ものが集まって・・・ | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

美術作品には、あるものが別のものに見えてくる、
「だまし絵」のような作品があります。
このような「だまし絵」的な作品をたくさん制作された人もおり、
こういった美術作品も面白いものです。

ものが集まって別のものになる・・・というような作品を、いくつか並べてみます。


・四大元素:火/アルチンボルド

四大元素:火

16世紀イタリアの画家、ジュゼッペ・アルチンボルドは、
このような「モノが集まってできた人間の顔」のような作品をたくさん制作しました。
これは四大元素(火・水・土・空気)の連作のうちの1枚。火の顔。
燃え盛る炎が髪の毛を表し、蝋燭・燭台・マッチ・銃火器など、
火と関係のある物で人間の横顔が
形作られています。面白いですね。
アルチンボルドは四大元素の他にも、四季(春・夏・秋・冬)の連作など
様々な「人間の顔」を描いています。


・野菜の鉢・庭師の頭部/アルチンボルド

野菜の鉢

アルチンボルドからもう一枚。
お鉢に入った野菜たち。
しかし上下逆にしてみると・・・。

庭師の頭部

やはり人間の頭部になるのだそうです。


・みかけはこわいがとんだいい人だ/歌川国芳

みかけはこわいがとんだいい人だ

日本画でこのような作品をたくさん残したのは、
江戸末期の絵師、歌川国芳です。
この作品も、人が集まって人になる・・・。
集まっている人たち、かなりキツい体勢をとり続けている人もおり、
何だかたいへんそうです(笑)。


・猫の当字/歌川国芳

国芳からもう一枚。
猫が集まって、文字になってます。
かつを、つまり、鰹ということなのだと思います。
字の中に鰹らしき魚も並んでいます。
そして、猫ちゃんが可愛らしいですね。
国芳はこの手のだまし絵的作品をすごくたくさん残しているので、
また機会があれば並べてみたいと思います。


・おもちゃの兵隊/ヴィック・ムニーズ

おもちゃの兵隊

人の肖像写真・・・のようですが、よく見ると小さなおもちゃの兵隊さんたちが
集まってできた人物になっています。
ヴィック・ムニーズは、このような細かいものから人間の肖像などを描く
作品をたくさん制作しています。
この作品は国立国際美術館が所蔵している作品で、
大判写真のため、細部のおもちゃを観察するのも楽しいです。