北摂を歩く -総持寺- | れぽれろのブログ

れぽれろのブログ

美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

西国三十三所探訪シリーズ。
12日の祝日の月曜日、大阪府は茨木市の総持寺に行ってきました。

実は2015年になってから、自分は職場以外どこにも出かけていません。
初詣にも行ってません・・・。
とくにお正月三が日は異様に寒かったので、どこにも出かける気力がなく、
ダラダラ家の中でと過ごしていたのでした。
(どうでもいいことですが、年末の12月31日も何だか歳末の疲れが出て
夜十時ごろに眠ってしまい、今年は「年越し」なるものも実感しておりません。
何という季節感のない暮らしぶり・・・笑。)
12日はそれなりにお天気も良く、ちょっとは出かけようということで、
3か月ぶりに西国三十三所のどこかに行くことにしました。

西国三十三所と言えば、自分は京都や奈良や滋賀のイメージが強いです。
過去に訪れたお寺もすべて京都府、奈良県、滋賀県のいずれかです。
しかし、調べてみると自分が住む大阪府内にも4か所のお寺があるようです。
今回はそのうちのひとつ、自分が全く知らない、
名前を聞いたこともないお寺、総持寺に行ってみることにしました。
総持寺は「そうじじ」と読むのだそうです。(読み方も知りませんでした。)
「じ」が2つ重なって発音しにくいお寺です。
しかし、行ってみるとなかなか面白いお寺でした。
このお寺のキーワードは、「亀」と「包丁」です。


---

総持寺は西国三十三所の第二十二番札所。
最寄り駅は阪急京都線の総持寺駅、梅田から20分くらいで着きます。
自分は阪急京都線はほとんど利用したことがありません。
京都に行くにはいつも淀屋橋から京阪に乗るか、
もしくは大阪駅からJRに乗るかのどちらかです。
自分は大阪府の南の方に住んでるので、神戸方面に行く場合も数年前に
難波まで路線が延長された阪神線が便利なので、阪急はやや縁遠いです。
しかし、阪急って何だか個人的にクオリティが高いイメージがあります。
なぜだろう・・・えんじ色の車体の雰囲気が良いからなのかな・・・?

阪急総持寺駅から徒歩5分で総持寺に到着しました。
山の中にあるようなお寺ではなく、普通の街中にあるお寺。

いきなり亀のような石像がお出迎え。

総持寺01

調べてみると、助けた亀が恩返しにやってきたことが
このお寺の起源と関係しているのだそうです。
浦島太郎みたいなお話ですね。
しかしこの亀の顔、どうも我々の知っている爬虫類のカメのものではありません。
頭部は何やら別の生き物のようにみえます。
少なくともこの耳はどう見ても哺乳類のものですよね(笑)。

右から見たところ。

総持寺02

石の上の文字によると、総持寺は真言宗のお寺のようです。
我が家の実家も真言宗ですので、何やら親しみが湧いてきます。
879年ごろの創建とのことですので、平安時代の空海の死後
半世紀ほどしてからできたお寺のようです。
そして「真言宗」と並んで「日本包丁道祖」の文字が。
何やら包丁とも縁のあるお寺のようです。

山門はこんな感じ。

総持寺03


山門を抜けるとすぐに本堂が目に入ります。

総持寺04

さっそく本堂にお参りしてきました。
幸せが訪れますように・・・。

本堂にはこんな御詠歌が掲げられています。

総持寺05

ご本尊は千手観音様のようです。
しかし、ご本尊はよく見えません・・・。
総持寺は「そうぢじ」と表記する模様。

昨年に訪れた長谷寺、三室戸寺、三井寺のようなお寺と比較すると
街中にあることもあってか、総持寺の敷地はずっと狭いです。
駐車場も小ぶり、お参りに来られてる方も少ないです。
2年前に訪れた舞鶴の松尾寺並の人の少なさ。
西国三十三所と言っても、人がたくさんいてにぎやかなところと
そうでないところがあり、観光地としての格差があるようです。

お参りした後、お寺の敷地内をウロウロ。
こんな仏様&龍も。

総持寺06


20世紀の抽象彫刻のような(?)仏塔。

総持寺07


こちらは普悲観音堂、ぼけ封じのご利益があるのだとか。

総持寺08


ぼけ封じ近畿十楽観音霊場巡りの看板。

総持寺09

ぼけ封じをコンプリートするには、10か所も回らねばならぬようです。
これはなかなか大変。
これだけ回れるだけの余力がある人なら、
きっと脳もまだしっかりしているはずです(←?)。

包丁塚なる建物があります。

総持寺10

総持寺を開かれた方は料理の名人であったのだとか。

こんな掲示もありました。

総持寺11

山蔭流包丁式なるものも毎年催されているようです。
お寺と魚料理・・・何だかミスマッチな感じで面白い。

ちなみにどうでもいいことですが、自分は日本料理=包丁さばきという
図式にはやや違和感を持っています。
日本料理はとかく包丁を重視するようですが、
「包丁さばき」って単に新鮮な食材を切ってるだけなのでは・・・。
良い素材を使用し、見栄えよくお皿に盛りつける・・・
これが日本を代表する「日本料理」だというのは何だか変な感じもします。
煮たり焼いたり味付けしたりという作業が、本来の調理の重要な要素だと
思うのですが、どうでしょうか?
まあ料亭だとかに縁のない人間のたわごとですが・・・。

上記の包丁式の掲示の横にはこんな具体的な注意書きが。

総持寺12

確かにこの場所、日陰になっていて、夏の暑い時期にお昼寝するには
良さそうな場所です。
これだけ行為を具体的に書かれると何やら面白い気がします・・・笑。

境内には多くのお寺と同じく、神社もあります。

総持寺13


池と庭園。

総持寺14


シンガポールのマーライオンの如く、口からお水を吐き出す謎の生き物。

総持寺15

これは龍で良いのでしょうか・・・?

こちらはカメの形をした岩。

総持寺16

またしても亀さんの登場です。
亀と包丁のお寺、総持寺。

池には例によって鯉がいます。

総持寺17

総持寺18

鯉をぼんやりと眺めているとどんどん時間が経っていく・・・。
なお、亀のお寺とのことですが、池の中に亀の姿は見当たりません。

ということで、狭い敷地内ですが、数十分の間のんびりと過ごすことができました。
自分はやっぱり混雑している観光地より、人が少ない空間の方が向いています。

帰り際に山門の柱をふと見ると、こんな千社札が・・・。

総持寺19

大山のぶ代さん、聞いたことのあるお名前、誰やったかな・・・。
あとで調べて、ドラえもんの声の人だったことを思い出しました。
これ、ご本人で良いのでしょうか・・・?


---

さて、せっかくなので茨木市内を少しウロウロしてみることにします。
総持寺駅から南に向かってトコトコと歩きます。
風が少し冷たいですが、日が照ってポカポカしています。
歩き続けていると体が温まり、マフラーなしでも大丈夫です。
街中ではフワフワの巨大な襟巻つきの着物を着た女の子が歩いています。
そういえばこの日は成人の日だったのでした。

阪急の茨木駅周辺には商店街があります。
商店街をウロウロ。
都市の中には商店街が残ってる地域とショッピングモール化している
地域がありますが、何が違うのかなと考えてしまいます。

商店街の奥の奥には神社がありました。

総持寺20

天石門別神社(茨木神社)というのだそうです。
こっちの方が総持寺より人がたくさんいて賑わっていました。
地元の人たちがお散歩がてらに参拝に来ていると言った雰囲気です。
家族連れで賑わう神社。

出店を片付けている人たち。

総持寺21

そういえばこの2日前は1月10日、えべっさんの日です。
えべっさんの後片付けなのでしょうか・・・?
※「えべっさん」とは、「十日戎」という毎年1月10日に近畿圏で催される
  お祭りの俗称です。
  近畿圏以外の人に「えべっさん」と言っても伝わらないことを、
  自分は社会人になって初めて知りました。

北摂はあまり遊びに来る機会がありません。
茨木も過去に一度仕事で来たきりで、遊びに来たのは初めてです。
大阪府内の行ったことのないところをウロウロしてみてもいろんな再発見が
あったりして面白いかも・・・。
今年は大阪府内もいろいろ歩いてみようかな?


ということで・・・、
西国三十三所、コンプリートまであと二十六所!