丹後を歩く(5) 松尾寺 | れぽれろのブログ

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※2月10日の旅の記録です。

舞鶴引揚記念館を後にし、バスで東舞鶴駅へ向かいます。
次の目的地は、西国三十三所の第29番札所、松尾寺(まつのおでら)。
JRの小浜線に乗り込みます。
オバマ大統領の登場で一時期脚光を浴びた(?)あの小浜方面行きです。
前日の北近畿タンゴ鉄道と同じく、ワンマンの車両でした。

東舞鶴駅から一駅、松尾寺駅で下車します。
この駅は無人駅、電車内で切符を渡し、下車します。
駅を降りると・・・何もない。
唯一駅前の27号線沿いにコンビニがあります。
バスだとかの交通機関もなさそうです。
去年の夏、鳥取県は米子方面に行った時の岸本という駅を思い出します。
いかにも田舎の駅。

松尾寺まで約3.5km。
余裕♪ということで歩きはじめます。
畑のあぜ道のようなところを歩き続け、しばらくすると山道になります。
距離的には余裕だと思ったのですが・・・上り坂がきつい・・・。
この辺りは青葉山というのだそうです。山道はきつかった。

おまけに、靴の一部が破れてきました。足の裏が痛い・・・。
買ってから約1年半。
結構この靴であちこちあるいたので、とうとうガタが来たようです。
あとで足にマメができました。
お出かけ用の靴なのですが、天橋立でドロドロになったし、破れてきたしで
買い換えようかな・・・。

山道のきつい上り坂。
普通は車などで行くらしく、誰も歩くことはなさそうな道ですが、
なんと自分以外にも歩いている人がいます。
自分もそうですが、世の中には歩くのが好きな人もいるという事実。

ヒーヒー言いながらきつい上り坂を歩き続け、ようやくたどり着きました。


松尾寺。

松尾寺1


正面が隠れてますので、斜めからも。

松尾寺2


松尾寺は真言宗醍醐派で、708年建立とのこと。
前日の成相寺と同じく、奈良朝以前のお寺です。古い。
ご本尊は馬頭観音。
このお寺には宝物もたくさんあるようですが、宝物館は開いていませんでした。
春や秋でなと開かないのかな・・・残念。

というかこのお寺、商業的なものは何もない・・・。
どうもお土産物やお守りなども売ってないようです。
前日の成相寺は、天橋立に近いせいもあってか、
ケーブルカー&バスの交通機関が準備されており、
いろんな種類のお守りやお土産物なども売られていました。
しかし、松尾寺の方は交通機関も整備されておらず、お土産もなし・・・。
同じ西国三十三所でも、観光スポットとしての格差を感じます(笑)。

お寺には自分以外にも人がちらほらいました。
例によってカメラであれこれ撮影している人たち。
やはり一眼レフが多い・・・。例によって女子一眼レフユーザーもちらほら。
気にせず自分はコンデジで撮影。

やたらと寒いので、カメラを持つ手が震える・・・。

歌を刻んだ石が3つほどありましたので、なんとなく撮影。

松尾寺3

松尾寺4

松尾寺5


1枚め、石の表面がテカテカなので、自分が反射して写ってます。
この写真をみて重要なことに気付きました。
自分の撮る写真、被写体が傾いていることが多いのですが、
理由は何ということはない、手にバッグをかけたまま写してるからです(笑)。
写真撮影の基本がなってない。一眼レフなど100年早そうですね・・・(笑)。

石の奥にはさらに上に登る謎の階段が・・・。

松尾寺6


しかし、さすがに歩き疲れてきましたし、雪で死ぬ思いをすると嫌なので、
登るのは諦めます。

お空がかなり曇ってきています。雪が降りそうな感じ。
雪に降られたりしないように、早めに下山することにします。

帰りにトイレに立ち寄ったのですが、ウスシマ明王という仏様の像が
掲げられていました。
トイレに関する仏様なのだそうです。トイレの神様ならぬ、トイレの仏様。
トイレというと、用足し時に危害を加える妖怪、かんばり入道などを
思い出しますが、仏様もおられるとはびっくり。何やら物珍しいですね。


ということで下山します。
帰りは下り坂なのでサクサク下りて行きます。
足の裏が痛いですが、気分は楽ちん。

カラスがカーカー鳴いています。
ふと気が付くと、目の前にカラスが・・・。
さすがにカラスは何となく写真を取る気も起りません(笑)。

さっきはトンビ、今度はカラス。
思い出したのが、与謝蕪村の鳶鴉図(とびからすず)。
トンビとカラスを描いた有名な絵です。以下の右がトンビ、左がカラス。

鳶鴉図


蕪村は京都の人(生まれは大阪)で、蕪村の母が丹後の与謝
(天橋立から少し西)の出身なんだそうです。
丹後に縁のある蕪村の絵に纏わるトンビとカラス。
記憶と経験のリンクが楽しい。


もう少しで松尾寺駅というところで、目の前を電車が通り過ぎました。
16:06発の東舞鶴行きです。
乗れなかった・・・。
で、次の列車時刻を見ると・・・17:34分、1時間半近くあります。
駅の周りにコンビニ以外何もないので、仕方なく駅で
1時間半を過ごすことにします。

そして・・・、この1時間半がきつかった・・・。
とにかく寒い!
動いていると寒さは感じませんが、駅でじっとしていると物凄く体が冷えてきます。
たぶん外気温はゼロ度付近。
駅の近辺をウロウロしようかなとも思ったのですが、さすがに足がクタクタです。
足を休ませる必要がありますが、体がどんどん冷えていく・・・。

この日の旅の記録などをノートにメモしたりして、電車を待ちます。
メモに集中してると一時的に寒さを忘れますが、
忘れてるだけで、体はきっちり冷えて行きます。

ふと気が付くと、駅の待合室に猫が一匹います。
気配を殺して眠っていたので、気が付いていませんでした。
こちらが猫ちゃんに気付き、ビクッとすると、猫ちゃんもビクッとします。
害のない人間だと思ったのか、猫ちゃんは再び眠りに付きました。

ということで、駅で一時間半、電車を待ち続け、
体が冷えて途中で2回もコンビニにトイレを借りに行きます(笑)。
寒さを紛らわすために少し外へ出たりしますが、当たり前ですが余計に寒い。
寒がり人間に呆れたのか、猫ちゃんは途中で出て行ってしまいました。

今から思えば、寒い駅でノートにメモなんかせずに、
コンビニで立ち読みでもしてたら良かったかも・・・。
しかし、1時間半コンビニで立ち読みというのも何だか気がひけますね。


そんなこんなで、ようやく1時間半後、電車がやってきます。
しかし体の冷えはおさまらない。
東舞鶴の駅前で、暖かい夕食を食べて体を温めようとおもったのですが、
なんと京都行き特急「まいづる」の最終時刻は18:07分・・・。
時間がない・・・。
寒いけどこのまま帰ろう。

時間がないので仕方なく、体が冷えたまま、京都経由で大阪に戻ることにします。
お土産を買う時間もなかった・・・。
今から思うと、これが体にすごく応えたようです。
途中、電車内でまたやたらとトイレに行くことになります(笑)。

大阪まで戻ってきた後、いつもの天丼屋さんに入り、
赤だしを頂き、ようやく体が温まってきました。
そして、家に帰りシャワーを浴び、体を洗うと・・・。
何だかやけに肌がすべすべしています。
温泉効果でしょうか。すごい!

ということで、楽しい丹後旅行となりました。
一人旅は気楽で楽しいので、また機会を見つけて行きたいですね。
今年は春・夏・秋と、あと3回は旅をしたいです。


<後日談>

松尾寺駅での寒さがよほど体にこたえたのか、
旅行から帰って来た翌日(11日)の夜から、熱が出てきました。
その次の日(12日)の朝、なんと39度近くまで上がってる・・・!
病院で検査すると、インフルエンザに感染したとのこと。

自分は寒がりなので、寒さに対しては気を使っている方です。
秋になると早い目に毛布を出したり暖房を入れたりするので、
意外と風邪をひくことは少なかったりします。
インフルエンザの予防注射もしたことはないのですが、
それでもインフルエンザに感染することはほとんどない。
しかし、今年は感染しました・・。
やはり体の冷えから抵抗力がなくなると、感染しやすくなるのでしょうか・・・。

自分は常日頃から人に対して、「風邪ひきたくなかったら体を温めろ」と
偉そうに語っていたのですが、無計画な旅行により、風邪をひくことに。
ダメダメですね・・・(笑)。

旅行当日にアメーバなうでの呟き
「寒がり人間が丹後国で寒さまみれるとどうなるか」
結果、風邪をひきました。当たり前すぎる結論・・・(笑)。

ということで、皆様におかれても、体は温かくし、そして旅行は計画的に。