19世紀後半、ヨーロッパでは日本趣味が流行します。
いわゆるジャポニズム。
この時期以降、ヨーロッパやアメリカの美術作品に日本の物が描かれたり、
日本画の模写やオマージュのような作品が登場するようになります。
そういった作品のうちのいくつかを並べてみます。
いろいろと並べてみると、欧米諸国にとっての、時代に応じた
日本に対する見方の変遷が分かるようにも思います。
日本に対する見方の変遷が分かるようにも思います。
・団扇を持つ少女/ルノワール
まずはルノワールの一枚から。
団扇は日本の物と思われます。
笠をかぶったと思われる女の人がうっすらと描かれていますね。
女の子の服装や部屋の様子はヨーロッパの物ですが、
日本のアイテムが登場する作品。
・ラ・ジャポネーズ/モネ
続いてはモネの作品です。
タイトルがそのものずばり日本。
こちらは女の子の装いまで日本の着物となっています。
ルノワールと同じく団扇が登場します。こちらは数もたくさん。
19世紀後半当時のヨーロッパでは、日本=団扇だったのでしょうか?
着物はまるで歌川国芳の絵画作品みたいな柄、
なんだかヤンキーチックですね(笑)。
なんだかヤンキーチックですね(笑)。
・陶器の国の姫君/ホイッスラー
ホイッスラーは19世紀のアメリカの画家で、
日本に対する興味が強かったのか、
日本趣味の絵画をたくさん残されています。
女の子が持っているのは、例によって団扇。
屏風、着物、団扇・・・上の2作に比べてずっと「日本度」が高い気がします。
女の子も黒髪ですし。
あと、床が畳だったらパーフェクトかな・・・?
・大はしあたけの夕立/ゴッホ
ゴッホは浮世絵が大好きで、歌川広重の模写などが残っているようです。
これはその中の1枚、広重の雨の絵を模写したものです。
分からないなりに(たぶん)漢字まで模写しているのが、
何やら微笑ましい(笑)。
何やら微笑ましい(笑)。
なお、歌川広重の元作品は以下です。
・突風/ジェフ・ウォール
時代は下って20世紀、90年代の作品です。
ジェフ・ウォールの一見なんてことない写真ですが・・・
実は以下の作品が元になっています。
葛飾北斎、富嶽三十六景より「駿州江尻」
さすがに富士山こそありませんが、それなりにうまく再現できていますね。
面白いです。
・Gold/マジュリュス
ミッシェル・マジュリュスは90年代のドイツの画家。
描かれているのは・・・日本のアニメのようです(笑)。
マジュリュスはこの作品のセーラームーン意外にも、
インベーダーゲームを描いた作品だとか、
日本のアニメやゲームをベースにした作品をいくつか制作してます。
現代におけるジャポニズム=アニメ&ゲームなのでしょうか・・・?
この絵は国立国際美術館の2006年の特集展示
「エッセンシャル・ペインティング展」で展示されていた作品です。
2006年当時の最先端のペインティング作品が並ぶ中、
このマジュリュスの作品はその中でも一際異彩を放っていたように
記憶しています。
記憶しています。
ということで、ジャポニズムの形いろいろでした。
時代が変われば文化も変わる、国のイメージも変わる・・・。
今後の日本は、諸外国にとってどのようなイメージに
なっていくのでしょうか・・・?
なっていくのでしょうか・・・?