動物たちの絵画 その1 | れぽれろのブログ

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また四月が来たよ~♪
ということで、春ですね。
春は生き物たちが活動しはじめる季節。
冬眠していた方々も、眠りから目覚めて動き出す。

古今東西、動物たちはたくさんの絵画作品に描かれています。
いろんな動物の美術作品を並べてみようと思いますが、
せっかくなので(?)十二支の順番に、
各動物から思い出す絵を並べてみることにします。
以前、ネコの絵を並べたことがありましたが、ちょうど良いことに、
猫を除く他の動物たちの絵を並べることになります。


・塩鮭と鼠/葛飾北斎

塩鮭と鼠

絵画で鼠といえば、雪舟の逸話を思い出しますね。
子供の頃に涙で鼠の絵を描いたとかなんとか・・・。
しかし、雪舟は鼠の絵は残していない(気がする)。
代わりに北斎のネズミです。肉筆画。
北斎は大胆で奇抜な絵が多いですが、
こういうシンプルでやや写実風の絵もさらりと描いています。


・版画集「闘牛技」より/ゴヤ

闘牛技

牛といえばスペイン、闘牛です。
18世紀末~19世紀初頭のスペインの画家ゴヤは
たくさんの版画作品を残していますが、
その多くは悪魔的で奇怪な作品だったり、残酷な戦争の絵だったりします。
そんな中、版画集「闘牛技」は結構カッコイイ作品が多い。
「闘牛技」中で自分はこの作品が一番好きです。
「マドリードでのフアニート・アピニャーニの機敏さと大胆さ」という
タイトルが付けられています。
フアニート・アピニャーニさん、かっこよすぎ。


・虎図/長沢芦雪

虎図襖

虎はドラクロワの有名な作品にしようかとも思いましたが、
やっぱりこの襖絵がいいですね。
長澤芦雪は18世紀京都画壇の異端児。
円山応挙の弟子にあたる方ですが、応挙よりずっと大胆な絵を描く方。
この虎のガッと迫ってくる動きのある感じ、
そしてその割に可愛らしい顔が好きです。
近世日本画の虎は、だいたい猫みたいな雰囲気で描かれることが多いです。
おそらく実物の虎は見たことがないので、描き方は中国絵画からの
影響なんだと思いますが、それにしても可愛げがありますね。


・野うさぎ/デューラー

野うさぎ

アルブレヒト・デューラーは15世紀末~16世紀初頭のドイツの画家。
北方ルネサンス絵画のいつものパターン、細部の描き込みが良い感じです。
ウサギの毛のフワフワ感が心地よい。
思わず絵に触れたくなります。
凛としたウサギの表情も良いです。


・雲龍図/曾我蕭白

雲龍図

龍を描いた日本画はたくさんあるので、何を貼ろうか迷いますが、
ボストン美術館所蔵の作品で、現在日本に来ている曾我蕭白の作品にしました。
大胆不敵な龍の描き方がいいです。如何にも奇想の画家蕭白といった感じ。
この絵はちょうど1年ほど前、仕事で東京に行ったときに時間が空いたので、
東京国立博物館のボストン美術館展に行き、そこで見た絵です。
見れてラッキー♪・・・と思っていましたが、なんとこの絵は1年後のいま、
回りまわって大阪に来ています(笑)。
ボストン美術館展、せっかく巡回してくれたので、
もう一度見に行こうかなと考え中です。


・アダムとイヴ/ミケランジェロ

アダムとイヴ

少し変化球ですが、西洋美術で蛇といえばどうしても聖書のエピソードを
思い出してしまいます。
創世記に登場し、アダムとイブに知恵の林檎を食べさせようとする蛇。
この絵はミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の壁画です。
ミケランジェロのこの礼拝堂の壁画では「アダムの創造」なんかが有名ですね。
この絵は蛇が半人半獣の女性として描かれています。何やら面白げ。
そして、下半身がやたらとダラダラと長い(笑)。
林檎のシーンと楽園を追放されるシーン、同時に描かれています。
日本の絵巻物などに出てくる異図同時法みたいですね。


ということで、後半に続きます。
次回はお馬さんからのスタート。