フィンランドのくらしとデザイン | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。


フィンランド・・・
北欧の国、北ヨーロッパの北の北
雪と森と湖の国
長い冬、日が沈まない夏

フィンランドは家具や食器などでも有名。
携帯電話のノキア社なんかも有名ですね。

フィンランドは、音楽がさかんな国という印象もあります。
大作曲家シベリウスを産んだ国ですし、来日するオーケストラも多数。
しかも意外とチケットが安価、それでいて良い演奏を聞かせてくるという
印象があります。
フィンランド出身の有名な指揮者・演奏家も多いです。
エサ=ペッカ・サロネン、サカリ・オラモ、オスモ・ヴァンスカ、
オッコ・カム、オッリ・ムストネン・・・
フィンランドのオケは交響詩「フィンランディア」が大好き。
プログラムになくても、アンコールで演奏してくれたりしますね。
そしてこの曲がまた盛り上がる。

のっけから話がずれまくってますが・・・。

2日の土曜日、兵庫県立美術館の「フィンランドのくらしとデザイン」と
題された展覧会に行ってきました。
この日は3月にしてはかなり寒かったです。
JR灘駅を降りると、なんと雪がパラついています。
寒さに震えながら会場へと向かいます。

20世紀美術の展覧会は、だいたい空いていることが多いです。
この展覧会も20世紀の美術を中心とした展示なのですが、
今回に限っては結構混んでました。
カップルも割と多いですが、それ以上に目につくのが女子数名のグループ、
なんとなくお洒落系女子(?)といった感じの人たち。
普段美術館ではあまり見かけないタイプのグループが目立ちます。


会場に入ると、まずは油彩画、フィンランドの風景画が並びます。
初めの方は雪景色ばかり。次もそのまた次も雪の絵です。
しばらくすると、雪がない風景に移り変わっていきます。
冬→春に移行するような展示の並び。

綺麗な風景画が多いです。
20世紀前半の作品の展示がメインですが、ここにあるフィンランドの絵は
表現主義やキュビスムやダダイズム等々の影響はほぼ見られません。
同じ北欧でもノルウェーのムンクが表現主義的な作品を描いたのとは
何やら対照的な感じです。

そして、作曲家シベリウスの肖像画が登場します。
やっぱりフィンランドといえばこの人。
フィンランドの国民的物語「カレワラ」に関する展示もありました。
この「カレワラ」中に、シベリウスの「レミンカイネン組曲」で有名な
あのレミンカイネンさんが登場します。何やら嬉しい。

続いて家具の展示。
椅子やクッションやカーペットなどが展示されています。
椅子はデザイン的にはいいですが、何やら背もたれが固そうな椅子が多い感じ。
クッションのデザインが楽しいです。
デフォルメされたイソギンチャクなど、面白いデザイン。
その他、五弦の弦楽器や、角笛のような楽器もありました。
どんな音が鳴るんだろ。

建築物の図面や写真の展示もあります。
フィンランドのおうちは、外観が原色でカラフル。可愛らしい感じ。
マンションや駅などの建物も、何やら統一されたオシャレ感が。
なんとなく、街の景観を統一しようという意識が感じられます。
この辺が日本の街並みと大きく違うところ。
そして、どの建物も窓の雰囲気が可愛らしいですね。


次はトーヴェ・ヤンソンのイラストが展示されています。
ムーミンの作者の方とのこと。この展示スペースが一番混雑しています。
オシャレ女の子たちの目的はこれだったのかもしれません。
ムーミンは妙に目つきが悪い(笑)絵もあります。
ミイもスナフキンも、よく見ると基本悪そうな顔(笑)。
この目つきの悪さ、悪い顔ぶりがまた妙に可愛らしいですね。

このスペースは混雑していたため、
「立ち止まって鑑賞していると係員に怒られる」パターンでした。
フェルメール級の扱いです。すごいムーミン人気。


さて最後は食器や服飾に関する展示です。
現在でも有名なメーカー・ブランドの商品が展示されています。
自分は絵画史なんかは好きなのですが、
実はこの辺りの既製品のブランドやメーカーには全然詳しくない・・・。
この日はお友達と一緒に見て回ったのですが、
この辺りは一緒に行ったお友達の方が詳しく、あれこれ教えてもらいながら鑑賞。
お友達曰く、イッタラ社やアラビア社、マリメッコ社といったブランドは
非常に有名なのだそうです。
マリメッコの花柄のデザインは有名ですね。これは自分も知ってました。

フィンランドのシンプルなデザインは非常に良いです。
自分は、いろんなものが書きこまれた情報量の多い絵や、
無駄に音の多い音楽や、登場人物が複雑に入り組んだ群像劇や、
膨大な事実が重ねあわされたドキュメンタリーなど、
無駄に情報量の多いものを好んで面白がる傾向があります。
しかし、こと服や食器や家具などに関しては、
実はシンプルな物の方が好きなのです。
美術や音楽など、鑑賞するのは情報量が多い方が好きですが、
所有・使用するなら、ゴテゴテの装飾が施されたものより、
シンプルで機能的な製品の方が良いですね。
服など、ハデな柄物とかイラストが入ったものなどは実は苦手、
無地のシンプルな服が好きなのです。
ということなので、フィンランド製品のデザインは非常に気に入りました。

北欧は冬が長いので必然的にインドア系になり、
家具や食器などにこだわりが出てくるのかもしれません。
自分もインドア志向なので、北欧的なものとは相性がよさそう。
デザイン系の歴史も勉強してみたくなってきました。


会場を出ると夕方、冷えます・・・。
このあと、深々と冷える三宮の町に向かい、
ナガサワ文具センターの本店で文房具を物色、
ペンとメモ帳を購入し、そのあと南京町で中華料理を頂きました。
南京町では、路上で売られているパンダの顔をしたお饅頭も購入。
はじめは肉まんかと思い、一瞬「もしやパンダの肉が・・・」
と思いましたが(←そんなわけない)、中身は普通のあんまんでした(笑)
豚角まんも頂きました。アツアツをほうばる・・・美味しい!

ということで、楽しい1日でした。