性愛の音楽 -クラシック編- | れぽれろのブログ

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昨年のクリスマス前、性愛を歌った(と思われる)ポップスの音楽を
いくつか並べてみました。
性愛を描くのはポップスだけでなく、クラシックの世界でも
こういう音楽は登場します。

今日は成人の日、ということで大人の音楽第2弾?
性愛を描写したと思しきクラシック曲をいくつか並べてみます。


・歌劇「薔薇の騎士」より1幕への前奏曲/リヒャルト・シュトラウス


まずはそのものズバリの性描写から。
リヒャルト・シュトラウスのオペラ「薔薇の騎士」は、
30代の既婚女性マリー・テレーズ(元帥夫人)と、
彼女と不倫関係にある10代の若者オクタヴィアンの、
ある朝の寝室から始まる物語。
で、この序曲はいきなり性描写のクライマックスから始まります。
48秒から、連続するホルンの高音が「頂点」を描写しているとのこと。
その後徐々に音楽はフェードアウトしていき、幕が開いた後、
元帥夫人とオクタヴィアンは、「終わった後」の余韻をベッドでイチャイチャと
楽しんでいます(笑)。

この演奏の指揮はカルロス・クライバーです。
推進力のある音楽が素敵ですね。指揮姿もかっこいいです。
シュトラウスの「薔薇の騎士」は個人的にすごく好きなオペラです。
自分は、モーツァルト以外で一番好きなオペラを挙げろと言われると、
悩みますがたぶん「薔薇の騎士」と答えます。
(モーツァルトは別格なのです。)


・家庭交響曲/リヒャルト・シュトラウス


リヒャルト・シュトラウスからもう1曲。
シュトラウスは描写音楽が大好きで、この交響曲は家庭の夫婦や子供たちの
生活の様子を描写した音楽であるとされています。
音楽は大きく4部に分かれ、この映像は第3部の後半。
子供たちが寝静まったあとの、夫婦の様子を描写してるのだそうです。

しかしここの音楽、夜の描写といっても眠っているようにはどうも聞こえず、
夫婦のベッドでの性描写なのではないかという見方もあるようです。
確かに5分くらいから、夫と妻の主題が絡まりながら盛り上がっていきます。
7分35秒が「頂点」でしょうか。
金管楽器の音は何かを表しているのかな・・・?
ちなみにこのあと音楽は第4部に入り、朝の家族の様子が描写され、
朝っぱらから盛大な夫婦喧嘩の描写になります(笑)。
夜はあんなに仲良さそうだったのに・・・。


・楽劇「トリスタンとイゾルデ」2幕より/ワーグナー


ワーグナーのオペラから。
2幕で愛を語り合うトリスタンとイゾルデ。
その昔、ある人に教えて頂いたところによると、
これも間接的な性描写なのだとか。
本当かな?とも思いますが、確かにそう聴こえなくもないです。

9分くらいから、徐々に感情が高ぶっていきます。
お互いの名前を呼び合いながら、音楽はどんどん高揚していく・・・。
13分45秒が「頂点」でしょうか?
いずれにせよ「トリスタンとイゾルデ」2幕の愛のシーンは
うっとりするように官能的で、好きな音楽です。


・歌劇「ドン・ジョヴァンニ」1幕より「カタログの歌」/モーツァルト


セックスといえばモーツァルト。
最後は放蕩貴族ドン・ジョヴァンニの従者、レポレロ君に登場して頂きます。

この「カタログの歌」、レポレロの主人ドン・ジョヴァンニの性遍歴を、
ドン・ジョヴァンニの元彼女(つまり性遍歴のターゲットの一人)である
ドンナ・エルヴィーラにレポレロが歌って聞かせるというシーンです。
主人のセックス遍歴、イタリアでは640人、ドイツでは231人、
フランスで100人、トルコで91人、スペインでは1003人・・・!
田舎の女性、都会の女性、貴族の女性、貧しい女性、
太った女性、やせた女性、若い処女からお年寄りまで・・・!
どんだけ絶倫やねん・・・。
そして、主人の性遍歴を嬉々として歌うレポレロ君も相当変わり者です(笑)。

このレポレロ役はイルデブランド・ダルカンジェロ。
レポレロは年配の歌手が演じることもありますが、
やはり若い歌手の方が良いですね。
「カタログの歌」はアップテンポでコミカルに歌われる場合が多いですが、
このレポレロ君は真剣に熱唱しています(笑)。
この舞台はモダンな演出で、背景には曲に合わせていろんな女の子が登場し、
これもまた面白いです。
この舞台では使われていませんが、レポレロは蛇腹状のカタログを
持って歌うことが多いです。
そのためかどうかは分かりませんが、蛇腹状の製本のことは
leporello bookと呼ばれているようです。

ちなみに、自分のハンドルネームの由来は、
この愛すべき三枚目レポレロからお名前を頂いています。



ということで、性愛の音楽あれこれでした。
いろいろと想像してみるのも面白い、というお話。