美しい緩徐楽章の世界 -ピアノ協奏曲編- | れぽれろのブログ

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演奏会の影響やら何やらで、最近またピアノ曲ばかり聴いております。

前にも書きましたが、自分は緩徐楽章が好きです。
以前の記事で後期ロマン派交響曲の緩徐楽章を並べてみましたが、
今回は有名なピアノ協奏曲の緩徐楽章を並べてみます。
秋の夜長、綺麗でゆったりしたピアノ曲の緩徐楽章に浸るのも良いものです。

ということで、美しい緩徐楽章の世界へ・・・


・ピアノ協奏曲1番より2楽章/ショパン

ピアノといえばやはりこの人。ショパンです。
とにかく綺麗なメロディが泣けますね・・・。
この曲はショパン二十歳の時の曲です。
後年のショパンの曲と比較すると何だか甘いメロディなので、
後期ショパンが好きな人にとっては、物足りなさもあるかもしれませんが、
個人的にはこの楽章はすごく好きです。
(後期ショパンももちろん好きですが。)

この曲はピアノのメロディの良さはもちろんですが、
2分20秒あたりから入ってくるのんびりとしたファゴットの裏メロディも
個人的に好きです。
この曲は要所要所で地味にファゴットが活躍するので、
演奏後にファゴットに拍手が贈られる協奏曲でもあります。
ファゴット経験者としてはちょっと嬉しい曲なのです。
演奏はユリアンナ・アブデーエワ。
2010年のショパンコンクール優勝者です。
というか、これがショパンコンクールの映像なのかな・・・?


・ピアノ協奏曲より2楽章/ラヴェル

ゆったりと綺麗な長い長いメロディが、ピアノにより延々3分間奏でられます。
うっとりとよいメロディですね。
この曲は1,2,3楽章で何だか曲の感じが全然変わる音楽なのですが、
個人的にこの2楽章がすごく好きなのです。
この曲も木管楽器が活躍します。
とくに後半、6分10秒あたりから、コールアングレがメロディを歌う部分。
ピアノとの掛け合いが良い感じです。
演奏は、狼大好きピアニスト、グリモーさんです。


・ピアノ協奏曲3番より2楽章/ラフマニノフ

ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば、うっとり綺麗な2番の2楽章が
有名だと思いますが、ここはあえて3番の2楽章をチョイス。
この哀愁たっぷりの3番2楽章もまた良いものです。
ピアノはラフマニノフらしい、技巧的な見せ場もたっぷりです。
(8分15秒あたり、など)
後期ロマン派の円熟の協奏曲、といった感じ。
6分あたりから、7分10秒あたりのクライマックスに向けて、
徐々に盛り上がって行く部分など、よいですね。
何ともドラマティック。
なお、このリンクには3楽章も付いています(11分15秒あたり~)。
演奏は美男ピアニストで有名な(←?)ニコライ・ルガンスキーです。


・ピアノ協奏曲20番より2楽章/モーツァルト

最後はモーツァルトです。
モーツァルトのピアノ協奏曲の2楽章はどの曲も素晴らしいですが、
やはりこの20番の2楽章が最も有名だと思います(たぶん)。
いい曲ですねー。
4分あたりからのドラマティックな部分がまた魅力的です。

モーツァルトのピアノ曲は、ロマン派音楽にはない魅力があります。
そしてモーツァルトの音楽には、なんとなくピアニストの自由な
テンポ・リズム設定を許さないようなところがある気がします。
そのせいか、ピアノを弾く人曰く、モーツァルトは難しいのだそうです。
演奏は内田光子、弾き振りのようです。
内田さんはロマンティックに演奏しています。いい雰囲気ですね。