美しい緩徐楽章の世界 | れぽれろのブログ

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自分は交響曲の緩徐楽章(スローテンポの楽章)が好きです。
19世紀前半までの緩徐楽章も素敵ですが、
とくにポスト・ワーグナー時代以降(19世紀後半以降)の、たっぷりと長大で
感動的な楽章は、クラシック曲を聴く醍醐味の一つだと思います。

クラシックをご存じない方も、たまにはのんびりたっぷりと、
緩徐楽章に身を浸してみるのも良いかもしません。
(人によっては眠くなるかもしれませんが、
うとうとしながら聴くのもまた良いものです。)
ということで、後期ロマン派時代の有名な交響曲から、
有名かつ個人的に好きなものをいくつか抜粋してみます。


・交響曲7番より2楽章/ブルックナー


ブルックナーはとにかく緩徐楽章が素晴らしい作曲家です。
とくにこの7番の緩徐楽章が有名だと思います。
この楽章は大きく2つの主題が交互に登場する形で進んで行きます。
冒頭から、主題A。
4分25秒から、主題B、このメロディーが綺麗で好きですね。
8分から、再び主題A、12分20秒あたりからは同一主題が何度も繰り返されながら
盛り上がって行く部分、ここもシンプルですが好きです。
14分40秒から、再び主題B、気持ちいいですねー。
16分55秒から、主題A、6連符のリズムで徐々に盛り上がって行く部分、
感動的です。


・交響曲5番より2楽章/チャイコフスキー


これも有名な楽章で、好きな曲です。
この楽章も大きく2つの主題が交互に登場する形で進んで行きます。
静かな序奏のあと、55秒あたりからのホルンソロは有名ですね。
4分25秒からの2つ目の主題も、有名な部分だと思います。
6分10秒あたりからは中間部。
7分40秒から循環主題(楽曲全体に登場するモティーフ)が登場します。
8分25秒からが再現部分で、10分30秒からがクライマックス。
そして11分40秒、流れをぶった切るように(笑)、循環主題が短調で登場します。
メロディーもよいですが、メロディー以外の楽器の動きやリズム
(←チャイコフスキーの醍醐味)に注意して聴いてみると、
すごく気持ちいい曲です。



・交響曲6番よりアンダンテ・モデラート/マーラー


マーラーの緩徐楽章はどれも素晴らしくて好きなのですが、
その中から6番の3楽章(演奏によっては2楽章)をチョイス。
この楽章もやはり大きく2つの主題が交互に登場する形で進んで行きます。
(厳密には主題は複雑に混ざり合っているので、そうとも言えないのですが、
便宜的に以下のように曲を追っていくと聴きやすいように思います。)
冒頭のメロディが、主題A
2分からのメロディが、主題B
2分30秒から、主題A
4分30秒から、主題B、5分10秒あたりからが感動的です。
6分30秒あたりから曲調が明るくなり、カウベルの音がコロコロと鳴っています。
(画面には映ってませんが)
7分30秒から、主題A
10分25秒から主題B、ここからが素晴らしく感動的です。
とくに11分50秒から、の盛り上がりが素敵です。
12分40秒あたり、泣けます。
その後静かに曲は終わります。いい曲ですねー。



・交響曲2番より3楽章/ラフマニノフ


これまた超有名な楽章だと思います。
ラフマニノフの美しさがたっぷりと味わえる楽章。
冒頭の有名なメロディのあと、
続いて登場する(30秒あたりから)の長いクラリネットの旋律
(2分ほど続く)が良いですね。
中間部は3分30あたりから。
中間部後半、6分40秒くらいからの盛り上がりが感動的です。
後半は8分20秒あたりから。
クラリネットのメロディが弦楽器で再現された後、さらに美しく盛り上がる。
うっとりする音楽です。


ということで、これからの秋の夜長、
のんびりと緩徐楽章など聴いてみてはいかがでしょうか。