印象的な10作品 名画編 | れぽれろのブログ

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自分は美術館に行くことが好きで、昔からときどき展示を見に行っていましたが、
様々な展示を網羅的に見に行くようになったのは、2004年からです。
なので、美術館に定期的に「通う」ようになってから、今年で10年めになります。
10年に渡りそれなりに様々な展示を見ていますので、
いわゆる一般的に「名画」であるといわれるような超有名作品についても、
それなりの数を鑑賞してきていることになります。

ということで、自分が鑑賞してきた「名画」の中から、
とくに印象的な10作品を並べてみることにします。
10作品の選定に当たっては、1作家1作品で選びました。


・画家のアトリエ/フェルメール

画家のアトリエ

2004年、神戸市立博物館で開催された
「栄光のオランダ・フランドル絵画展」で日本に来ていた絵です。
自分は今までにフェルメールを合計9作品鑑賞しています。
その中で一番印象的なのがこの絵。
フェルメール作品の中でもかなり大きな作品であること、
「絵画芸術の寓意」という物々しいサブタイトル、
意味ありげな画面構成と作者自身の姿ともいわれる画家の後姿、
一時期ヒトラーが所有していたというその後の歴史、
などなどもあって、一枚選ぶならこの絵になります。
カーテン、地図、シャンデリアの描写、床の市松模様、
女の人の服の青、画家のストッキングの赤が印象的です。


・群仙図屏風/曾我蕭白

群仙図屏風

群仙図屏風

2005年、京都国立博物館で開催された
「曾我蕭白 無頼という愉悦」という展覧会で展示されていた作品。
この絵はとにかく濃い。隅々まで濃密な巨大な作品です。
とくに仙人たちの顔、そして子供の顔まで濃い(笑)。
さらに印象的なのが(小さくて画像では見えませんが)
上側の左の方で耳かきをされているガマ仙人の上のガマのイボイボです。
自分が鑑賞した近世美術作品の中で、一番びっくりしたのがこの作品なのです。


・夜のカフェテラス/ゴッホ

夜のカフェテラス

2005年、国立国際美術館のゴッホ展で日本に来ていた作品。
この展覧会はオランダのゴッホ美術館の協力により、
かなりの数のゴッホの作品がやってきていました。
とくに晩年の絵具がうねうねした作品が印象的だったのですが
このときに来ていた作品で一番有名なのは(たぶん)この作品。
現物はもっと青と黄色のコントラストが強く、強烈な印象でした。


・光の帝国/マグリット

光の帝国

2007年、国立国際美術館で開催された
「ベルギー王立美術館展」で展示されていた作品です。
この展示はブリューゲル、ルーベンス、アンソール、クノップフ、デルヴォーなど、
ベルギーの有名画家がたくさんそろった展示だったのですが、
その中で個人的に好きなマグリットのこの有名作品を観れたことが
一番嬉しかったように記憶しています。


・モルトフォンテーヌの思い出/コロー

モルトフォンテーヌの思い出

2008年、神戸市市立博物館で開催された
「コロー 光と追憶の変奏曲」という展示で日本に来ていた絵です。
この展覧会では有名な「真珠の女」をはじめ、
かなりの数のコローの作品が展示されていました。
自分は後期コローの深緑の森の絵がすごく好きなので、
この作品が一番印象に残っています。


・薔薇色の衣装のマルガリータ王女/ベラスケス

薔薇色の衣装のマルガリータ王女

2009年、兵庫県立美術館で開催された
「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」で日本に来ていた絵です。
この展示はタイトルどおりメインは静物画なのですが、
一番最後の部屋に展示されていたベラスケスのこの作品の魔術的な筆致
(近づくと曖昧な筆致だが離れてみるとしっかりした形状にみえる)が
最も印象的でした。
服装や花瓶の絨毯の不思議な描写が素敵ですね。


・サロメ/クラーナハ

サロメ

2010年、京都国立博物館で開催された
「THE ハプスブルク」という展示で鑑賞した作品。
この展覧会はウィーン美術史美術館・ブダペスト西洋国立美術館の諸作品が
まとまって展示された展覧会で、超有名作品がゾロゾロ並び、
おそらく自分が鑑賞した過去10年の展覧会で最も有名作品の展示が
多かった
展覧会だと思います。
その並み居る超有名作家の作品の中で一番印象に残ったのがこのサロメ。
北方ルネサンスならではの過剰に細密な服飾の描写、
サロメの妖しげな表情と身体曲線、凄い作品でした。


・イレーヌ・カーン・ダンベール嬢/ルノワール

イレーヌ・カーン・ダンベール嬢

2010年、国立国際美術館で開催された
「ルノワール-伝統と革新」で展示されていた作品。
ルノワールの超有名作品です。
自分はルノワールの絵が好きで、過去に鑑賞した作品の中からどれを選ぶかは
非常に迷いますが、とりあえず一番有名な(たぶん)この作品を選びました。
構図、表情、服や髪の描写、そしてルノワール独特の筆触、
素敵な作品ですね。


・麗子微笑/岸田劉生

麗子微笑

2011年、大阪市立美術館で開催された
「生誕120周年記念 岸田劉生展」で展示されていた作品。
近代日本の作品からも一枚選びたくて、2006年に特集された藤田嗣治と
どちらにしようか迷ったのですが、このなんともいえない麗子ちゃんの
怪しさの方を選びました(笑)。
麗子の表情も印象的ですが、服装の細密さもまた
この絵の面白いところだと思います。


・インディアンレッドの地の壁画/ポロック

インディアンレッドの地の壁画

2011年、愛知県美術館で開催された
「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」で展示されていた作品です。
自分はポロックの作品が好きで、この特集展示を鑑賞するために
わざわざ名古屋まで出かけました(笑)。
巨大な画面にインクを垂らしたオールオーバーのポーリング作品。
管理された偶然が形作る、形状と色合いの楽しさ。
面白い作品です。


ということで、ナマで見た有名絵画からベスト10作品でした。

自分が鑑賞した作品から、今度はあまり有名ではない作品の中から
「印象的な10作品 マニアック編」を、機会があれば並べてみようと思っています。