絵画の中の動物たちということでリクエストを頂きましたので、
今日は絵の中に犬がちょこんと描かれた作品をいくつか並べてみます。
まずは以下の画像をご覧ください。
8種類のワンコたちです。
超有名な作品から、比較的マニアックな作品まで、
いろんな絵画に登場する犬たち。
いろんな絵画に登場する犬たち。
それぞれどの美術作品に登場する犬なのか、お分かりでしょうか?
自分は残念ながら犬の種類には詳しくないので、
それぞれがどういった種類の犬なのかを言い当てることはできないのですが、
これだけ見ても実に様々な形態の犬がいるものですね。
ということで以下に元の絵を並べてみます。
・アルノルフィーニ夫妻像/ファン・アイク
まずは15世紀フランドルの画家、ファン・アイクの作品から。
ファン・アイクの作品は登場するアイテムの質感が魅力的です。
木の質感、金属の光沢感、布のフワフワ感、毛皮のモフモフ感、
そして中央下部に登場する犬の毛の質感もまたよい感じで、
思わず撫でたくなってきます。
・ウルヴィーノのヴィーナス/ティツィアーノ
続いてはイタリアルネサンスの画家ティツィアーノのヴィーナスです。
伸びやかな裸体の足元にいる一匹の犬はお休み中です。
作品中の後ろの人たちに何らかの意味合いがあるように、
この足元の犬にも何らかのイコノロジー的な意味があるのかもしれません。
・雪中の狩人/ブリューゲル
雪の上、狩人に連れられ歩く犬たち。
雪の大パノラマ画面が印象的な作品ですが
それも画面左下の狩人と犬たちがあっての構図なのだと思います。
・ラス・メニーナス/ベラスケス
17世紀スペインの画家ベラスケスの超有名作品から。
右側に足で蹴られている犬。
蹴られているのはおそらくは愛情表現。
王女、家族、女官たち、そしてベラスケス自身に混ざって
飼い犬もきっちり描かれています。
・ベッドで犬と遊ぶ娘/フラゴナール
18世フランス、ロココ期の画家フラゴナールは、
いわゆる閨房画と言われるようなエロティックな絵画もたくさん描いています。
当時の貴族たちは寝室にこういう絵をこっそり飾っていたのだとか。
下半身に何も身に着けていない(そのように見える)女の子が
楽し気に犬と戯れています。
犬目線=男の子目線、といった感じの作品。
・オルナンの埋葬/クールベ
19世紀フランスの画家クールベは写実主義の大家。
ただの田舎のお葬式のシーンを崇高な歴史画のように描いているのが
何とも面白いです。
何とも面白いです。
画面右下に佇む犬は、亡くなられた方とどのような関係なのでしょうか・・・?
・シャルパンティエ夫人とその子供たち/ルノワール
19世紀後半の印象派の画家、ルノワールの作品から。
当時のブルジョワジーの子供たちに可愛がられる大きな犬。
これも上のベラスケスの犬と同様、
家族に大事にされているらしいことが分かります。
家族に大事にされているらしいことが分かります。
ルノワールは明るい画面が特徴ですが、意外と黒を引き立たせる作品も多く、
この絵でもドレスと犬の黒が印象的です。
・白象黒牛図屏風/長沢芦雪
最後は日本画から。
長沢芦雪の巨大な牛の絵で、なかなかにインパクトのある作品ですが、
牛のお腹の下になぜかちょこんとワンコが描かれています。
芦雪は円山応挙の弟子筋にあたる人です。
この犬も応挙がよく描いた子犬のデザイン(いわゆる応挙犬)と
同じ形をしています。
同じ形をしています。
現実には牛と犬でこんなに大きさに差異はないはず(笑)ですが、
牛のインパクトとともに子犬の愛らしさを強調した作品になっています。