馬の姿いろいろ | れぽれろのブログ

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今年は午年ということで、お馬さんの登場する絵画作品を並べてみます。

・青い馬/マルク

青い馬

まずは20世紀初頭、動物大好きなドイツ表現主義の画家マルクの作品から。
マルクは赤・青・黄・緑など原色て描かれたカラフルな動物たちの姿を
たくさん残しています。
馬の背中が作り出すリズムと背後の山のリズムが心地よい。
楽しいバランスで、好きな作品です。
馬も何となく可愛げがありますね。


・放牧三馬/坂本繁二郎

放牧三馬

坂本繁二郎は20世紀前半~中盤の日本の洋画家。
描いているのは洋画ですが、静的で淡い色彩が印象的、
「日本で洋画を製作するとはどういうことか」といった探求が見られるな
作品であるように思います。
この作品はマルクと同じく3匹の馬が描かれています。
坂本繁二郎はこのような馬や牛の絵をたくさん残しています。


・近江の国の勇婦於兼/歌川国芳

近江の国の勇婦於兼

続いては近世浮世絵。
幕末の絵師、歌川国芳の馬です。
暴れ馬を女の子が鎮めようとしています。
上の2枚と異なり、動的な印象です。
この作品の馬は、西洋風にリアルに描かれています。
しかし左側の女の子は普通の日本画風であるというギャップが面白い。
この馬の描き方は、当時の西洋の版画作品を参考にしたとも言われています。


・夢魔/フュースリ

夢魔

フュースリは18世紀~19世紀初頭に活躍した、スイス出身のイギリスの画家。
幻想的な作品をたくさん製作された方です。
寝ている女の子の元にやってくる猿と馬。
何やら悪夢的で怖い馬です。
こんな馬が夜中に現れたら嫌すぎる・・・笑。


・青いサーカス/シャガール

青いサーカス

シャガールは20世紀に活躍したロシア出身の画家。
人物がフワフワと空を漂う楽しげな作品がいいですね。
シャガールの作品には馬は比較的よく登場します。
この作品はサーカスの描写なので、馬もサーカスに登場するのだと思いますが、
なぜ魚が空を飛んでいるのかは不明です(笑)。


・ジェリコー/エプソムの競馬

エプソムの競馬

19世紀前半のフランス、ロマン主義の画家ジェリコーの作品。
競馬場で走る馬たち、引き伸ばされた馬の体、疾走感が良いですね。
しかし、現実に馬が走るときは、このような脚の形ではありません。
現実的な描写ではありませんが、躍動感が心地よい絵です。

ちなみに、現実の馬の走り方はというと・・・。

・「動物の運動」より/マイブリッジ

ギャロップする馬

19世紀後半になると写真技術が発達し、このような写真撮影も可能になります。
マイブリッジはこのような連続写真をたくさん残しています。
確かにジェリコーのような脚ではありませんね(笑)。


ということで、馬の絵あれこれでした。
最後に「十二類合戦絵巻」に登場するお馬さんの姿で〆させて頂きます。

十二類絵巻