ベルギーの絵画 | れぽれろのブログ

れぽれろのブログ

美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

ベルギーは、フランスとオランダに挟まれた小国。
西ヨーロッパの歴史では、目立って表舞台に出てくることは少ない地域です。
しかし、ベルギーは結構面白い画家が現れる地域です。
歴史上の大国:イギリスと比較してみても、こと美術に関しては
ベルギーの方が有名な画家は多いかもしれません。

個人的にもベルギー出身の画家には好きな人が多く、
過去にこのブログに登場した人たちも多いです。
そんなベルギーの画家たちの作品を並べてみます。


・アルノルフィーニ夫妻像/ファン・アイク

アルノルフィーニ夫妻像

ヤン・ファン・アイクは15世紀の画家。
フランドルの画家で、現在のベルギー地域の出身と言われています。
いわゆる北方ルネサンスのカテゴリで登場してくる画家です。
この画家の面白さは、細部の質感と細密描写です。
布やレースの質感、毛皮のモフモフ感、犬の毛のフワフワ感、
金属の光沢感、木の質感・・・
思わず絵に触れてしまいそうになるような描写です。
ファン・アイクの関心は、人体のバランスや表情といった要素よりも、
細部の描写にあるように思います。
画像では分かりにくいと思いますので、ご興味のある方はぜひ
大きめの画集などで確認して頂きたいです。
自分はこの画家の作品の実物を見たことがないので、
ぜひ一度見てみたいです。
どうでもいいことですが、昔々この絵を初めて見たとき、
この女の人は羊の化身か何かだと思いました・・・(笑)。


・バベルの塔/ブリューゲル

バベル

ピーテル・ブリューゲルも16世紀の北方ルネサンスの画家です。
このブログでは比較的お馴染み。過去何度か取り上げた方です。
今まで貼ってなかった絵の中からバベルの塔をチョイス。
この絵も細部の細かい人・物が面白い。
画集などで細部を観察したくなる絵です。


・キリスト昇架/ルーベンス

キリスト昇架

ピーテル・パウル・ルーベンスは17世紀前半に活躍した画家。
劇的な画面構成が魅力的です。
宗教画や神話の絵などが魅力的で良いです。
筋骨隆々な男たち。キリストも意外とムキムキ。
何ともドラマティックな絵ですね。


・仮面の中の自画像/アンソール

仮面の中の自画像

ジェイムズ・アンソールは19世紀後半、世紀末美術の時期の画家。
仮面と骸骨の画家です。
骸骨の絵は以前にも登場したと思いますので、
仮面が画面を埋め尽くす絵をチョイス。
これだけ夥しい数の仮面を付けた人が並ぶと怖い・・・。
真ん中の髭の人がアンソール自身なのだそうです。
よく見ると、後ろの方にガイコツさんも並んでいます。


・スフィンクスの愛撫/クノップフ

スフィンクスの愛撫

フェルナン・クノップフも世紀末美術の象徴派の画家です。
顔は人間、体は豹(?)。
半人半獣のスフィンクスに、ほっぺをスリスリされている男性。
スフィンクスはメスなのでしょうか?
何とも不思議な魅力のある絵ですね。
横長の画面構成も独特です。


・流れ/フレデリック

流れ

レオン・フレデリックも、やはり世紀末の象徴派系画家。
滝の上流から、夥しい数の子供たちが流れてくる・・・。
ものすごいインパクトのある絵ですね。何やら怖い気もします。
「流れ」は3枚1セットの絵ですが、これは3枚のうち中心の1枚です。


・眠れるヴィーナス/デルヴォー

眠れるヴィーナス

ポール・デルヴォーは20世紀のシュルレアリスム画家。
デルヴォーの特徴は、夢の中のような独特の町の中に
裸の女の子や骸骨が並ぶ。そんな絵が多いです。
好き嫌いが分かれそうな画風ですが、自分は結構好きです。
デルヴォーの女の子の特徴は、何と言っても陰毛です。
どの絵もとにかく陰毛が目立つ(笑)。
この画像、アメーバさんに消されないかどうか心配です。
(以前クールベの絵を消されたことがあるので・・・笑)


・光の帝国/マグリット

光の帝国

ルネ・マグリットも20世紀のシュルレアリスム画家です。
過去何度も(しつこく)取り上げた画家ですが、最近はちょっとご無沙汰気味。
久しぶりの登場です。
この絵はマグリットの代表作。
お空は昼ですが、家の前は夜。
昼なのか夜なのか・・・なんとも不思議な画面ですね。
2007年のベルギー王立美術館展で日本に来ていた絵です。
ちなみにこの展覧会は、ベルギー出身の画家たち、
ブリューゲル、ルーベンス、アンソール、クノップフ、
デルヴォー、マグリットの絵が揃ったという物凄い展覧会でした。


ちなみに、現在のベルギーという国ができたのは19世紀になってからのこと。
それ以前の画家ついては、現在でいうベルギーの地域出身の画家
とお考え頂きたいです。
念のため。