト

続いてもピアノのエチュードから。
今度はリストの超絶技巧練習曲の〆の1曲。
タイトルは「雪かき」ですが、これは激しい風が雪を舞い散らしているところを
表現しているのだとか。
「雪あらし」という邦題の場合もあるようですね。
左手右手とも終始慌ただしく動き続ける様子が吹雪のイメージにぴったり。
そんな激しいトレモロの中から浮かび上がってくるメロディが
意外と綺麗なのも魅力的です。
この動画はスコア付ですが、とくに3分あたりから、
スコアの見た目も猛吹雪のような外観です(笑)。
演奏はオフチニコフです。


・歌劇「ラ・ボエーム」より3幕の四重唱/プッチーニ

最後はプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」の寒い寒い冬の夜のシーン、
3幕フィナーレの四重唱です。
ミミとロドルフォ(初めに登場している2人です)は諸々の事情から
別れることになり、この場面はその別れの言葉をやりとりしているシーンです。
自分はボエーム全4幕の中でこの3幕のフィナーレが一番好きです。
2分あたりから、もう1組のカップル(ムゼッタ&マルチェッロ)が登場しますが、
この2人は仲良く喧嘩中(笑)で、お互いに罵り合っています。
悲しみあふれる別れの二重唱と、愛情あふれる言い争いの二重唱が
重なるところが、何だか妙に好きなのです。
4分20秒あたりからの粉雪が舞い散る演出がまた素敵ですね。
「ラ・ボエーム」は過去2度舞台で見たことがありますが、
何度でも見たくなるオペラです。