この作曲家とこの画家と・・・ | れぽれろのブログ

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自分は音楽史や美術史が好きです。
歴史上の有名な作曲家や画家の作品に接していると、
「この作曲家とこの画家はなんとなく似てる」とか
「この作曲家の作品はこの画家の作品に雰囲気が近い」とか
そういった繋がりを感じる人たちがいます。
ということで、「作曲家から思い出す画家」というテーマで5組を選んでみました。
あくまでも個人的な印象にすぎませんが、
共感して頂ける方がおられると嬉しいような気がします。


・モーツァルト

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは18世紀後半の作曲家。
オペラ、交響曲、協奏曲、室内楽、ピアノ曲、宗教曲・・・。
様々なジャンルでたくさんの作品を残した方です。
長調の明るい作品が多く、美しくて楽しくて、
それでいて少し切ない曲が魅力的ですね。
そして、時々短調の物凄くドラマティックな作品、
ロマン派を先取りしたような曲も作る、そんな作曲家です。

そんなモーツァルトから思い出す画家といえば・・・。

ぶらんこ

フランスの画家、ジャン・オノレ・フラゴナールを思い出します。
活躍したのはモーツァルトとほぼ同時代。
ロココ時代後期のフランスを代表する画家です。
可愛らしい絵が多く、長調のモーツァルトに雰囲気が似ています。
何やらエロティックな絵が多いのも、モーツァルトのオペラの雰囲気と重なります。
そして、「幻想的肖像画」シリーズのように、
ロココの枠を超えるような作品も残しています。
この辺りも、モーツァルトっぽい。


・ベートーヴェン

クラシック界ナンバー1の有名人といえばこの人。
18世紀末~19世紀初頭ドイツの作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。
古典派の完成者でありロマン派の先駆者。
9曲の交響曲、16曲の弦楽四重奏曲、32曲のピアノソナタは
クラシック音楽の金字塔。
ガッチリした構築的な音楽はすごく魅力的ですね。

そんなベートーヴェンに雰囲気の近い画家といえば・・・。

アルプスを越えるナポレオン

フランス新古典主義の画家、ジャック・ルイ・ダヴィッドに近い感じがします。
ガッチリした画面構成と理想的なバランス。
ベートーヴェンの交響曲3番を聴くと、自分はこのダヴィッドの
ナポレオンの絵が浮かんできます。
なんともカッコイイ絵ですね。
この絵はかなりナポレオンを神格化した絵。
ベートーヴェンも19世紀後半ごろより、ドイツ帝国にて神格化の歴史を
辿ることになります。


・ブルックナー

アントン・ブルックナーは後期ロマン派の作曲家。
ワーグナーの影響を受け、交響曲をたくさん残しました。
雄大で美しくかっこよく、そしてやたらと長い交響曲はたいへんに魅力的。
とくに個人的にブルックナーの異様に美しい緩徐楽章がすごく好きです。

そんなブルックナーの交響曲から連想する画家といえば・・・。

雲海のうえの旅人

ドイツロマン主義を代表する画家、
カスパー・ダーヴィド・フリードリヒの絵画を思い出します。
フリードリヒは、雄大な自然を描いた作品をたくさん残しました。
この絵のように、大自然の中にぽつんと佇む後ろ向きの人間・・・
みたいな絵が多いですね。
ブルックナーの音楽もときどき大自然に例えられたりしますね。
中欧の雄大な自然を連想するロマン主義の芸術家ということで、
この2人もなんとなく共通のものを感じます。


・ブラームス

ヨハネス・ブラームスは19世紀後半のドイツの作曲家。
ブルックナーと同様、後期ロマン派の作曲家ですが、
ブルックナーが交響曲作曲家であるのに対し、
ブラームスは交響曲だけではなく協奏曲や室内楽など、
いろんなジャンルをあれこれ作曲しています。
室内楽に美しい曲が多く、個人的に好きな曲が多いです。
ブラームスの曲はだいたい古典的な形式で書かれていますが、
よく聴いてみると意外と前衛的な雰囲気の曲が多い気がします。
そしてブラームスの重要な特徴、なんというか、音楽に色気を感じます(笑)。

形式は古典的だが前衛を志向し、かつ妙な色気といえばこの人。

波と女

ギュスターヴ・クールベは19世紀フランスの写実主義の画家。
手法は古典的ですが、宗教画や歴史画を否定し、
あくまで現実を描こうとする態度を貫きます。
そして、個人的にクールベが面白いのは、妙に艶めかしい(?)女体を
やたらと描いていることです。
気難しそうに見えて変にエロティックというところなど、
ブラームスとクールベの作品は妙に共通性があるように感じますが、
如何でしょうか・・・?


・ドビュッシー

クロード・ドビュッシーは19世紀末~20世紀初頭のフランスを代表する作曲家。
いわゆる印象派の作曲家です。
ドイツ・中欧の作曲家とはかなり雰囲気の違う、綺麗な作品を残しています。
オーケストラ曲もピアノ曲も魅力的です。

ドビュッシーから連想する画家といえば、もうこの人しかいません。

睡蓮

同じフランスの芸術家で、同じく印象派としてのの作品を制作し、
ファーストネームも同じ。
クロード・モネを思い出しますね。
キラキラした移ろいゆく光の雰囲気は、ドビュッシーの音楽にぴったり。


ということで5組並べてみましたが、あくまで単なる主観です。
それぞれの作曲家・画家の熱烈なファンの方、
あまり気にされないようにしてください・・・笑。