同じ名前・似た名前 | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

世の中には同姓同名の人、姓が同じ人、似たような名前の人がいます。
著名人や歴史上の有名人にも似た人たちというのはたくさんいるもので、
自分なんかはよく間違えたり、誰が誰だったか分からなくなったり
することもあります。

そんな紛らわしい人たち、思いつくままに並べてみます。
自分は音楽や美術が好きなので、登場する人たちに偏りがあると思いますが、
ご了承ください。

(以下敬称略です。)


美術史上の人物でルソーというと有名な人が2人います。
アンリ・ルソーといえば、20世紀素朴派の画家。
テオドール・ルソーといえば、19世紀バルビゾン派の画家。
この2人は作風が全然違うので、間違うことは少ないです。
しかし、一般的にルソーというと、18世紀フランス啓蒙思想の
ジャン・ジャック・ルソーが有名なので、ちょっと混乱する名前ですね。

ミレーも2人。
バルビゾン派のジャン・フランソワ・ミレーが有名ですが、
ラファエル前派にもジョン・エヴァレット・ミレーと言う画家がいます。
「オフィーリア」などが有名ですね。
区別のために後者はミレイと表記される場合もあります。

この辺りまではまだ分かりやすい(?)ですが、
ラ・トゥールとなるともう少しややこしい。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールといえば、17世紀バロックの画家
モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールといえば、18世紀ロココの画家。
アンリ・ファンタン=ラトゥールといえば、19世紀のアカデミズム系画家。
皆さん名前がややこしい・・・。
1人めは有名な方ですね。
2人めはポンパドゥール夫人の肖像が有名(というか自分はこの絵しか知らない)。
3人めとなると、絵が浮かんできません(笑)。
19世紀フランスの印象派系展覧会でたまに登場する人、と自分は覚えています。

アンリ・マティスといえば20世紀フォービズムの画家ですが、
エディット・マティスといえばこちらは歌手です。
ヒンデミットの音楽「画家マティス」はアンリ・マティスのことではなく、
北方ルネサンス系の画家マティアス・グリューネヴァルトを指すのだそうです。
ややこしいなあ・・・。

フランシス・ベーコンは20世紀の現代美術家ですが、
こちらは一般的には同姓同名の16~17世紀の哲学者の方が
有名かもしれません。
そして前者は17世紀のローマ教皇の絵なども描いているため、ややこしげ。


音楽家。
シュトラウスといえば、ヨハン・シュトラウス、ヨハン・シュトラウス2世、
リヒャルト・シュトラウスがいます。
皆さん有名人です。
前2者は親子ですが、3人めは血縁関係はありません。
ちなみに、シュトラウスはドイツ語で「ダチョウ」という意味なのだそうです。

ケルテスといえば、ハンガリーの指揮者イシュトヴァン・ケルテス。
ですが、同じく写真家のアンドレ・ケルテスも有名。
ケルテスと聞いてどちらを思い出すかで、その人の趣味が分かったりしそうです。

リヒターといえば、ドイツのオルガニスト、カール・リヒター
または現代美術家、ゲルハルト・リヒター。
これも趣味嗜好により、どちらが有名かは意見が分かれそうです。

シューマンといえばドイツロマン派の作曲家ロベルト・シューマンですが、
フランスの政治家にロベール・シューマンと言う人もおり、
ファーストネームも何だか似ていてややこしい。

親子・兄弟・親戚で音楽家という人たち。
カルロス・クライバーはお父さん(エーリヒ・クライバー)も著名な指揮者。
その他有名指揮者では、ネーメ・ヤルヴィやクルト・ザンデルリンクの息子たちも
指揮者をやってます。
20世紀ドイツの大ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ。
彼の親戚にあたるフレディ・ケンプというピアニストも最近時々見かけます。
「ケンプのリサイタル」なんて広告を見て、
一瞬「あれっ?」と思ったことがあります。

親戚といえば、バッハ一族も音楽家がたくさんいますね。
たまに違うバッハが出てきたりして、間違うことも。

美術家の方で親戚関係といえば、ややこしいのがブリューゲル一族です。
ピーテル・ブリューゲルとヤン・ブリューゲルがおり、
それぞれにまた同名の息子がいるというややこしさ・・・笑。
なお、北方ルネサンス画家のクラーナハも、親子で画家なのでややこしいです。
印象派の画家ルノワールの息子、ジャン・ルノワールは映画監督ですが、
こちらはあまり間違うことはないかな・・・?


続いて日本人で名前が同じ人たち。

日本画には狩野派という流派があり、皆ファーストネームが同じなので
誰が誰だったか分からなくなります。
狩野元信や狩野永徳あたりの有名人だとは間違うことは少ないです(たぶん)。
山楽と山雪・・・誰が誰だったっけ?という状態によく陥りましたが
この2人は今年大規模な回顧展が開かれましたので、
自分はもう間違うことはなさそうです。
その他、近世浮世絵で「歌川」を名乗る人も何人かおられます。

日本の歴史上人物では、源信という人が平安時代に2人いてややこしいですね。
それぞれ源信(げんしん)と源信(みなもとのまこと)。
あと、西周(にしあまね)といえば明治の政治家ですが、
中国には西周(せいしゅう)という王朝名もあり、ややこしげ。

斎藤隆夫といえば戦前の有名な政治家ですが、
斎藤貴男といえば現在のジャーナリスト、
さいとうたかをといえば、漫画家です。
柳田国男と柳田邦男、清水義範と清水良典、石川淳といしかわじゅん、
この人たちも読みが同じでややこしいですね。

佐藤栄作といえば戦後昭和の首相・政治家。
佐藤栄佐久(おなじく読みは「えいさく」)といえば元福島県知事です。
先日の参院選で鈴木宗男という候補が立候補してましたが、
こちらは有名な方の政治家:鈴木宗男の名をあえて借りたのだとか。
またややこしいことを・・・笑。

山本太郎とういう人も参院選で立候補し、当選したようですが、
山本太郎と言えば個人的にはウイルス学の同姓同名の
大学教授を思い出します。
そしてこの名前、日本にもっとたくさんいそうです。
役所の申請用紙などの記名欄の「記入方法の例」などで、
日本のあちこちで見かけそうな名前です(笑)。


その他、似たような名前で、個人的にややこしいなと思う人たち。

ツィマーマンとういえば有名なピアニストですが、
ツィンマーマンといえばヴァイオリニストです。ややこしい・・・。

グルダ、グールド、グード、みんなピアニストです。
シフとシフラ、どちらもハンガリー人ピアニスト。
上にも出てきたオルガニストのリヒターと、ピアニストのリヒテルも、
間違えそうになります。

ヴォルテール、ボードレール、ボードリャール、ボーヴォワール・・・
誰が誰で何が何でしたっけ・・・笑。

個人的によく間違えるのが、歴史家の川北稔と川田稔。
一字違いでややこしい。
民俗学者の赤松啓介と赤坂憲雄、「赤」しか合ってませんが、間違います。
永井均と永江朗、ここまで来ると全然違いますが、なぜか間違います(笑)。


自分が知らない(あるいは忘れている)だけで、
他にも混同しやすい人というのはたくさんはいそうです。

他にどんな人がいたかな・・・?