前回の続き。
生き物たちが描かれた絵を、意味なく十二支の順番に並べてみようのコーナー。
後半戦です。
・皇太子バルタサール・カルロス騎馬像/ベラスケス
ディエゴ・ベラスケスは17世紀スペインを代表する画家。
絵に近づいてみると、大胆な筆遣いで描かれた絵の具のかたまり。
しかし離れてみると、すごく生き生きとしたリアルな画面になる。
個人的にすごく好きな画家です。
この絵は小さなお子様が馬を平然と乗りこなしています。
馬はジャンプしてますが、男の子は余裕たっぷり。
そして、馬の前脚・後脚の長さのバランスがよく見ると何だか変。
なんとも非現実的な絵ですが、画面全体のバランスがすごくいい。
とっても好きな絵です。馬といえばこの絵を思い出す。
(どうでもいいことですが、自分は午年生まれなのです。)
・羊飼いの少女/ミレー
ジャン・フランソワ・ミレーは19世紀フランスのバルビゾン派の画家。
フランスの田舎、農民たちを描いた絵が有名で、人気がある画家ですね。
そんなミレーの羊の絵。
敬虔そうな女の子の描写が良いです。
ミレーの絵はだいたいこういう色調で、夕暮れっぽい絵が多いですね。いい感じ。
慌ただしく変化する19世紀フランス絵画史の中で、
バルビゾン派は落ち着いた清涼剤のような雰囲気です。
バルビゾン派は落ち着いた清涼剤のような雰囲気です。
・枯木猿猴図/長谷川等伯
長谷川等伯は16世紀後半の日本の絵師。
安土桃山時代を代表する絵師です。
この絵はおさるさんを描いた水墨画。
京都国立博物館が所蔵している絵です。
めちゃくちゃ大胆な枝の描写が楽しい。
一筆でババッと描いてますが、それでも枝に見えるのが面白い。
猿の体毛は、また筆遣いが全然違います。
右側のお猿の親子が可愛らしいです。
・群鶏図/伊藤若冲
ニワトリといえばこの人。
18世紀京都が生んだ奇想の絵師、伊藤若冲です。
動植綵絵のシリーズからの一枚。
若冲の描く鶏はあまりリアルという感じはせず、装飾過多で幻想的な感じ。
この絵もたくさんの鶏が画面上に犇めきあって、
何だか不思議な雰囲気が強いです。
何だか不思議な雰囲気が強いです。
しかし、この絵のある種の濃密さが素晴らしいです。
動植綵絵には(以前も取り上げましたが)この他にも面白い絵がたくさんあります。
・子犬図/円山応挙
犬の絵といえばゴヤの孤独そうな犬が好きなのですが、
ゴヤは牛で登場済みですので、18世紀京都画壇の中心人物
円山応挙の可愛らしい犬の絵を選びました。
いわゆる「応挙犬」。
応挙の犬の描き方は多くの絵師にインパクトを与えたのか、
その後の日本画では応挙っぽい犬の絵を描く方が多い気がします。
とにかく絵が可愛すぎますね。
応挙はデフォルメの要素は少なく、日本画家にしては比較的
現実的な描写の絵が多いですが、このワンコに限ってはデフォルメが強く、
やたらと可愛くなってます。
現実的な描写の絵が多いですが、このワンコに限ってはデフォルメが強く、
やたらと可愛くなってます。
この動物シリーズ、応挙・芦雪・蕭白・若冲と、
18世紀京都画壇系の有名絵師が4人も登場することになりました。
・メレアグロスとアタランテの狩り/ルーベンス
さてこの動物シリーズ、十二支から選んでみようかなと思い立って
犬までの11匹はすぐに絵が思いついたのですが、
最後のイノシシの絵が全然思い出せない・・・。
最後のイノシシの絵が全然思い出せない・・・。
図版やら画集やらをあれこれひっくり返しても全然絵が見つかりません。
仕方がないので、猪熊弦一郎の絵でも貼ってお茶を濁そうかなとも
思ったのですが(笑)・・・。
思ったのですが(笑)・・・。
インターネットであれこれ検索していると、見つかりました。
バロックの有名画家ルーベンスが描いたギリシャ神話の1シーンなのだそうです。
よく知らない絵でした。
猪と古代ギリシャ人が戦っています。
ルーベンスらしいダイナミックな画面になっています。
ということで、生き物の絵あれこれでした。
ところで、十二支と言って思い出すのが、中世の絵巻物「十二類合戦絵巻」です。
動物たち擬人化された漫画のようなもので、十二支の十二匹の動物たちと